一章 第十一話 「才能と努力」
最近面白いアイディアが浮かびません。
ゲームしてます。
「......◼▲ <<火球>>」
諦めずに何度も練習するうちに、少しは威力が増したようだ。
もう何回かやろうとしたが、俺がやりすぎたせいで周囲のマナをかなり消耗したらしい。
これ以上魔法を使うのは危険だからやめることにした。
どうやらマナが無い状態で魔法を使うと、自らの生命力を源として発動するらしい。
簡単に言えば、寿命が縮まるということだ。
「うーん、魔法ってのは難しいんだなぁ」
「そうですね。最初はイメージを練るのにとても苦戦する人が多いみたいです」
「そう思うとミリアは凄いよな」
「いえいえ私なんて全然......」
そう言いつつも頬を赤らめているところは隠せない。
照れているようでとても愛らしかった。
「さて、本来の目的を果たしに行きますか」
「そうですね。簡単に済ませちゃいましょう」
目的地は大分近づいてきたようだ。
その証拠としてガビィが出現し始めた。
「よしっ、昨日は良いところを見せられなかったからな。今日は頑張るぞ」
背中の剣。[閃光狼]を抜き、構える。
「せいやっ!! はああっ!!」
感覚に任せて、剣を振る。
しかし、前と違うところは群れであるとこだ。
二、三匹が同時に襲いかかってくると、対処が難しい。
その隙をつかれて攻撃されてしまうのだ。
「チッ......」
「アキトさん!! 支援します!!」
すると、ミリアは詠唱を始める。
「●◼◻...... <<速度強化>>
「うおっ!? 体が......」
ミリアが発動した魔法は速度を上げる効果のようだ。
とても体が軽く、素早い行動が可能になった。
「うおおおお!!」
連打を叩き込み、手早く倒していく。
敵の攻撃も速度のおかげで余裕の回避だ。
「はぁ......」
群れを倒し終えて、一息つく。
効果時間も丁度切れたようだ。一気に体が重くなる。
「ありがとう、ミリア。おかげで楽に倒せたよ」
「いえいえ、このぐらい言ってくれればいつでも......」
ミリアが言葉を止めたのには理由がある。
後ろから大きな足音と共に、標的であるガビュラスが出てきたからだ。
「うおお!?」
予想以上の大きさに二人とも後ずさりする。
「これは......結構強そうですね」
「本気でいくしかないな......」
気合いを入れ直して、剣を構える。
「ミリア!! 後方支援は任せた!!」
「はい!!」
俺は走り出して、剣に力を込める。
剣を振り上げて、全力で振り下ろす。
「ふんっ!」
かなり皮膚は硬いが、ダメージは通っているようだ。
「◼●●▲...... <<業火>>」
ミリアの魔法は相変わらず桁違いの威力だ。
ガビュラスの体を炎が飲み込み、焼いていく。
しかし、それでも倒せない。かなり強靭な体力を持っているようだ。
「ふんっ、せいっ!!!!」
呼吸に合わせて、剣を振る。
そろそろ倒せそうなムードになってきた。
「ミリア!! とどめを!!」
「了解です!!」
ミリアは魔法を使うので、どうしても詠唱に時間がかかってしまう。
その時間稼ぎを俺がするのだ。
「●●▲◼▲...... <<暗黒>>」
底の見えない闇に蝕まれてガビュラスは息絶えた。
「ふぅ、大分強い相手だったな」
「そうですね......」
ガビュラスへのダメージはほぼミリアがやってくれた気がする。
まだまだ俺は戦闘技術が足りない。
そのためにも、上を目指さなければ。
「俺も強くならなきゃな......」
とても深い心の奥で何かが動き出した気がした。
ミリアちゃん強すぎますね。
アキトくんはこれからもっと強く進化していくでしょう。
次回の更新は、水曜日か木曜日の予定です。




