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心を掴む話

初回でこんなたくさんの人に見てくれるとは思いませんでした。ありがとうございますこれからもよろしくお願いします。

 「起きろ!女王様の御前で寝るとは何事か!」

 

 どか!


 ぐえ。


 腹を蹴られて起こされるのは日常茶飯事だがこの野太い声は俺の爺ちゃんじゃないし、こんなに優しく起こすほどうちの妹の脚力は柔じゃない。てか何悠長に身内の力強さ自慢しているんだ。現状把握しないと。


 目を開けると自分は中世ヨーロッパ風の城の広間に自分は転がされているようだ。俺以外にも二十人くらい居て、その全員が寝起きか俺と同じ起こされかたをされていた。老若男女とわず、だ。ろくな扱い方は期待しないほうがいいな、こりゃ。優しく蹴り起こしてくださっている糞野郎は鎧を着ているし、女王と呼ばれたオカマはゴシック風のドレスを着ている当たりコスプレ趣味の誘拐者じゃなければ、無事異世界に行けたのだろう。にしてもスゲーイケメンだな、オカマ。


 また一人蹴り起こされた。っておい、あれうちの爺じゃないか!年寄りは丁重に扱えよ!しかもその隣の女の子はうちの愚妹だ!何で寄りによってうちの人全員いるんだ?あ、愚妹って言った事を本能で察して俺を睨み始めた。鋭いのはいいけど今それどころじゃない。


 と言うのも転がっている全員手足が錠で縛られている。口も御丁寧にギャグボールで塞がれている。せめて足だけでも外れないとろくに逃げられない。くそ!いくらがちゃがちゃ鳴らしても外れる見込みがない。


 ガン!

 

 痛つう!


 オカマ、ヒールの尖った底を人の脹ら脛に押し付けてんじゃねえ!痛いだろうが!


 「ふん、どうせこう調級しないと使い物にならないのに、ワタシから逃れようと必死ネ。」

さては前科があるな。

 

 「あ~あ、いやだわ、この世界の常識、魔術の知識、肉体強化、いろんな物を仕込まなければいけないのに恩義もなく逃げようとするシ~」

そもそも誘拐した時点で恩義も糞もない事を気付きやがれ。

 

 「だからお願い、見捨てな・い・で・ネ?」

きも。あと、いい加減足退きやがれ。

 

 「にしてもあなた、良い顔してるわネェ。触れただけで指が切れそうな顔、中々いいワァ。」

さりげなく人のコンプレクスに触れるな。強面でケモミミ美女達が逃げたらと思うと切なくなるが、今それどころではない。あ、足を退けた。

 

 「決めタ。あなた愛人17号ネ。よ・ろ・し・クゥ~!」

 

 …は?

 

 「女王様、それは困ります!貴重な異界の戦闘奴隷を性…愛人にするのは困ります!」

おい騎士、今性奴隷って言いかけたな。というか俺たちは戦闘奴隷という扱いか。なるほど。


 「あら、いいじゃない、両方の役割持ってモ。それなら誰も困らないじゃなイ。」

俺が困るわ!

 「あなた様の相手をするとみな体力を大量取られるのです!」

おいおい、このマ王どれだけ溜め込んでいるんだ?

 「あら、なら体力訓練にちょうど良いじゃなイ。ついでにあたしの番の相手できて一石二鳥。じゃ、そうゆうことデ。」

おいおい、ちょっとまて、冗談だよな?冗談だよな?冗談だよな冗談だよな冗談だよな

 「10号、11号、部屋に案内しなさイ。」


 神様、助け

 

 ブツ!


******

 


 「おはよう。そろそろ起きなさい。」


 ぱち。目を開けるとそこには前話拳で熱く思いを語ってくれた力神がいた。何故か無表情だ。


 「まったく、送った後すぐここに帰ってくる人はあなただですよ。まあ、あんな状況なら仕方ないか。」


 「口調微妙に変わっていないか?」


 「せめて初めてあう人とは礼節もって話せとうるさく言うやつがいて仕方なくやっているのですよ。あーあ、いやですねえ。」


 「今俺はどうなっているんだ?なんなんだこの状況?」


 「強制的に掘られることで精神が発狂仕掛けたところを私が精神だけ保護したんですよ。ちなみにここ、また私の私室です。」


 「はあ」


 「体の方はイタい運動道具にされていますね。ケモミミフェチといい両刀といい変態にも色々種類がいるんですねえ」

 

 「おい、関心してないで体の方も助けてくれよ。」


 「無理です。私にそんな権限はありませんし、権限を持っている神に頼んでも断られるのがオチでしょう。」


 「どうなっているんだ神々の社会は!」


 「基本格差社会ですよ。古今東西にどれだけ崇拝信者が居たかで格が決まります。それより私に質問する事はありますか?」

 

 「質問?今は絶望しかないんだけど!?」

もう泣くよ、俺でも。なんで異世界にきて無抵抗に体を好き勝手弄られているんだ。

 

 「うわあ、絶望してますねえ。それでしたら復習計画でも一緒に考えましょうよ。でないとあなた、ヤラレっぱなしですよ?」


 「ああ、わかった。」


 「素直でよろしい。まずあなたの能力を説明しなければなりませんね。頭の中で『ステータス』と念じてみてください。」


 言う通りに念じてみると目の前に透明な水色の四角いホラグラムが出てきた。文字が書かれている。


 ー愛染健太郎

種族;異世界人、

能力;静電気(弱化、強化、無効)、力神の加護、


 …予想以上に簡素だった。いいのか、こんなんで。


 「能力の所を見てください。」


 ん?


 能力;静電気


 いや、見間違いだろう。そんなしょぼい能力なわけがない。俺は目をこすってもう一度見る事にした。

 

 能力;静電気


 いや、見間違いだろう。そんなしょぼい能力なわけがない。俺は目をこすってもう一度見る事にした。


 能力;静電気


 いや、見間違いだろう。そんなしょぼい能力なわけが「いい加減現実みてください。なんど目をこすっても変わりませんよ。」


 「なんでだよ!なんでこんなにしょぼい能力くれやがったんだ!?」

 

 「へ~壁を自由に歩く能力、某SF映画の有名な力的な能力、固体を一瞬で気体にできる能力がしょぼいと?」


 「いつ静電気がそんな事できた!?」


 「はあ、基礎知識がないとこの力は使いこなせませんよ。いいです、わたしが説明します。大人しく聞いていてください。」


 「わかりました。」

使い方分からないと能力貰う意味ないしな。ここは黙っておこう。


 「まず分子という物はご存知ですよね?私たちが扱うあらゆる物もそれで作られている事も?」


 「はい」


 「では分子間力は?」


 「知らん。」


 「そこからですか…いいですか、分子同士の間には離れた部分がありまして、その間には相互引力が存在するんです。種類はイオン間相互作用、水素結合、双極子相互作用、ファンデルワールス力など、この力はすべてに作用できます。また、すべての物は分子、あるいは原子で出来ています。そしてそれを結びつけるクーロン力もまた、この力を作用できます。」


 「ごめん、簡単に、かつアホでも分かるように説明してくれ。」


 「原子や分子で出来たものはすべてくっつかせる引き合い力、あるいはくっつかせない反発力があります。これらを弱化、強化させるのが私が与えた最初の二つの能力です。」


 「いまいち分からないんだが。」


 「例えば壁の上を走りたいとしましょう。壁とあなたの足の裏は反発と引き合い、両方の力を備えていますがこの場合反発のほうが強いのでくっつきません。そこで引き合い力を強化することで足がある程度壁に引っ付き、壁の上を歩けます。逆に水の上を歩きたい場合は沈む前に反発強化を行えば歩けます。」


 「なるほど。じゃあ、攻撃としてはどう使うんだ?」


 「反発強化で自分の拳や斬撃を強化したり、防御の固い相手の反発力を弱化したり、飛距離を強化することで反発力を相手に飛ばしたりできます。」


 「結構万能な能力なんだな。」


 「そうですね。他にも色々できますがそれは自分でお考えください。」


 「じゃあ,この『無効』ってのはなんなんだ?」


 「あ、それはまだ説明していませんでしたね。科学説明を省いて言うなら通過自在能力です。」


 「通過自在?」


 「触れられる物を自在に選べるんですよ。ただし熱や重力といった現象には耐性が付きません。炎を通過しても体は焼けます。」


 「その言い方だとこの能力の射程距離って体覆う程度しかないように聞こえるけど?」


 「珍しく鋭い指摘ですね。」


 「ほっとけ!」


 「半径二メートルは効果範囲内ですが、それ以前に燃費が悪いのです。使うのは致命傷の回避か必殺の一撃が一番いいでしょう。」


 「で、どうやって発動するんだ?」


 「…え?」


 「いやいや、効果は教えて貰ったが発動方法は一切しらないんだけど?」


 「そういえば魔術の発動方法を教えられてませんね」


 「教えられる前にあのマ王にヤられたからな。」

思い出すだけで腹が立つ。くそ!精神が体に戻ったら絶対殺す!


 「では、お教えしましょう。サイケを交渉材に使い「バカも分かる言いかたで。」…魔術とはすなわち感情のぶつけ合いです。感情、特に人の欲が魔術の料になるのです。


 「つまりゲーム風に言うと感情や欲がMP、魔力になるのか。」


 「そうですね。感情や欲心を自覚しながらやりたいことを想像し、念じれば自然とできます。」

 

 「なーる」


 「と、そろそろお仕舞いですね。体の方も遊び終えたみたいですし。」


 「俺が好きで遊ばれているみたいな言い方やめてくれ。」


 「失礼。」


 「で、俺が気絶してから何分立っているんだ?」


 「5,760分です。」


 「へ?」


 「つまり四日です。」


 「どんだけ溜まってんだあのマ王!?」 


 「スキルの性欲増幅を持っていますねマ王さん。うわあ、しかも結構使っている。」


 「いらん情報ありがとう!早速殺しにいくから精神を体に戻してくれ!!」


 「はい、では〜、


ブツ!


******


 「ああ、ワタシの天使、起きたのネ!今から新しい18号を味見しようという時に!もう、間合いが悪いんだかラ〜」


 マ王の戯れ言にかまわず俺はゆっくり手錠を外し、やつに正面から抱きついた.


 「あら、嫉妬?ごめんなさいね〜、でもアタシ予定があるから〜」


野郎に抱きつくのはこれで最後と誓いつつ腕に術を掛け、胸を通過して、マ王の心臓を直接つかんで、


「…エ?」 


 ぐしゃ!


ちと短いですがここらへんが切りよかったので。

次回ようやくタイトル詐欺から脱出できそうです。日本語難しい。関係ないか。

誤字注意、間違い注意、コメントなどを送ってくださると励みになります。

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