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お預けのパンツ作り



「⋯⋯ちょっと、頑張って食い込ませている二人に悪いんだけど、私が求めてるものとは、ちょっと違う⋯⋯のよね」


と、股間に縄を締め上げている一郎と、締め上げられて悶絶している二郎に言った。


 きょとん、と一時停止する二人。


 ゆるゆる、と食い込ませた縄を緩めると、


「違うなら違うと早く言わないか」とたしなめられた。理不尽。


「いや、あんた達が勝手におっ始めたんでしょうが!こっちだってやる前に確認しなさいよ!て言いたいんですが!!すでに言ってるけど!」


と、文句を言うと、それを聞いた一郎は、


「⋯⋯⋯⋯それも、そうだな。すまなかった」と、二郎に向けて謝った。


「いてぇ⋯⋯」


 二郎は、涙目になっていた。


「私は、いくら密着させたい、と言っても縄じゃなくて、布を使いたいのよ。あのシーツの布!所望!⋯⋯んで、考えたんだけどさ、このくらいの長さに切って側面と側面を紐で結んで調節するってのはどうよ?」


と、手で長さを示して、ショートパンツ丈の紐パンを提案してみた。


「ふむ。なるほど。紐で落ちないようにするのだな」


「そうよ」


と、いうわけで、相変わらずまずはモデルに、筋肉ムキムキブラ縄Tバック戦士こと、二郎の紐パン作りから始まった。


「なんでまた俺なんだよ⋯⋯」一郎に採寸されながら、そう二郎は呟いた。


「仕方ないじゃない。あなたのお兄さんたっての希望なんだから」


「すまん。作るからには失敗はしたくないのだ。まずはお前の身体で感覚を掴みたい」


「⋯⋯ちっ、わーったよ。ホントこだわりが強ぇていうか、真面目というか⋯⋯」二郎は、ボリボリ、と後ろ髪を搔いて応えた。フケが舞う。やめて。



 一郎は、慣れた手つきで二郎の腰回り、尻周り、太もも周りと採寸してゆく。


 私は、二郎の身体を使い、長さや形状を表しながら、説明した。


 裁断、縫い合わせ⋯⋯と工程を経て出来たものは⋯⋯



「え⋯⋯、今までで一番マシな出来なんじゃ⋯⋯」


 直穿きするため、一郎に言われて部屋から追い出された、二郎の着替え。

 

 呼ばれて入ると、そこには――。


 鍛え抜かれた脚の付け根には、今出来たばかりのショートパンツ。側面は紐だけを結び合わせたもの。


 逞しく張り出た胸には、それを覆わんばかりの大きめなブラジャーが。


 金髪翠眼のとんでもない美形が、とんでもない格好で堂々と佇んでいた。



(⋯⋯頑張った結果が、警察に職質されそうな変態を生んでしまった気がするけど、まあ、良いわ)


「すごいわ!一郎!すごく良いと思う!二郎も協力ありがとう!」


と、私は、にっこりと笑って二人に感謝の言葉を述べた。


「そうか⋯⋯なら良かった」とその言葉を聞いて一郎は、ホッとした表情になった。


 二郎は、寒い寒いと言いながら、下着を身に着けた上から服を着込んでいた。


(うんうん、さて、次は私の番ね)と一郎を見ると一郎は裁縫道具を箱に仕舞うと、それを棚に置こうとしている。なんで!?


「ちょっと、一郎!私の下着は?」


「ああ、すまない。弟のものを作っていたら随分と時間が経ってしまった。食事をして今日のところは休もう。続きはまた明日か後日に――」


と、言われてしまった。


「そんなぁ~⋯⋯」


 ただの変態紳士を誕生させて終わりになるなんて⋯⋯くぅ!!



 食事の最中、「なんか、これあったけぇな」とブラとパンツを身に着けた二郎が、己の身体を触りながら一郎に言っていた。クソっ!羨ましい!


 蒸風呂に三人で入ると、二郎はブラと紐パン姿だった。


 何気に気に入ったようである。

 一郎を見ると、一郎も嬉しそうな顔をしていた。


(はあ⋯⋯、私の下着づくりが、無自覚な変態を誕生させてしまったのと、兄弟仲を深めただけだなんて⋯⋯)


 隣に座った二郎を恨めしげに見ていると、二郎はオイルを塗りだし、垢すりを始めだした。


 紐パンの紐を外して器用に太ももの垢を掻き出す。いや、職人芸か。


 私も、オイルを塗りながら、恨めしげにその様子を眺めていた。


(⋯⋯ん?)


「⋯⋯二郎、なんか⋯⋯ブツ出てない?」


「お。あ、わりぃな」そう言うと紐パンの位置を直した。


(⋯⋯⋯⋯望んでいないセクシーショット!!あー!!見たくなかった!!)


 私は、顔を覆うとがっくりとうなれた。


 そんな私に、二郎が声をかけた。


「お前⋯⋯、さっきから俺のことチラチラ見てるけど、股間も何気に凝視してたし⋯⋯⋯⋯変態かよ」


と、垢を擦りながら、ブラジャーと紐パンを身に着けて、ブツをチラリズムしてきた男に言われた。


 その言葉にムカついて、私は顔を覆った手を外し、二郎の顔を見つめると、



「貴様に言われたくないわ!!!!」



 男らしさ二〇〇〇%ぐらいの勢いで、思いっきり大声で二郎を怒鳴りつけてしまった。反省。


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