表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
銀色神妖記  作者: ヒカリショウ
4章:月下の美男子事件
23/150

月の兎

兎姫という名前ですが「とき」と読みます。

夕食の前だというのに香りの良い紅茶とドーナツが目の前に出される。

部屋の中は漫画やゲーム、フィギュアなどが多くある。いわゆるオタク部屋。

そのオタク部屋には1人の少女と1匹の兎がいる。



「ワタシの名前は兎姫 ティアレインでス。ティアって呼んでネ」


「えーと、卯月って言います」



そこから兎姫の質問攻めが始まった。

アナタは誰なノ、ドコから来たのカ、何してるノ、何が好キ、ナニナニナニ、と。



「あわわあわわあわわわ」



しかし質問が多すぎて、どう答えていけば分からない。混乱しすぎて目を回している。

兎姫もさすがに質問攻めしすぎたかと自重した。なので仕切り直し。



「アナタは一体何者なノ?」


「卯月は月の兎。玉兎ぎょくとです」



玉兎とは月の兎である。月に住み、臼と杵で餅をつくという有名な伝説もある。



「オオゥ、月の兎!!」


「はいです」


「月の兎である卯月が何で地上ニ?」


「地上に来た理由はいくつかあるんですが、ある目的のために来ましたです」



月の兎である卯月。ある目的のために地上に降りてきた。



「最近変な事件を聞きませんか?」


「変な事件ンンンン?」


「はいです。美男子だが何だが・・・です」


「アア、あの事件かァ」



月下の美男子事件の犯人を卯月は知っているようだ。

女性ばかりを狙う妖怪、その名は桂男。

桂男とは月に住むと言われる超イケメン妖怪。

月を長く見ていると桂男が現れて月から手招きをすると言う。そして寿命が縮まされてしまう。



「そんな女たらっしの妖怪がいるのカ」


「います」



目的は桂男のお仕置きという名の退治のようだ。

卯月はその使命でこの町に来た。しかし、その桂男に油断して返り討ちあったようだ。

そして道端に倒れており、兎姫に拾われたという形である。



「じゃあ次こそリベンジャーだネ」


「はい。リベンジです」


「でもどうやっテ?負けたんでショ?」


「それなんですが・・・あなたの力を貸していただきたいです」


「ふむゥ・・・」



兎姫は卯月からバイトについて聞かされた。

この話を聞いた兎姫の心はワクワクのドキドキであった。

目の前に自分の憧れていたファンタジーが現れただけでなく、自分自身もファンタジーの世界に関わりあう事ができる。

その考えがいっぱいであった。バイトが危険を含んでいるのにも関わらずにだ。



「イイヨ!!」


「本当ですか!?ありがとうです」



握手が交わされる。



「で妖怪憑きというものが対策です」


「ヨーカイツキ?」


「はい。人と妖怪が力を合わせるとすごくなるです!!」



卯月がピョンピョンと飛び跳ねる。



「オオ、すごそウ。変身とか出来ル!?」


「もちろんです。どんな変身かは分からないですけど」


「オオ!!」



目をとてもキラキラさせながら卯月を見つめる。

まるで子供が新しいオモチャを見つめるように、そして思いっきり掴みながらブンブン振るう。



「あわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわ」


「さっそく変身しヨー!!」


「え、もうですか!?」


「もちのロン!!」


「あわわわわわ」


「ヘーンシン!!」



部屋からすごいハイテンションの声が聞こえてくる。

兎姫の家族はいつも通りの娘のテンションだと考えているため、気にしていない。



「変身セイコーウ!!」


『本当に成功したです』



また1人バイトの参加者が増えた。


月の兎って妖怪かな・・・

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ