一章 第十五話 「覚醒」
約二週間ぶりの更新です。
最近は忙しくて更新ペースが一定でなくなると思います。
すいません。
「かはっ……」
ようやく目が覚めたようだ。
さっきのダメージはまだ少し残っているが体から溢れてくるような力でそんなものは気にならない。
「凄い……体が自分じゃないみたいだ……」
恐らく飛躍的に上がったであろう身体能力を実感する。
先程の声は紛い物ではなかったようだ。
「それにしても誰だったんだろうか……」
正体も分からぬまま力を借りることに成功した訳だ。
聞き慣れない声だったな。
「そういえばミリアは!?」
自分の目的を見失いそうになった。
何処だ? 何処にいった!?
「アキ…トさん…」
「ミリア、大丈夫か!?」
後ろからゆっくりと歩くように足を引きずるミリア。
どうやら怪我を負っているようだ。
「くそっ…不甲斐ない…」
「アキトさん、気をつけてください」
「ああ、次はこの力で……」
自分の握りしめた拳を見る。
溢れんばかりの力を感じながら。
『ギュルアアアアァァァァ!!』
「来たか……」
猛々しい咆哮と共に再び奴はやってきた。
巨大な体を振り回しながら。
「ミリアはここにいてくれ。俺がけじめをつけてくる」
「でも一人じゃ……」
「大丈夫だ、安心してくれ」
「……分かりました」
ミリアを安全な場所に避難させ、俺は駆け出す。
絶対に勝つ。それだけを考えていた。
『グアッッ!!』
「はっ!」
口から勢いよく吐き出された炎の球を体をいなして回避する。
すぐに立ち上がり、反撃の姿勢に入る。
「どらあっ!」
力一杯に切り裂く。
『グギュアッッ!?』
明らかにさっきと反応が違う。
どうやらかなり効いているようだ。
「たあっ! うらああっ!」
先程とは比べ物にもならない怒濤の攻撃で奴を切り刻む。
正体不明の力は確実に俺に力を与えてくれたようだ。
『ガッ……グルアッ……』
「うおおおおおおおおお!!!!」
奴は苦しそうな声をあげながらもがいている。
「これで……」
『ガアッ……』
奴がのけ反ると同時に高く飛ぶ。
思いっきり相棒を振り上げ、叫ぶ。
「終わりだあああああああああああっっ!!!!!」
『ガアアアアアアアアアアアアアアアアッッッ!!!!!!!』
雄叫びを響き渡らせる。
強敵ファフニールは倒れた。
「はあっはあっ……」
戦いが終わったあとの疲労感がやばい。
しばらく動けないだろう。
「アキトさん!!」
「ああ、ミリア……良かった……」
ぼろぼろに泣き崩れているミリアの顔が見えた。
彼女が生きているという事実が俺に安心感を与えてくれる。
俺はそのまま意識を闇に落とした。
新アビリティ:???
アキトくんの能力とは?
次回は木曜日更新の予定です。




