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復活したけれど



 ドラグーナの部屋前の廊下には輝竜兄弟とリーロン・サーロンが瑠璃の治癒を支えようと全神力を注いでいた。


 王都時間の午後から始まり、夜に入っただろう頃、ドラグーナも加わった。

更に1時間程後にはオフォクスとトリノクスがユーロンも連れて来た。


【オフォクス、メイファは?】


【戻った狐儀に任せた。

 心配せずとも回復する】



 彩桜を救出した直後は気丈に振る舞っていた梅華だったが、双子であっても闇を持たない為に、ラピスリの少しであろうが強い闇のダメージは大きく、魂の深部を負傷した状態になっていたのだった。

社に戻った直後に倒れた梅華を介抱したオフォクスは原因を探るべく来たのだった。


トリノクスの方はユーロンをモグラに会わせようと神世に向かっていた。

現世の門でユーロンを休ませていてオフォクスに会い、リーロン サーロンもマヌルの里に居ると聞いて同行したのだった。



【リー兄ちゃん、サー兄ちゃん。

 ぼくもチユするからね!】狐姿に。


【うわ。スッゲー神力!】

【もしかしてトリノクス様の神力(ちから)?】


【うんっ♪】【私の子とした。半狐神だ】


【龍と狐は仲良しこよしだ♪

 だから兄弟は変わらねぇからな♪】

【ボクも狐神力だからね♪】


【うんっ♪

 サー兄ちゃんもシッポふさふさ~♪】


【そうだね♪】




 とんでもなく長く感じる夜が更ける。

邦和や王都が夜明けを迎えようという頃、ランマーヤとサファーナが来た。

【やっぱり! サクラが返事をしない原因はラピスリ叔母様だったのね!】


サファーナは激怒する姉から逃げて狐ユーロンと並び、理由も何も聞かずに治癒を放つのに集中した。


【説明してください!】


【ランマーヤちゃん、後で説明すっから彩桜に治癒を頼む!】


【オニキスおじさま、約束ですよ】

逃がさないぞと並んで、鱗を青くした。




 更に時は過ぎ、マヌルの里にも朝が訪れた頃、前夜からずっと全神力な兄弟に疲れが見え始めた。


「そーゆー時は神世でも食うべきなんだよ!」

スヴァットが来てテーブルセットを具現化し、料理を並べた。

「順に休憩しろ! オレが入ってやる!」


「スヴァット様、治癒できるんですか?」


「あのなぁ黒瑯、オレも大神なんだから出来るに決まってるだろ!

 つまり黒瑯も出来るんだよ!」


「へ? どーやって!?」


「教えるから金錦から順だ! 来い!」



 そうして順に神力に直結する神世料理を食べた兄弟が元気を取り戻し、さあ続きをと気合いを入れ直した時――

【次、俺ねっ♪ いっただっきま~す♪】

【【【【【【【彩桜っ!?】】】】】】】

――テーブルで彩桜がモグモグしていた。


サファーナとユーロン大笑い。

ドラグーナ オフォクス トリノクスは苦笑しているが眼差しは優しい。

「もっと作ってやっからなっ♪」

スヴァットは厨房へ。


「サクラっ!」

人姿になって彩桜の背に抱き着いたランマーヤは泣いていた。


「ラン? どして泣いてるの?

 瑠璃姉も泣いてるんだよね。

 兄貴達~、俺達のお部屋、占領させてね~」

連れて術移した。



「アイツ……マジで覚えてねぇのかぁ?」


「いや。そういう事にしたのだろう。

 瑠璃殿を責めたくはないのだろうな」


「「「そっか……」」」

「彩桜らしいですね」「む」「ですよね」

ランマーヤを説得しているであろう彩桜が居る部屋の扉を皆で見詰めた。



【そろそろ出発時間だが、どうするんだい?】

アミュラの声も心配そうだった。


【ボク、響達を連れに行きます!】

ソラに戻って術移した。


【予定通りって事なんだね?

 アタシも支度するから慌てなくてもいいさね】



『予定?』と首を傾げた兄弟が、ドラグーナとオフォクスを見た。


「向こうの地を復興するそうだよ。

 俺とオフォクスは月に転送される禍退治だよ」


「聞いておらぬのだが?」睨む。


「そう? でも聞いたから行こうね」


「ふむ。向こうの地には誰が行く予定なのだ?」


「救世主達。だからユーレイ探偵団の皆だね」


「サイと弟子達も行かせる」術移。



「うん……確かに大変かもね。

 悪神が大量に禍を込めている可能性があるからね」


「では私達はドラグーナ様を内から支えます。

 青生と彩桜は未だ無理でしょうから」

金錦の言葉に弟達が大きく頷く。


「そうだね。お願いね」

「「「「「はい!」」」」ん? リーロンは?」


「オレは……決めるのはラピスリと話してからだな。

 アーマル兄様が来れねぇなら言えるのはオレだけだろーからな」


「そっか。オニキス様としてか。納得だ」


「先にマディアと話してみる」瞬移!



「モグラも救世主の一員なのだな?」

ドラグーナの後ろからトリノクス。


「そうだね。ユーレイ探偵団だからね」

振り向いてニッコリ。


羽龍(ユーロン)、モグラは出掛けるそうだ。

 戻る迄サファーナと遊んで待っていられるか?」


「「うん♪」空散歩しよ♪」「うんっ♪」

「遊びに行く前に食え♪」「「うんっ♪」」

戻ったスヴァットに連れられてテーブルへ。



「では私も月に」


「ありがとう。テトラクスとペンタクスは月に居るし、モノオクスとジーニクスも一緒に行く予定だからね」


「兄弟が揃うのか」ふふ♪

「ナ~ニ格好つけてるんだよっ♪」「うっ――」

トリノクスの背に子猫が飛びついた。

「俺も一緒に行くからなっ♪」


「その身体でか? マリュース……」


「あと2、3日で元通りだからなっ!

 まだ定着待ちだが神力は元通りなんだぞ!」


「分かった分かった」よしよし。


「撫でるなっ!」ごろごろごろごろ♪


「喉を鳴らして喜んでおきながら」ふふっ♪


「ウッセーッ!」「ほ~らほらマリュ~ス~♪」

「ん?」バッ!「ああっ!」「また釣れた~♪」


「イーリスタ様、月からですよね?」


「迎えに来たんだよ♪ 行こっ♪」

モノオクスとジーニクスが乗っている背を見せた。

「トリノクスも乗って乗って~♪」

釣れているマリュースをポイッと背に。



 トリノクスも乗って兄達と話している間に、輝竜兄弟はドラグーナに取り込んでもらおうと近寄った。


「うん、一緒にお願いね」


その時、ドラグーナの部屋と兄弟の部屋の扉が開いた。

「俺も行くのっ!」「はい、一緒に」


「ラピスリとランマーヤも?」


「私は……班に同行します。

 ……皆様っ! 誠に申し訳御座いません!」


深々と頭を下げた瑠璃を青生が支えて起こした。

「何が起こっても俺は怒ったりしないし、大丈夫だからと何度も言ったんですけど、ずっとこの調子なんですよ。

 その、何が起こったのかも話してくれないんですけどね」

「そぉなの~。でも俺もいいの~♪

 お腹ペコペコだけど~」


「ほらよ♪ 弁当にしてやったからなっ♪」


「スヴァット様ありがと~♪」るんっ♪

「私は社に戻ります。

 サクラの気持ちを尊重して。

 それに両親が心配ですから」

(サクラ、後で必ず叔母様を連れて来てね!)

(ほえ~い。怒っちゃダメなのぉ~)

(記憶喪失ごっこには付き合ってあげるから!)

(ごっこ? 違うのににゃ~ん)

(……まさか本当に? 本当に欠落なの!?)

(俺、何してたっけ? 後で教えてねっ♪)

ランマーヤは悔し気に潤んだ瞳でラピスリを睨んだ後、皆にペコリとして術移した。


その視線で、これは ただ事ではなさそうだと兄弟は視線を交わし、白久が青生を、黒瑯が彩桜を無言でドラグーナに押し込んで、四獣神達は月へと出発した。



「そんじゃあデザートだな。来いよ♪」

「「うんっ♪」」

スヴァットがサファーナとユーロンを離してくれた。



【ラピスリ、チョイ話がある】

オニキスは、俯いたまま動こうとしないラピスリをドラグーナの部屋に押し込んだ。

【青生と彩桜の欠落は記憶だけなのか?】


【……わからない】


【そっか。けど無事だ。生きてるからな。

 ナンかなぁ、あんま強く言えなくなっちまったけど、彩桜の言葉は聞いたんだろ?】


【何度も。目覚めた彩桜は覚えていなかったが……】


【そんならいい。

 ラピスリが覚えてりゃいいだけだからな。

 ラピスリは神だが瑠璃は人だ。

 人な瑠璃の感情だから、ラピスリが魔に堕ちるなんかナイ。

 コジツケかもだがソレでいいとオレも思う。父様もな。

 だから前を向け。落ち込むな。


 それとな、昨日アミュラ様に失礼な術しなかっただろーな?

 アミュラ様が来てくれなかったら青生も彩桜も消滅してたんだからな。

 何したのかなんてオレにはサッパリだが、とにかく謝っとけよ。あと、礼もな】


頷いて、ラピスリはアミュラの部屋に向かった。



【ありがとうオニキス】


【オレなんかに礼なんて言わなくていいから、ちゃんとラピスリしろよな。

 響チャンは敏感だぞ】


【そうだな】



―・―*―・―



 月では禍が転送されるのを待っていた。

その間にドラグーナ内の兄弟は、青生と彩桜から聞き出そうと囲んでいた。


「マジでマジなんだな?」


「欠落しているようですけど写しがありますので心配しないでください」

「同時進行バックアップなの~♪」

二人揃って尾をポンポン。


「そんなら安心だけどな」「解凍しないのか?」


「今は……見ないのがベストみたいですね」

「うんうん。ちゃんと保護して保管なの~♪

 だから何していいのか困って来ちゃった♪」


「「おいおい」」


「これから何するの?

 雲地は? 恐竜さん達ほったらかし?」


「「とっくに終わってるよ!」」


「そっか~♪ だったらいい♪」


「よかねぇだろーがよ」

「彩桜の『今』はいつなんだよ?」


「んとねぇ……人世で演奏グルグルした後、イーリスタ様に呼ばれたよね?

 だから月?

 さっきイーリスタ様、一緒に来たでしょ?

 迎えに来てくれたの?」


「つまり彩桜はブルー様に会って、ピュアリラ様とラファイナ様を助け出したのは覚えてねぇんだな?」

「青生もなのか?」


「うわわ……うん」「そうだね」

「ん~とぉ、ソレ原因で瑠璃姉の様子、変なった?

 だから今は見ちゃダメなってる?」

「きっと そうだね。

 他にも何かの鍵になっているのかもだけどね」

「そっか~」


「お~い「二人だけで納得するな~」」

【禍の転送が始まったよ】ドラグーナから。


「今は全神力で禍退治だよね!」


「「しゃあねぇな。ヤルぞ!」」







記憶が欠落してしまったらしい青生と彩桜。

他は何も欠落してないでしょうね?



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