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銀色神妖記  作者: ヒカリショウ
3章:偶然、呪いの辻道
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放課後の帰り道

そろそろヒロインを出したいね。

いつも通り散歩をしていた。そしたら目の前に女の子が泣いている。

さすがに無視するのはマズイだろうな。ここらは人気が無い。そもそもここは神域だ。

どうやって入ってきたんだ?人気のある出口まで誘導するか。ほれ、ついて来い。

・・・ん?ついて来ないな。・・・ああ、俺様が怖いのか。うーん、どうするか・・・。

まずは警戒を解いてもらうしかないな。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

時間は掛かったが少しは警戒は解けたようだ。一応ついて来てくれる。

しかし、よくこの空間に入ってこれたな。普通は入れないと思うんだが、なぜだ。

お、人気のある道に出て来れた。誰かいないか・・・誰かこっちに駆け寄ってくる。

ん?知り合いか?おお、感動の再会みたいに抱き合っとる。

男の子の方がなんかカッコイイセリフを言っとる。聞いてて恥ずい、子供はなんでも言うからな。

さて、帰るか。もう迷子になるなよ。











太陽の光がサンサンと降り注ぐ。こんな日は散歩日和に日向ぼっこも良いかもしれない。

銀猫妖怪の銀陽が気持ち良さそうに散歩している。



「ふんん~ふんふ~ん。散歩日和~」



鼻歌を歌いながら散歩をしている。ご機嫌が良好だ。



「昼飯は何にしようかな~米か麺か~。にゃ~ん」


「道端で猫が鼻歌なんて奇妙よ」



人型の白羅が後ろから歩いてくる。下半身はちゃんと人の足である。

どこかのモデルと言っても過言ではないくらい綺麗で艶やかな姿である。



「ん?白蛇か。構わんだろ。近くに人なんていないしな。で、何の用だ?」


「特に用は無いわ。目の前に見慣れた銀猫がいたから声を掛けただけ。そんでもって私は買い物」



白羅の手には買い物袋が握られている。袋の中身は服のようだ。



「お前って足が生えるんだな」


「神様だからね。それに私は回し蹴りが得意なのよ」



他愛の無い話をしながら散歩をしていると辻道へと出た。

その辻道には妙な違和感があった。妙な違和感というより妖気をほんのり感じると言ったほうが正しい。



「辻道から妖気が感じられるのはなぜかしら?」


「微かだな。ここに妖怪がいたようだ。・・・酒盛りでもしたか?」


「妖怪でもこんな所で酒盛りはしないでしょ」


「するだろ」


「・・・う~ん」



妖怪は基本的に自由で何でもありな存在である。

何でもありなら妖怪が辻道だろうがどこだろうが酒盛りでも何でもするだろう。



「一応調べておかないとね」



知らぬ間に怪奇の可能性が見つかり、猫柳たちにまた怪奇が近かづいている。











今日1日、最後の授業が終わる。

この後は部活やサークルに行ったり、友達と帰宅したりするし、残って友達とくだらない話をする。

どう過ごすかは人それぞれである。



「よっ!」


「ギンじゃない。どうしたの?」


「一緒に帰ろうぜ。部活終わっただろ」


「いいよ。ちょっと待ってて」



犬坂爛。部活は陸上部に所属。長距離が得意。

陸上着から制服姿に着替える。そして一緒に帰路に着く。



「2人で帰るのって久しぶりだね。小学校以来じゃない?」



昔はよく一緒に帰った仲。でも時間が経つにつれ、どんどんと一緒に帰ることが少なくなる。

そんな事は今まで気にしなかった人も多いかもしれない。だから今一緒に帰るっていうのが大事かもしれない。



「だな。2人っきりでうれしいか?」


「そ、そんなことあるか」



頬を赤くしながら本音を隠すように、テレビでよく見る芸人のツコッミを繰り出す。



「おっと危ない」


「躱すな。ったくもう。ところで優は?」


「優はティアに連れてかれた」


「ティアに?」


「何でも新作のラノベを買いに行くって言ってたぞ」



ラノベ。普通の小説程長くなく気軽に読める本だ。

人によって好き嫌いは分かれるだろう。



「前にティアが言ってたな。表紙だけで判断するなって。中には感動できるものからすごくおもしろいものまであるって」


「言ってた言ってた」


「俺もラノベ好きなんだよな。今度また貸してもらおう」


「アタシも今度ティアから貸してもらおうかな」


「嬉々として貸してくれるだろうな」


「そういえばティアが秋葉に行きたいって言ってた気がする」


「そうなのか?じゃあ今度皆で行くか」



話をしながら帰路についていると十字路に着き、いつのまにか空が少し暗くなる。

暗い夜道は危ないから気を付けないといけない。



「暗い中に十字路に着くとあの噂を思い出すよ」


「あの噂?」



暗い夜道、十字路にて丸いような物体が漂っている。

その丸いような物体は犬の首。その犬の首と目を合わせた人は呪われてしまう。

そんな噂。



「オカルト?」


「かな?」



おもしろい噂だ。これも妖怪が関わっているかもしれない。



「さっさと帰るか。爛が脅えているしな」


「脅えていない」



暗い、怖い、そんな雰囲気には明るい、おもしろい話でまぎらわすのが1番だ。

怖いと思ってはいけない。怖いと思ってしまえば勝手に想像した自分の恐怖に飲み込まれてしまう。

そうならないように楽しい話をしながら家まで帰った。











暗い暗い真夜中。十字路にて丸いような物体が浮かんでいる。

その丸いような物体の正体は犬の首であった。



意識シテナイノニ、ココニ、モドッテキテシマウ

ナンデダロ?



犬の首の見た目が歪み、変化していく。

犬の首がどんどん化け物染みていく。



ググググググガガガガガガガガ

ナンダカ、チカラガ、ワイテクル

グアッガガガ、グガガガガガガガ

グギャギャギャギャガ、グッギャー!!



真夜中に大きな奇声が響き渡る。

読んでくれてありがとうございます

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