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異世界機巧都市  作者: switch
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一章 第六話 「力量」

さてヒロインの実力は?


すいません! ミスで投稿が遅れてしまいました!

「じゃあ早速ギルドに行こうか」


「は、はい!」


「そんなに緊張しなくてもいいよ?」


「す、すいません。あまり声をかけられたことがないもので......」


「あはは、そっか」


 談笑しながらギルドを目指して歩いていく。

 おっと、忘れていたことがあった。


「そうだ、紹介するよ。フィリア!」


『はいはい、お呼び?』


 丁度服のポケットに入る大きさなので中に収まっていたようだ。


「こいつはフィリア。訳あって一緒にいるんだ」


「よ、よろしくお願いします! フィリアさん!」


「うん、よろしく。えっとミリアちゃんだったわよね?」


「は、はい!」


『この子頼りないけどよろしくね?』


「お前は俺のお母さんかっ」


「あはは」


 二人とも打ち解けたようで良かった。

 心の底で安堵しているうちに冒険者ギルドについてしまった。


「で、冒険者ギルドに来たはいいけどどのクエストを受けようかな?」


「あの、アキトさんは冒険者ランクはいくつなんですか?」


「冒険者ランク?」


「は、はい。デバイスから確認出来るはずなんですけど......」


「どれどれ」


 言われた通りにデバイスを起動してみる。


【ユーザー認証、トウジョウ・アキト様。デバイスを起動します】


 機械音声がそう告げると、ホログラムの画面が浮き出した。


「うおっ......すげぇ」


「こ、ここにあるステータスっていうのを押してもらえますか?」


「これか」


 言われた通りにタッチしてみる。

 すると、重なるようにして新しいホログラムが出てきた。

 パソコンのウィンドウのような感じだ。


「えーっと、冒険者ランク冒険者ランク......あ、これかな?」


「はい、えーっと......Eですか」


「え、何か悪かったかな?」


「い、いやいや全然何も悪くないです! かくゆう私もEなので」


「階級ってのはどこらへんまであるんだ?」


「一番低いのがEで、その上にD、C、B、A、そして最高ランクのSと続きます。一つ上のランクに昇格するためには試験を受ける必要があってそれ相応の難易度があるみたいですよ」


「なるほど、冒険者登録みたいな感じか。じゃあSの人達は相当強いんだろうな」


「つ、強いってレベルじゃないですよ。気がついたときにはやられてるって聞きました」


「そりゃ凄いな。一握りしか入れない領域なんだろうな」


「そうですね......」


「おっと、話が脱線しちゃったな。じゃあクエストを受けようか」


「そうですね。始めはEランククエストをこなしていくのが良いと思います」


「そうだなぁ、じゃあこのクエストでいいんじゃないか?」


 俺が指差したクエストはゴブリン討伐のクエストだ。

 ゴブリンというとよくゲームでも出てくる二足歩行の怪物が思い浮かぶ。


「クエスト内容は......都市周辺に出現するゴブリンを10体討伐、か」


「足を引っ張ると思いますが、頑張ります!」


「その意気その意気。ミリアちゃんは弓使いだったよね? 弓の練習だと思えばいいよ」


「でも私、照準を合わせるのが下手で......」


「大丈夫大丈夫。出来るって思えばきっと出来るよ」


「そうでしょうか......」


 クエスト用紙を受付嬢さんの所へ持っていき、受注を済ませる。


「じゃ、都市の外に出ようか」


「うう、緊張します」





「さて、ゴブリンはどこかな?」


「一目見たらすぐわかる見た目なので、すぐ見つかると思います」


「あ、もしかしてアレかな?」


「あ、ですね」


 視界の先には濃い緑色の肌をした怪物がいた。


「ミリアちゃん、ここから弓で引き付けることって出来る?」


「えっ、かなり距離がありますけど......」


「難しいなら突撃してくるから弓で援護してくれないかな?」


「......頑張って狙ってみます」


「おし、よろしく」


 ミリアが背負っていた弓を構え、目を瞑り、深呼吸をする。

 矢を取り、弓を引く。

 ゴブリンを狙うその目は鋭く、猛獣のようだった。


「はっ!」


 声を上げて、矢を飛ばす。

 矢は勢いよく射出され、ゴブリンの元へと——飛ばなかった。


「あっ......」


 ゴブリンがいる場所を大きく外れ、地面に刺さった。

 わずかな沈黙が訪れる。


「えっーと......」


「す、すいませんすいません! 私本当に弓が下手で......」


「いや、それは大丈夫......だと思う」


「うう......」


「(集中力は良いんだけどな......弓の扱いがいけないのか?)」


 少し考えこむ。


「あの......」


「ん、どうしたんだい?」


「実は今ので......」


「あっ」


 ミリアの視線の先を見ると、こちらに気づき、憤怒しながら走るゴブリンの姿が見えた。


「うわぁ......気づかれたかぁ......」


「すいません......」


「いや、大丈夫。ちょっとここで待ってて」


「は、はい」


 流石に弓で近接は無理だからな。俺が行くしかないだろう。

 剣を抜いて姿勢を低く構える。

 目の前にゴブリンが迫ってくる。タイミングを合わせて剣を振る。


「はっ!」


「グギュァッ!」


 気持ち悪い声を出し、ゴブリンが仰け反る。

 ガビィよりは硬い。


「ギュルァッ!」


「ふっ!」


 ゴブリンの攻撃を避けつつ、有効打を狙う。

 一進一退の攻防を続けて、ようやく倒せた。


「ふぅ......なかなか強かったな」


「すごい......強いんですねアキトさん」


「いやいや、まだ初心者でさ。剣の扱いも慣れてないしね」


「私も頑張ります!」


「じゃあ、残りの九体を探して練習しよう!」


「はいっ!」


 この後、練習に付き合い、ようやく九体倒せた頃には日が暮れていた。

 これは先が長そうだ......そう思うアキトだった。

頑張れミリアちゃん!

そんな回でした。


次回の更新は火曜日か水曜日です。

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