表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/22

19

「なんで、拳銃を二つも持ってるんですか。警官といえども拳銃の携帯は一つだけでしょ。それって、違法ですよ」

「まあまあ、硬いこといわないで。これ、護身用だから」

朽木はそう言って、僕に拳銃を手渡した。

「小さいっていっても22口径だから身を守ることぐらい出来るはずよ」

「無理ですよ。僕、支給品のリボルバーしか、射撃訓練をしていないんですよ。これって、オートマチックですよね。撃ったことないです」

「大丈夫、大丈夫。引き金を引けば玉が出るところは一緒よ」

朽木はそのまま、本殿に向かって走り始めた。

僕は慌ててその後を追った。

しばらく参道を行くと鬱蒼とした木々が突然、途切れた。目の前には本殿であったはずのものが、現れた。

それは建物の半分が爆発で吹き飛ばされた、見るも無残な姿に成り果てていた。

「坊や注意して」

朽木の声が飛んできた。

僕はまだ、白い煙を黙々と上げている本殿の吹き飛ばされたところに目をやった。

煙の向こうに何か黒い人影のようなものが見えた。

「朽木さん、銅山です」

「どこ」

朽木が叫ぶ。

「本殿か裏側にある大きな岩のほうに人影が移動していくのが見えました」

「坊やは私を援護して、後ろから来て」

「わかりました」

僕は人影が走り去った大きな岩を注意しながら朽木の後を追った。

「パン」

乾いた銃声が鳴り響いた。

朽木はそばにあった小さな岩陰に隠れた。

僕はそばに植えられている小降りの松の木の影に身を寄せた。

大きな岩のほうを見た。そこは本殿裏に作られた庭園の一部だった。

脇には池があり、石灯籠がいくつか池の中に立っていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ