切り裂き事件 -風切怪奇-
ちゃんと更新できてる。
まだまだ頑張ります!
猫柳の家にて1人と1匹が留守番中。特に何も無いので家でゴロゴロする。
たまにはダラダラと過ごす日があるのも悪くない。しかし暇が嫌だという者は少なからずいるものだ。
「おい」
「何だ銀陽?」
銀陽が饅頭を頬張りながら猫柳を呼んでいる。
「暇だ。何か怪事件はないのか?」
「残念ながら無い」
猫柳も饅頭を頬張る。
「つまらん」
「そんな怪事件がホイホイと起きたら困るぞ」
猫柳の言うとおり怪事件が何度も立て続けに起これば肉体的にも精神的に疲れるだろう。
怪事件を解決するバイト自体とんでもない事だが、それでも休暇は必要だ。
「じゃあラーメン屋に行きたい」
「猫が入れるラーメン屋なんて知らん」
「連れてけぇぇぇぇい!!」
饅頭投げが開戦した。
食べ物で遊ぶのはいけないことだ。
饅頭投げが終了した後は黙々と饅頭を食べました。
もう一度、食べ物で遊ぶのはいけないことだ。
饅頭を片付けていると、メールの着信音が聞こえる。
蛇津からのメールが猫柳の元に届いたのだ。
「優からメールだ。何々?」
(今から俺の家に向かっても大丈夫かってか。今日は特に何もないから大丈夫って送信)
「銀陽、喜べ。優が怪事件を教えてくれるってさ」
「そうか。ってことは白蛇も来るのか」
「だろうな」
「またお供え物の卵食っちゃからなぁ」
「またかよ」
怪事件の話を聞く前に猫と蛇の言い合いが始まるようだ。
「おじゃましまーす」
「おじゃまするわ」
ガチャっと音を立て、ドアを開く。
ドアを開いた瞬間、なぜか饅頭が蛇津と白羅に飛んでくる。
蛇津は飛んできた饅頭を躱そうと身構えるが目の前は饅頭が複数個も飛んでくる。
蛇津の肩には白羅が乗っている。蛇津は白羅だけでも守ろうと手で防ぐ。
しかし、蛇津は顔面に饅頭が被弾した。
「くはっ・・・・」
人生で饅頭を被弾するなんて珍しい。
「優君大丈夫!?」
「白蛇には当たらなかったか」
「何すんのよこの猫野郎!!」
「猫だよ」
銀猫と白蛇のにらみ合い。
「白羅さん。オレは大丈夫だよ」
ヒョイっと白羅を持ち上げる。
「銀陽さん。饅頭で遊ばないで」
「安心しろ。全て食べるから」
「悪いな、優に白羅。 とりあえず俺の部屋に来てくれ」
蛇津と白羅を部屋に連れて行き、お茶とワッフルを出す。
「さっそく怪事件について話しましょうか」
「どんな内容だ?」
銀陽がワッフルを一口でたいらげる。
「なんでも切り裂き事件が発生しているみたいなんだ」
蛇津もワッフルを口にする。
「切り裂き事件?」
「そう。でもどっかの変質者ってわけではないんだ」
話によるとその切り裂き事件は風切怪奇とも呼ばれているらしい。
ある通りを歩くと風が吹き、身体にどこかに切り傷ができている怪奇だ。
被害者はその切り傷はいつのまにできたのかは分からない。
切り傷の大きさは小さいものから大きいものまで様々であるらしい。
切り傷を負った人は具合が悪くなり、高熱も出す。
「へえ、確かに怪奇事件っぽいな」
「だろ。だからこの怪事件を詳しく調べてみようかと思ったんだ」
「そうするぞ。銀一朗」
「はいよ。銀陽」
「しかし、よく見つけたな」
「インターネットで調べた」
「ネットかよ」
「今の時代使えるものは利用しないとね。インターネットって基本的になんでも調べられるし」
新しい怪事件だ。
この怪事件は今の所大きな事件にはなっていないものの、噂といえど被害は出ているらしい。
本当に妖怪か神が元凶ならば手遅れになる前に片付けないといけない。
「行くぞお前ら!」
銀陽は窓からニャワッチと飛び出す。
「こら!あなたに場所がわかるの?」
「・・・・・・」
「どこだ?」
窓からこんにちわ。お早いお帰りで。
場所の名は風切通り。
この怪事件が起こるまでが普通の通りだったがこの通りを歩くと風が吹き、いつまにか切り傷ができている。
そんなことが起きたから名づけられた通りだ。
「とりあえずそこに向かってるけど、どうやって解決するか」
「通ったらいきなり切られるからな」
いきなり身体のどこかを切られる。
切り傷は小さいものから大きいものがあるらしい。
通ったら切られる道があれば普通は怖くて通れない。
「まかせて。私が守るからね」
「世話が焼けるな」
猫柳と蛇津の頭から頼れる声が聞こえる。
「お願いします。白羅さん」
「頼むぞ。銀陽」
風切通りに向けて歩き出す。
これから怪奇を解決しに行くのだが見た目は猫と散歩しているみたいなものだ。
隣には友達がいる。服の中に白蛇がいるのは普通じゃないが。
「そろそろ現場に到着するけど何か感じますか?」
「ん~近いわね」
「上からだな」
「「上から?」」
猫柳と蛇津が上を向くと彼ら二人の間に竜巻が勢いよく落ちてきた。
急な出来事なので2人は一瞬だけ反応できずに身体が固まったがすぐに我に返る。
「「どわあああああああ!?!?!?!?!」」
(何だ何だ?! 何か落ちてきたぞ!? ていうか危ねぇ!? すごいびっくりした!!)
2人はパニック状態だ。
「何者だ!」
銀陽が落ちてきたものに叫ぶ。
その一言と同時に皆に視線が落ちてきたものに集中する。
パニック状態からすぐに冷静になる。
目の前には竜巻がある。
「さっさと姿を見せなさい」
「・・・・・・」
竜巻が徐々に勢いがなくなっていく。
そして竜巻の中から出てきたのは女の子だった。
「さっきも言ったが何者だ?」
「アタシは鎌鼬の切子」
彼女は鎌鼬と名乗った。
読んでくれてありがとうございます。