表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
銀色神妖記  作者: ヒカリショウ
7章:髪切り事件
43/150

髪の毛を襲う変質者

黒髪が風にサラサラとなびく。

なびかせている黒髪の少女は犬坂。

もう1人の少女は金髪をキラキラさせている。金髪の少女は兎姫。犬坂は兎姫と他愛ない話をしている。

その二人の少女たちを後ろの方で見ている青年たち。



「 燗の黒髪って綺麗だよな」


「 それ本人の前で言ってみたら?」


「 後で言っとく」


(反応が楽しみ)



そんな事を会話していると犬坂たちが近づいてくる。



「 何か呼んだ?」


「今だギン」


「何々?」


「いや、燗の黒髪って綺麗だよなーって」


「そ、そう?」



テレテレしながら、黒髪いじる。

その仕草に少しキュンとしてしまう。



(何か良いな)



女性の照れる仕草には妙な色気がある気がする。

そう思う猫柳。もっと照れさせてみたいという願望が出てくる。



「ワタシの髪ハ?」



金髪をかきあげる。

サラッと煌めく金髪が目立つ。



「もちろん綺麗だよ」



蛇津も猫柳と同じように褒める。



「ンフフ」



頬赤らめる。

褒められた事でテンションが上がる。

誰だって褒められたら嬉しいし、テンションは上がるだろう。

さらに恋する人たちは想い人に褒められたら、よりいっそう嬉しく思うのではないだろうか。



「ふむ」


「惚れタ?」


「えーと、失礼だけど髪触ってもいい? 気になってさ」


「モチロン!」



蛇津の前の椅子に座り、ドキドキと待つ兎姫。そしてキラキラ煌めく金髪をさわさわと触る。



「やっぱり、すごいサラサラだね」


「 エヘヘ♪」



金髪を触られる度に頬赤くし、笑顔になる。



「いいなティアはサラサラの髪で。あたしは少しもばかりクセッ毛だからなー」


「俺は嫌いじゃないけどな」



犬坂の黒髪をくるめるように弄る猫柳。

いつの間にか背後にいて、驚いた。



「ちょっと!」


「あ、ゴメン。つい・・・」


「ダメだよギン。女性にとって髪は大事なものなのだから」


「そうだヨ。本人の確認がなキャ」



蛇津たちの注意で反省する猫柳。

それに対する犬坂は弄られた髪の毛を触り照れる。



(嫌じゃないけど)


「じゃあ、触らせて」


「・・いいよ」



サワサワ。

照れてる犬坂を見て、ニヤニヤする蛇津。



「にしても、長い黒髪だよな。昔は短かったのに」


「そうね。昔はボーイッシュだったわ」


「昔は昔で似合ってたけど、なんで伸ばした?」


「そ、それは・・・」



「忘れたのギン?それは・・・」


「待っ・・・」



蛇津がニヤニヤと猫柳に対する答えを言おうとした時に横から馬城に声を掛けられる。



「よお。何で髪の毛触ってんだ? 髪の毛フェチか?」


「違うぞ。俺は・・・」



声を出していないがパクパクと口を動かす。

つい、自分のフェチを言おうとしてしまったので、言葉を喉元で飲み込んだ。



「 危うく自分の好きなフェチを言う所だった」


「教えろよ。教えてくれたら俺も言うぜ。 もちろん蛇津もだぞ」


「オレまで~?」



髪の毛の話から、いつの間にかフェチの話になってしまった。

ワイワイと盛り上がってる中、蛇津が犬坂に囁く。



「さっき、ギンのために髪の毛を伸ばしたって言えばいいのに」



無言で頭にチョップをくらう蛇津。軽めなので痛くはないようだ。



(昔、髪の毛が長い方が好きだって言った事は本人すら忘れるわよ)


「乙女心は複雑だヨ」



猫柳のクラス担任の教師が教室にはいってくる。もう放課後のHRである。

教師がある事を話す。



「 実は最近、変質者が現れた。寄り道せずに帰宅するように」



耳を傾けて聞く。

変質者は背後から現れ、髪の毛を切るというらしい。被害者は男女両方で長髪の人が狙われた。

被害者は髪の毛を切られただけで、外傷は無いそうだ。それでも髪の毛の切られたという心の傷はあるかもしれないが。



(とんだ変質者が現れたな)








                          ☆








帰り道。

猫柳、蛇津、犬坂、兎姫、馬城の5人が一緒に下校している。

変質者の話を聞いたので1人での下校はできる限りしないようにする。

彼等の会話は変質者についてだった。



「長髪の男女が狙われた・・・か」


「この中じゃ、燗とティアが狙われる可能性があるね」


「絶対に切られるなんて嫌!!」


「ワタシもヤダ。今日はせっかく誉められたのニ」



髪の毛は女性の命とでも言うべきか、狙われる可能性があると判断し、犬坂と兎姫がここにいない変質者に文句をいい始める。



「もし出合ったら被害者の代わりとして、腕をへし折ってやるわ」


「手伝うヨ」


「妙な気合いが入ってんな」



2人の気合いに圧される馬城。

今戦ったら勝てないかもと思っている。余計な事は言わない方がいいだろう。



「それでも気を付けてね2人とも」


「分かってる、無茶はしないわ。もしもの話よ」



妖怪相手に戦ってきたのだから、変質者くらい平気だろう。

変質者の度合いにもよるが。



「まあ、そうそう出会う事もないだろうが」


「 そうかもネ」



しかし彼等は気づかない。後ろの方から視線を送る人物がいることを、その視線は犬坂と兎姫に向けられていることも。視線を送る人物が持つハサミが怪しく光る。

読んでくれてありがとうございます。

今回は文字数が少なかったかな?


感想やブックマークお願いします!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ