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銀色神妖記  作者: ヒカリショウ
3章:偶然、呪いの辻道
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妖怪十字路

こんにちは!!

妖怪十字路。

十字路は霧に覆われており、先がよく見えない。

十字路の4つの方向のどこを進んでも似たような十字路に出る。

同じ場所に戻ってきた訳ではない。進む先々に十字路が永遠と続く。

この空間を作り上げた元凶はこの空間で縦横無尽に動き回っているので中々見つからない。

今の所、外に影響は出ていない。もし一般人が間違ってこの空間に迷い込んでしまったら命の危険に繋がってしまう。



「どこだ!?」



隣の十字路へと移動したが犬神は見当らない。呻き声はそこら中から聞こえるというのに。



「どこだ!?」



さらに隣の十字路へと移動する。しかし犬神は見当らない。



「どこだ!?」



見当らない。



「どこだ!?」



本当にいない。



「どこだぁぁぁぁぁぁ!!」



いない。



「どこにもいねえよ!!」



地面に倒れる。



「呻き声はそこら中から聞こえるんだけどね」



蛇津は辺りを見渡す。



「ほれ。起きろ銀一朗」



猫柳の頭の踏む。

フミフミフミフミフミフミ。



「・・・・・ううん」



鬱陶しくなったのか、銀陽を払いのける。



「白羅さん。特定出来そうですか?」


「んん。どうやら犬神は動き回ってて特定が難しいわ」



犬神が動き回っているせいで追いかけても追いかけても見つからない。

鉢合わせを待つか、向こうから来るのを待つしかない。



「ちょっと休憩しましょ。さっきから走り回ってたしね」


「お前は蛇津の首に巻きついて走ってないだろ」


「黙りなさい銀猫。それに私は走れないの。私は這う事しかできないの」


「人型になれ」


「人型になったら全力で優君と絡むわ。家だといつもそうよ。こんな感じに」



白羅が舌を出し、ペロッと蛇津の首筋を嘗める。



「わひゃっ!!」



突然だったので蛇津が声を出す。



「白羅さん。いきなりは困ります」


「いきなりじゃなきゃいいのね」


「え?」




ポンと白羅は人型へとなる。



「じゃあ嘗めるわ」


「え?」



蛇津に抱きつき、首筋をもう1度嘗める。



「れろぉん」


「あっ・・・」



官能的な空気が発生する。蛇津と白羅の周りからピンク色の成分が溢れる。



「・・・家でやれい!!」



銀陽が白羅の頭に猫キックを繰り出す。



「痛っ!・・・何すんのよ!」



仕返しに水を銀陽にぶちまけようとする。

しかし銀陽はそんなもの掛かるかと言わんばかりにかわす。



「かわすんじゃないわよ」


「ヒラリとかわす」



銀猫と白蛇のじゃれあいみたいなのを見ながら、一旦落ち着く猫柳たちであった。
















妖怪十字路の前にいる犬坂は帰らずに考え込んでいる。



「ペア・・妖怪・・神様」



普通なら不気味な場所に1人でいるなど恐いものだが、犬坂の頭の中には恐いなんて気持ちは無かった。

どうやって妖怪十字路に入ろうかと考えている。



「条件は妖怪か神様とペアになるだけ。でもどうやってペアになったら・・・」



犬坂が考え込んでいると後ろから声を掛けられた。



「そこの娘。何してる」


「わっ!?」



後ろを振り返ると黒と灰色の毛並みの犬がいた。

周りには誰もいない。いるのは犬坂と黒い犬だけだ。

さっきの声は聞き間違いではなく、この黒犬がしゃべったのだろう。



「犬がしゃべった・・・」


「あ・・・ついしゃべってしまった。まあ、気にしない」



黒犬は気にせずに妖怪十字路に入ろうとする。

しかし、黒犬は妖怪十字路に入れなかった。なぜなら犬坂に尻尾を掴まれていたからだ。



「何だ」


「話がある・・・」


「俺様はない・・・尻尾を掴む力を強くすんな」



そのままの状態が約10分くらい経ち、黒犬が早くも折れた。



「手短に話せ」



ふうっと、ため息をつきそうな感じで言う。



「あたしも連れてってほしい」


「帰れ」



尻尾を掴む力がさらに強くなる。

黒犬は思った。どうやら何が何でもついて来るらしい。



「なぜついて来たい?」


「あの十字路に友達がいるんだ。助けに行きたいの」


「ほう」


「あの中に入るには条件が必要みたいなの。妖怪か神様とペアになることみたいなの」


「ああ、バイトの事か」


「だから、あんたとペアになりたい。力を貸してほしい。妖怪のあんたと!!」


「こるぅらぁぁぁぁぁぁあ!!俺様はこれでも神様だ!!」


「あ、ごめん」



尻尾を掴んでいる力が少しゆるくなる。

しかし、犬坂の意思は強くなる。



「じゃあ神様、あたしとペアになって!!友達を救うために!!」



犬坂は力強い眼差しで黒犬を見る。

この力強い眼差しは知っていると黒犬は思う。何を言っても無駄な目である。

黒犬はため息をつく。



「仕方ないな」



ボン!!と音たて、黒犬が変身した。大きな身体に黒の毛並みがさらに目立つ。



(神様って言ってたけど、やっぱ妖怪っぽい)



という言葉を犬坂は飲み込んだ。

言ったら、言ったで怒られそうだ。



「背中に乗れ。さっさと行くぞ」



大きな背中に乗っかる。

フサフサとしていて、触り心地は良い。



「えっと、名前は?」


「クロだ」


「まんまね」


「うるさい。・・・お前は」


「あたしは犬坂 爛。よろしくね!!」


「フン。じゃあ行くぞ!!」


(待っててね2人とも)



犬坂も怪奇に参戦した。

読んでくれてありがとうございます。

感想待ってマース!!

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