月も神世も禍だらけ
滝と月の現四獣神達と月で修行中の獣神達は戦い始めて直ぐに、次々と転送される禍が全て獣神力無効化の術で防護していると気付いた。
【またっ! やっぱり全部 獣神力無効だよっ!
オフォクス頑張ってねっ!】
【カイダーム様、クウダーム様。
シアンスタとカーマインの背にお願い致します】
【【失礼致します!】】
【【移動や回避はお任せください!】】
【ドラグーナに先越されちゃったぁ。
あとは み~んな力技だよっ!
頑張ろーねっ!】
【はい!】一斉!
【お嫁ちゃん達! 真剣に行くよっ!!】
【【はいっ!!】】
獣神達は単独にならないように組んで戦っている。
ドラグーナはオフォクスと組んでいるので、ドラグーナ内の彩桜は両者の手に次々と発動状態の闇呼玉を渡していた。
闇呼玉には人神の神力での神力封じも纏わせているので何の問題も無く禍に有効で、最強の武器だった。
【あれれ? この術……ま、いっか♪
悪オーロ食べちゃえ~♪】
新たな何かを纏わせた。
【でもコレ……うん♪ 俺が投~げる~♪】
手を防護して直接 禍に向かって投げた。
【あ♪ そ~だ♪ パックン万華掌、連射!】
【お~い彩桜】【何やってるんだぁ?】
【いろいろ見つけたから使ってるの~♪
防護手袋、キューヤ母ちゃんからの術で~♪
パックンするのは双子魔女オバサンの術~♪
悪用じゃにゃいも~ん♪
オーロに反撃、母ちゃん魔女の術~♪
だってオーロの弱点、魔女なら完璧に知ってるんだも~ん♪】
言葉通り的確に弱点を狙い撃ちしているらしく、彩桜が連射している闇呼玉と蕾達はガンガン転送されている禍に反撃どころか逃亡の余地すらも与えずに、片っ端から動きを封じて捕まえていた。
【浄滅は後回しなの~♪】るんるんる~ん♪
どんどん溜まる満腹闇呼玉と禍入りの蕾を紅火が立方体の堅固結界に閉じ込め、その内を藤慈が最強の聖水で満たした。
そのブロックも どんどん増えて、積み上がっていく。
【ったく、どんだけ込めてたんだよ】
【いつ終わるんだろーな。ったく~】
白久と黒瑯がボヤく。
ドラグーナとオフォクスだけでなく発動領域に皆が入るように、これまで以上に拡げている金錦 白久 黒瑯は激しい消耗を感じていた。
【食べて元気なって~♪】
彩桜が闇呼玉でない玉を兄達に投げた。
【コレは?】【スヴァット様の弁当か!?】
【黒瑯兄アッタリ~♪ いっぱい貰ったの~♪
だから食べてねっ♪
俺、神世 蛇さんサーチしてみる~んるん♪】
【【ったく器用だなっ♪】】【うんっ♪】
ブロックを作りつつドラグーナを支えている紅火と藤慈にも弁当を渡した彩桜は目を閉じた。
それでも闇呼玉の量産と諸々の連射は止めていない。
すぐにビクンとして目を開けた。
【ドラグーナ様! 俺だけ外に出して!
兄貴達に闇呼玉いっぱいあげるから!
ソラ兄達ピンチなのっ!
だから行かせて!】
これまではドラグーナとオフォクス用の闇呼玉と自分用の闇呼玉と蕾を作って連射していた彩桜だったが、新たに兄達が使えるように半発動状態にした闇呼玉もガンガン量産し始めた。
【そう……青生は?】
【瑠璃なら俺の神力も使えますから、俺が行かなくても神世は大丈夫です。
俺は彩桜を引き継いで闇呼吸着と万華掌しますよ。
俺なら彩桜と同じですからね】
【それなら彩桜だけね】【うんっ!】
飛び出した彩桜は神王殿への通路へと術移した。
【どうやら彩桜は狐も蛇も すっかり自分のものに出来たみたいだね♪】
彩桜が使い熟しているのでドラグーナは笑っていた。
―・―*―・―
彩桜は月から神王殿への通路内も術移でショートカットして、神世でもバンバン術移して『最果て』の岩壁に達した。
【ソラ兄! 響お姉ちゃん!
ショウ! 力丸! モグ!
俺、行くから頑張ってね!
アミュラ様ムリしないで!
俺、もちょっとだからね!】
瑠璃のようには大きく術移できないのが悔しかったが、心話声を張りながら岩壁を越えた。
【白虎様だ~♪】【おい、月は?】
【コッチ、ピンチだから来た~♪】通過♪
【サーロン! 無理しないでね!】
ずっとサーロンとソラに呼び掛けていた。
黒々としている中に確かに居ると感じた刹那、遠くでソラが千華掌を発動したのが見えた。
【ソラすっご~い!】【【すっごいね~♪】】
響、ショウとモグの声も聞こえた。
【彩桜なら もっと凄いんだ……彩桜なら……】
ソラの呟きがハッキリと。
ラスト術移して到着♪
【ソラ兄 呼んだ~?♪
アミュラ様♪ 俺また来た~♪
昇華闇障暗黒、激天特大闇呼吸着!
封神力、雷迅闇浄破邪万華掌!!】
ソラと背中合わせになって無数の桜色雷光ビシバシなパックン黒蕾を放つ!
蕾は禍を追い、何やら発して禍の動きを止めてパクリとしては、彩桜が掲げている闇呼玉へと飛び込む。
その黒蕾の動きが速い速い。
【ソラ兄、光矢お願い!】
まだ禍は噴出している。その噴出口に向かって
【術光矢封乱悪牢連射!!】
もう温存しなくても大丈夫だからと、ソラも全神力で放った。
光矢は禍を追尾して、突き刺すと弧を描いて反転し、彩桜が掲げている闇呼玉へと入った。
【ありがとソラ兄♪
激天マシマシ闇呼吸着おかわり!!】両手に闇呼玉♪
大騒ぎしながらの戦いは長く続いていた。
彩桜はパックン黒蕾と噛みつき闇呼玉を連射しつつ、手の吸着闇呼玉も交換しつつで、月から引き続きなのもあって、こんなにも続いたのは初めてだと思い、こんなにも続けられるんだと嬉しくも思っていた。
その原動力はユーレイ探偵団の一員として皆と一緒に、特にソラと一緒に戦えるからだろうと、楽しく浮かれつつも冷静な部分が考えていた。
楽しく感じているのはソラも同じで、
【やっぱり彩桜がいいな……】
ついつい呟いてしまっていた。
【俺も♪ ソラ兄サーロンがいいの~♪
だから呼んでたし、来ちゃった~♪】
【やっぱり彩桜だったんだ♪ 聞こえてたよ♪】
【えへへ~♪】
そこからも長かったが、ようやく静かになった。
【ん~~~、また出るかもだけど~、集めてピッカン☆しよ~♪】
【そうだね♪】
彩桜が周りに転がしたり浮かせたりしていた満腹闇呼玉と、力丸とショウの大きく膨らんだ網と、ホウジョウが凍結した巨大氷塊を集めたところにラピスリとマディアも来た。
【これも頼む】【うんっ♪】
ラピスリの闇呼玉も上に乗せて
【ソラ兄せ~のっ♪【滅禍浄破邪ピッカン!☆】】
向かい合って放った。
白輝一色!!【うわあっ!?】カケルが叫んだ。
【ほえ?】【あ……お兄、初めてだった?】
【初めてだよっ!!】
【私も初めてだけど目も神眼も閉じてたよ♪】
他の初めて組も『ピッカン☆』と聞いて、この二人なら凄いのだろうと閉じていた。
【響、初めてだっけ?】
【朱里城とかのは映像だけだったから~】
【あ、そっか】
ソラが響と話し始めたので、彩桜はアミュラの所に行った。
【アミュラ様、無理し過ぎなのぉ。
獣神力拒絶術してる禍なのに月に転送て無茶なのぉ】
強治癒を重ねて包んだ。
【ありがとよ。
そんな術まで掛けてるなんて思ってもなかったんだよ。
それに、埋め尽くしてるとは思ってたが、こんなにも多いなんてねぇ。
ま~ったくアタシとしたことが、こ~んな大きな誤算しちまうなんてねぇ】
【仕方ない思うのぉ。
すっごい数だったんだもん。凶悪なんだもん。
だから今日はお休みしないとなのぉ】
【そうさせてもらうよ】
そこにザブダクルが来た。
【ザブさんも~、へろへろなんでしょ。
闇転換て消耗激しいんだから操禍も光で発動しないと倒れちゃうよ~】
【は? 光で、とは……?】
【まだ気づいてないの?】視線はアミュラに。
ザブダクルもアミュラを見る。
【どうやら、まだらしいねぇ】やれやれだよ。
【自分の魂よ~く見てね♪ 強浄化♪】
話しついでみたいに唐突に放った。
「ぎゃあああああっ!?」
【ホントに苦しい?
闇神様でも浄化とか治癒とか平気なハズだよ。
操禍持ちさんでもね♪
苦しかったのはザブさんナカ居たオーロの欠片と呪なの。
オーロは不穏だらけだから苦しかったの。
操禍持ちだからじゃないの。
て、聞こえてる?】
苦しくないと自覚したのだろう。
驚きで目を見開き、あわあわと口をぱくぱくさせながら震える両手を見詰めている。
その両手は光を纏っていた。
「こ……これ、は……?」
【浄化光だね♪ 開いたかにゃ?♪】
「開いた? とは?」
【ね、まだ獣神秘話法のがいいと思うよ。
地中深くに不穏あるから】
「っ!?!」【ま、まさかまだ!?】
【うん。さっきのは表層の。
残ってるから地が熱いの】
【けど明日なんだろ?】
【うん。表層の下、灼熱の蓋なってるの。
灼熱の上も下も一枚岩な蓋あるの。
だからオーロ禍、出られないの~♪
すっごい熱は伝わっちゃうし、だから噴火もしちゃうけどね】
また あわあわして話せなくなっている。
【そんな怖がらなくていいてば。
ルサンティーナ様も今日はもぉお休みね?
でも説明してあげてなの。
明日は自覚して戦わないと、いつまで経っても進まないから。
自覚したら自然と『福』出ると思うから♪】
ここまではユーレイ達に背を向けていたが、振り返ってニッコリ。
【み~んな一緒にマヌルの里で休も~♪
プリン頼んでるから早く行こ~♪】
女性ユーレイ達と力丸がサッと向いた。
【瑠璃姉、マディア様のお話し終わった?
月、行ける? 浄化してにゃいのぉ】
【ふむ。マディアも行きたいそうだ】
【一緒に行こ~♪
あ♪ ソラ兄と響お姉ちゃんも行こ~♪】
【どこに?】【月、みたいだね】【行けるの!?】
【行けるの~♪ プリンの後、月ねっ♪】
記憶に蓋をしたままでも拾知があるので普通に話しているとしか思えない彩桜は、ソラと一緒が楽しくて仕方ありません。
消耗の激しい闇を使いまくってもプリンで復活できそうです。




