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銀色神妖記  作者: ヒカリショウ
3章:偶然、呪いの辻道
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噂の十字路へ

怪奇解決へ突入!!

ライトノベルを読んでいる。人によって好き嫌いが分かれるものだ。

笑えるものから感動できるものまで幅広い。だからこそおもしろい。



(白羅さんもハマッたのかな?黙々と読んでいる)


「ふむふむ。こんなのがあるのね」



自分の好きなものが相手に伝わるとうれしい気分になる。



「優君。この続きある?」


「ありますよ」



神様もライトノベルの良さが分かるようだ。



「優君。何か変な噂聞いてたりしてない?例えば辻道の噂とか」


「辻道?」


「十字路とも言うわ」


「十字路かぁ。何かあったような・・・」










「「「「おはよう」」」」



朝の挨拶。これは誰もが発する言葉だ。

挨拶は良い言葉だ。誰に言っても顔を悪くすることはないだろう。

挨拶を考えた人間は偉大だろう。皆も挨拶運動をするべきだ。

挨拶は人と人を繋ぐ言葉だ。



「ハモッたな」


「ハモったね」


「ハモッた~」


「ハモッタ!」



4人がハモった。日常で言葉ハモるなんておもしろい。

ハモった事についてなぜか盛り上がる。

そして蛇津が話をグルリと変える。



「ねえ、最近十字路にまつわる噂とか知ってる?」


「十字路にまつわるハナシ?」


「それってあれか?前に爛が教えてくれたやつ」


「ああ。あの噂ね」



真夜中の十字路に丸い物体のような物体が浮いている。

浮いている丸いような物体は犬の首。

犬の首の目と合わせると呪われてしまう。

さらに追加でこんな噂まである。

真夜中の霧の中、十字路にて奇声が響く。その奇声を聞くと呪われてしまう。



「あれ?新しい噂が追加されてる」



噂とは時が経つにつれ変化する。

どんな噂でも尾ひれがついてしまうなんてよくあるものだ。

根も葉もない事まで追加されてしまう。



「こんな感じかな」


「ありがとう爛。おもしろい話を聞けたよ」



昼休み。屋上で例の噂について話している。



「あの噂って怪奇の1つだと思うんだよな。うちのニャンコがある十字路で妖気を感じたって言ってた」


「それ白羅さんも言ってた」




犬の首らしいから犬の妖怪だろう。

犬の妖怪はいくつか情報がある。



「優。犬の首の妖怪って何か思いつくか?」


「たぶん、犬神かな」


「犬神・・・妖怪じゃなくて神様か?」


「妖怪だよ。でも妖怪というより呪法みたいなものだっけな?」


「呪い?」


「ある条件で生まれた呪いの妖怪だった気がする」


「しかし、よく知ってたな」


「漫画情報」



漫画とかアニメに出てくる知識は意外な所で役に立つ。

だから漫画やアニメを見るのは悪い事では無いと考える。

漫画は国語と社会の教科書だ。猫柳の勝手な評価であるが。



「その十字路に行ってみるか」


「そうだね。真相を確かめないとね」



放課後にその十字路に行くことが決定した。

昼休みも終わり、残りの授業を受けたらすぐに行こう。



(しかし俺らがやってる事ってオカルト研究会みたいだな。俺と優で立ち上げてみるか?)


「部長が俺で優は副部長な」


「何の話?」


「名前はなんとか活動部」


「だから何の話?」



猫柳と部活の話をしながら教室に戻る。

残りの授業を受け、学校が終わり、猫柳たちは噂の十字路へと向かった。



「ここが噂の十字路か。何か感じる」



銀陽と出会う前なら微かな妖気なんて感じ取れなかっただろう。

しかし、妖怪たちと出会うことで少しずつ分かるようになっている。



「確かに感じる。嫌な感じだ」


「噂だと真夜中に出るんだっけな」



噂の十字路を確認し、銀陽たちに報告するために急いで帰宅する。

その後に黒い犬が現れる。



この辻道に微かな妖気が感じる。

微かだっつうのにすごく歪んだ臭いだ。

オレの自慢の鼻だからこそ分かる。こいつは危険だ。

さっさと見つけないとな。話が通じるやつだといいがな。

妖怪空間が現れるのは夜らしいからな。待つか。

黒色の毛をなびかせて、その場を走り去る。











夜空に銀色のフサフサした物体が飛んでいる。その正体が妖怪の銀陽。

背中には猫柳、蛇津、白羅である。



「すっげえフサフサのモフモフ」



高級な毛皮みたいな肌触り。こんなベットがあれば安眠確実かもしれない。



「眠たくなる」


「寝るな」



今何をしているかというと、空から怪奇の捜索である。

真夜中に学生2人が出歩いていると警察に見つかったあとは面倒くさい。問題にならないようにしなければ。

今回の怪事件の出現場所は噂の名の通り十字路。



「ギンの言う通りフサフサのモフモフで温かいよね」


「優君まで。まあ、確かにこのフサフサモフモフは認めるけど」



銀陽のフサフサのモフモフの毛は猫柳だけでなく蛇津や神である白羅も認める程だ。



「銀陽」


「何だ?」


「尻尾を布団代わりにしたい」


「だから寝るな」



尻尾で叩かれる。フサフサモフモフしてるので痛くはない。

しかし、力を込められたたら痛いかもしれない。



「あなたの毛って売れないかしら?良い値段になるんじゃない?」


「私の自慢の毛を毟るつもりか?」


「あなたに奪われたお供え物代にはなるかしら?」



プツッと毛を1本抜く。



「貴様!本当に抜いたな!!」


「減るもんじゃないでしょ」


「減っとるわ!・・・ったく、お供え代が欲しいなら自分の皮を売れ。場所によっては良い値で売れるだろ?」



白蛇は白化現象を起こした蛇である。その希少性により日本各地で縁起のいい動物

蛇の皮は財布やバック等に使われたりしている。白蛇の皮は金運アップにも良いとも言われている。



「嫌よ。私の皮を売るなんて、知らない人に私の身体の一部がなんかされてるかと思うとドン引きよ」


「そうなんですか?オレは縁起物、ラッキーアイテムだから欲しいけどな」



蛇津がそう言った瞬間、白羅は目をキラつかせる。



「大丈夫。優君は特別だからいくらでもあげちゃう」



両手を頬に寄せて赤らめる。

身体をクネクネさせ、尻尾をくるくる回すしだいだ。



「なんなら今からでも!」


「今はいいです」


「・・・・・そう」



少し落ち込む。



「これからバイトなので、バイトが終わったらください」


「あ、任せて!」



今度はすごく明るくなる。

嬉しいのか蛇津の身体に背中から巻きつく。

ポヨンと蛇津の頭に柔らかい物が乗っかる。



「・・・・・・・・・・・」



黙って赤くなる。

銀陽の背中でなんやかんや話していると、噂の十字路に到着する。



「着いたぞ」



バイトの時間だ。

噂の元凶となった十字路。真夜中に濃い霧が発生している。

不気味な真夜中に霧が充満しており、月の光が遮られて届かない。

耳を傾けると奇声が聞こえてくる。



「何か聞こえてくる・・・」


「これが噂に聞く呪いの声か?聞いたところで特に何も感じないな」


「ただ不気味なだけね」



銀陽は声を聞いただけで呪われはしないと言ったので安心できる。

聞いただけで呪われるのは勘弁してもらいたいからだ。

具合が悪くなった等の噂は奇声を聞いて、精神的なものが原因かもしれない。

暗い夜道の十字路にて奇声なんて聞いたら不気味で怖くて、精神的にもくる。



「こんなのが毎晩出現していたら大問題だね」


「優の言うとおり、この妖怪空間を消さないマズイな」



銀陽を頭に乗せ十字路に入ろうとする時、聞き覚えのある声が聞こえてきた。



「ちょっと待って!!」



その声の正体は昔からの友達である犬坂であった。



「なぜここに!?」



なぜここにいるのかと驚いている。蛇津も驚いている。

猫柳は瞬時に思った。



(マズイぞ。こんな危ない所に・・・さっさと帰らせないと)



とりあえずゴリ押しで何か言って帰らせようとする。



「爛。ここは危ないから帰るんだ。」


「ギンの言うとおりだ。それに真夜中だし、早く帰った方がいい」



2人は犬坂に急いで帰るように促す。

大切な友達をわざわざ危険にさらすわけにはいかない。



「あんたたちもでしょ!!」


「「ぐぅ・・・・・」」



犬坂の言葉がその通りすぎて何も言い返せない。

猫柳たちの事情を知らなければ、お互いに危険な場所にいるだけだからだ。



「俺らはある意味大丈夫なんだ。でも爛は危険だから早く家に帰るんだ」


「ある意味って?」


「うんんんん」


「その大丈夫って、頭の上に乗ってる猫の事?」


「うぐ」


「あとさ、優。さっき服の中に白蛇が隠れたのが見えたけど」


「そうかな?」


「どう説明するの?」


「「えーとぉ」」



いろいろとバレてるようだ。

もっと誤魔化すのが辛くなってくる。



「これはハッキリ言う方がいいかもしれない。それで納得してもらおう」



誤魔化すのが辛くなってきたら、本当の事を言って納得させるのもある。

そんな事を考え始めたら、頭に乗っていた銀陽が口を開いた。



「犬坂とやら、銀一郎の言うとおりだ。危険だから帰れ」



銀陽がなんの躊躇いなくしゃべった。

それを皮切りに白羅も蛇津の服から抜け出し、しゃべる」



「そこの銀猫の言うように、ここは危ないわ」



猫と蛇がしゃべりだしたのに驚く。

知っていたようだが、やはり驚くようだ。



「でも」


「でももなにもない」


「爛。何度も言うけど本当に危険なんだ。ここは分かってくれ。」


「確かに危険だって分かるよ。でも、あたしだってギンにも優にも危ない目にあってほしくない」



どちらも引き下がらない。これではただのイタチゴッコだ。



「犬坂、お前の気持ちは分かる。しかし私たちにはすべき事がある。何を言っても無駄だ」


「んぐ・・・」



犬坂が口を塞ぐ。

自分と猫柳たちにある壁を感じ取り、何も言えなくなる。

何も知らない。しかし友達は自分とは知らない何かに首をつっこんでいる。



「これが最後だ爛。早く帰るんだ」


「では行くぞ!」


「痛てっ」



銀陽が猫柳を蹴り飛ばし、十字路の妖怪空間に入り込む。

蛇津も入ろうとする前にある事を言い残した。



「この空間に入るには条件が必要だよ」


「犬坂ちゃん。私たちのように神様か妖怪のペアにならないといけないの。言えるのはここまでよ」



蛇津たちも十字路の妖怪空間に入り込み、その場に残ったのは犬坂だけだ。



「っもう!!」

読んでくれてありがとうございます!!

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