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合わせる!  作者: 梅子
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強まる疑い?

 最近、親と距離を感じる。前まで、なほちゃん、なほちゃんって言ってきて、うざいくらいだったのに、今は、「出かけてくる。」「そう。何時に帰ってくんの?」「18時。」「そう。」で、終わり。これが普通なのは分かる。でも、何か寂しい。

どうしよう…。親の反応見たくて、「出かけてくる。」なんてかっこつけたけど、私には出かける用事なんてない。塾の自習室行く?それか、カラオケ?ひとカラ?えっ、でも、そんなこと不慣れだし…えっ、私ってこんなつまんない人間だったっけ?

ラインを開く。でも、会いたい友達、っていうか、突然誘って会える友達なんていない!どーしよう!18時まで、あと4時間もある!なほは、スマートフォンを開きながら、しばらく悩んだ。

 さんざん悩んで、本屋に行く。すると、社会科の池田先生が本を読んでいた。いけせんだ!なほは一気に嬉しくなった。なほはこの先生が好きだったからだ。でも、声をかけるか悩んだ。先生だってプライベートは必要で、生徒に急に話しかけられたらいやだかなって思ったから。

 「先生!」なほは、結局呼んでしまった。池田は、顔を上げると、「鈴谷さん!」と驚いていた。眼鏡が飛ぶくらいに。私は、笑った。先生も笑った。声かけて良かった、と、やっと思った。

 先生は、少し変な噂がある人だった。かっこよくもないのに、国語科の岩永先生と、数学科の松原先生の2人と、付き合っているという噂があった。いつの間にか広まった噂で、女子がいけせんを見ると、いつしか、「二股」と笑うようになっていた。事実とは思えないけど。

 「私(いけせんは、男の先生にしては珍しい私という一人称を使う)、そろそろ帰りますね。社会、勉強してね〜。」いけせんは、ふざけて、バイバ~イって感じで本屋を出て行った。いけせん、何の本読んでたんだろう?私は、悪趣味な興味をそそられて、いけせんの立っていた本棚の方に向かった。

 そこには、「妊娠・出産」と書いてある本が並んでいた。えっ、いけせん、独身だったよな。と、私は首を傾げ、私の勘違いかな、と思い直した。

 なほは、親の態度をだんだんと気にしなくなった。それより、いけせん、何だったんだろう?と妙に考えてしまうようになった。

 そうこうしているうちに、松原先生、妊娠してんだってさ、という話が広まった。事実だった。数ヶ月後、産休に入るという。しかも、そのちょっと後、岩永先生も妊娠していると分かった。高校生たちには、ちょっと、もう、やめて!!という状況だった。

 なほだけは、いけせん?と、疑いを強めていた。

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