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鳳凰の賢神を集める



 マディアとエーデリリィにチーズケーキを作った彩桜は、マヌルの里のラピスリの部屋前に術移した。

【瑠璃姉てばぁ、俺と青生兄 拒絶結界てナンなのぉ?

 聞こえてるんでしょ? ねぇってばぁ】


何度も何度も呼び掛けたが返事は全くだった。


【今チェリー、こっちに来な】【はぁい】

堪り兼ねたアミュラに呼ばれて部屋に行った。



【瑠璃姉てば、どぉして拗ねてるの?】


【皆が忙しい時だからねぇ。

 自分の心を押し込めてるのさ。

 それに神世からだと人世の様子は殆ど見えやしない。

 拒絶してる心に青生から伝わるのだけじゃあ、頻繁に会ってるのは女神ってくらいなんだろうねぇ】


【もしかして勘違い?

 青生兄が浮気してるなんて思ってるの!?】


【あの結界だと、そうだろうねぇ。

 ま、確かめたいが怖いって程度だよ】


【んもぉ~。ランも俺と会ってるとか言えないて言ってたのぉ。

 どしたらいいのぉ?】


母様(ピュアリラ)伯母様(ラファイナ)の回復具合は?】


【まだだけどぉ……3日あったら神世(コッチ)来れるかも~】


【3日ねぇ……それなら明日は様子見だ。

 明後日あたりに動くとするかねぇ】


【あのね、月でのは言わないでなの。

 俺達とドラグーナ様、分離まだにしといてなのぉ】


【月のを出したら母様達のもブルー様のも繋がっちまうからだね?

 分離待ちって事にしといてやるよ】


【ありがとなの~♪ あれれ?】【おやまぁ】


アミュラには恭しく礼をしたフィアラグーナが彩桜にはニヤリ。

【手伝え彩桜。

 青生と紅火を見つけたんだがな、コイツは彩桜だと言うんだよ】


【いいけど何したらいいの?】


【隠れてる鳳凰神達を見つけてもらいたいんだ。

 新旧取り混ぜ全て強くて賢神だ。

 それだけに上手く隠れてて厄介なんだよ】


【イーラスタ様が いっぱい?】


【そんな感じだ♪】乗れと背を見せる。


飛んで乗る。

【んとねぇ、最果ての上、灼熱に近いトコ】


【あ~、鳳凰は火に強いからなぁ】


【火の鳥さん? 不死鳥さん?】


【ソイツは鳳凰神からの空想の産物だな。

 けどまぁ火を纏ってるヤツも多いし、不死鳥っちゃあ不死鳥だよな♪】


【フィアラグーナ様、熱いの大丈夫?】


【ついでに寒いんだろ? 遮断しとくよ】


【じゃあ、この(マヌルの里)近くからねっ♪】連れて術移♪




――【イキナリかよっ】慌てて遮断!


【イーガスタ様~♪ 俺、今チェリー♪

 イーラスタ様とお友達なの~♪】


瞬移したか全消ししたかだった金炎を纏う深紅の鳳凰が姿を見せた。

【龍神と、人神の子か?】


【イーガスタ様、お久し振りです。

 滝を継いだフィアラグーナ。アリアナティの子です】


【そうか。フィアラグーナであったか】


【はい!】【フィアラグーナ様どしたの?】

【何が?】【いつもと大違いなんだも~ん】


イーガスタが笑ったのでフィアラグーナは言い返せなかった。


【その子神は?】


【人神魂材で生まれちゃったから人神様に間違えられちゃうけど人で~す♪

 堕神されちゃったドラグーナ様の器なの。

 いろいろあって神名はモルガナ。

 呼び名は今チェリーです♪】

【ドラグーナは私の子で現四獣神です!】


【そうか。

 では今チェリー、大きく揺れた事との絡みで私を探していたのか?】


【ソレも、です。

 揺れを起こした暴走人神が神世中の人神様の住処を破壊したんです。

 暴走は止めましたが復興しないといけないのに鳳凰神様だけが協力してくれないんです。

 だから追い出されて隠れてる鳳凰神様を探してるんです】


【輪を掛けて悪化したか……ふむ。

 諌めるのならば協力しよう】


【ありがとございます♪

 明日、鳳凰vs兎の試合するんです。

 里の鳳凰は勝てません。修行、怠けてたから。

 だから、その後でお願いします♪】


【その後か。目に見えるようだな。

 イーラスタも探しに出ているのか?】


【イーラスタ様には話していません。

 兎神様と結婚したからって追い出されたんです。

 子供、長老様に奪われたんです。

 鳳凰兎のイーリスタ様は焼鳥されそぉになったんです。

 だから兎神様として戦う主役なんです】


【話せぬ理由は解った。

 孫の為でもある。力を尽くすと約束しよう。

 同行し、他の鳳凰神を説得する】


【ありがとございます♪ 北に向かいます♪】

【ならば我等も参じよう】

【あ♪ 朱雀様だ~♪】


【ガイアルフの方に他三神は向かっておる。

 東の滝奥から南へと回ったようだな】


【そっか。玄武様も蛇さんあるもんね♪

 じゃあ蛇さんサーチ♪ 緑の鳳凰様み~っけ♪】


【ふむ。娘の夫、ウィンディアールだな。

 娘も近くに居る筈――ウィンディアール!

 逃げずともよい。イーリアナは?】


【人神の気を感じたので先に逃がしていた。

 連れ戻す】


新緑を思わせる爽風を纏った緑鳳凰神は一瞬だけ姿を見せ、戻った時には桃の花を思わせる美鳳凰神を連れていた。


【イーリスタ様の『叔母様』?】【だよ】


【私の親友で娘婿のウィンディアールと娘のイーリアナだ。

 道すがら説明する。次の鳳凰を探そう】


【近くにシラナミが居る。

 俺だけで行ってみる。

 後で合流しよう】


【移動するが?】


【その子神の気に向かう。不思議な気だからな】


【確かにな。半龍半人神だと思えばよい】


【その羽は?】


【蛇と狐も持っている。

 鳥も持っているのだろう】


【故に不思議な気なのだな。では】瞬移。




 そんなこんなで次々と鳳凰神を見付けては仲間にして、マヌルの里に戻った頃には王都は夜明けが近くなっていた。


鳳凰神は龍神と同じく嵩高いので広い部屋を借りて、災厄についての話をしているとマディアが来た。


「マディア様が神眼で見たのをこの鏡に写して、展開して壁に大きく映すの~♪」


「その不思議な鏡、どうしたの?」


「異界の千里眼鏡♪

 真ブルー様に教えてもらったの~♪」


「それもなんだ。

 本当にブルー様やチェリー様に神力を貰ったんだね」


「ドラグーナ様が貰ったの♪ 俺達オマケ♪」


「父様が?」


「そのお話、後ね。

 そろそろ出発するから、ドラグーナ様でもフィアラグーナ様でもいいから神眼で追ってね♪

 鏡、壁に向けて持って座ったらいいからね♪

 俺も行かなきゃだから、王都からイーラスタ様とアリティア様、連れて来る~んるん♪」瞬移♪



 マディアが壁に映しながら鏡の角度を調整していると彩桜が戻った。

「朱雀様、指揮お願いします♪

 最善行動、臨機応変でお願いします♪」


「今チェリーも鳳凰の里に?」


「俺達、雲地♪ 恐竜さんと小動物神様、元の場所に戻れるよぉにするの~♪

 兎さん達も里に戻さなきゃなの~♪」術移♪



 彩桜が行って静かになるかと思いきや、神眼映像が大騒ぎだった。


「もしかしてイーリスタ父様は何も聞いてなかったのかな?」

マディアは鏡に伝える音量を調整しつつ呟いた。


「そうか。獣神王様とイーリスタの子なのか」

「確かに共鳴しているわね♪」


「あっ」共鳴!?

すぐ後ろにイーラスタとアリティア、イーガスタとイーリアナも居たので共鳴だらけだ。


「イーリスタは私の孫だ。

 息子イーラスタと その妻アリティア。

 娘のイーリアナと その夫のウィンディアール。

 イーリスタの尾羽の中に1本だけ色が薄いものがあるだろう?」


今はフィアラグーナとガイアルフに掴まれていて束の状態だが、真ん中の1本が少しだけ色が薄いのをマディアは知っていた。

「はい。不思議に思っていました」


「イーリスタは里から逃げたが捕まり、軍神に渡されたそうだ。

 羽を毟られ焼鳥にされそうになっていたのをフィアラグーナとガイアルフが助けたそうだ。

 鳥神の羽は龍神の鱗と同じだ。

 瀕死のイーリスタに種羽を与えたのがイーリアナだ」


「それで……。

 僕も幼い頃に鱗を毟られて兄から種鱗を貰いました。

 背に1枚だけ、ほんの少し色が薄い鱗が兄のなんです。

 あれ? 薄いのが増えてる?

 ……そうか。また貰って復活した鱗なんだ……」


「助けられて生きてゆける。

 それは良き仲間が居るという事だ。

 その喜びを誇りに変えてよいが、気付いたのならば感謝は伝えねばな」


「はい!♪

 気づかせてくださり ありがとうございます!♪」


「私は曾孫に会えて嬉しいぞ。

 獣神王様には申し訳ないばかりだがな。

 ところで名は?」


「マディアです♪

 驚いて名乗り忘れていました。すみません」


「あやまらずとも。家族なのだからな」


「はい♪ ありがとうございます♪」


「鳳凰にもなれるのか?」


「はい♪ ですがまだ不安定で……」頑張って鳳凰に。


「鱗と同じ碧色なのだな。しかも虹を纏って。

 よく鍛えているのだな。

 鳳凰としても鍛えてやろう」

「それなら鳳凰として安定させてやろう。

 俺も家族に入りたいからな」

新緑色の尾羽を複製してマディアの尾羽の真ん中に重ねた。

「イーリスタも真ん中が色チならマディアも真ん中でいいだろう?」


「はい!♪ ありがとうございます!♪

 違和感が消えました!♪」


後方が少し騒めいたので見ると、アミュラがザブダクルとダグラナタンを連れて来ていた。


「もう着くかねぇ。

 アタシらも見させてもらうよ」

部屋の隅に陣取ったアミュラは、二神を座らせた椅子を高く上げた。


「はい♪」どうぞとニッコリ。


鳳凰神だらけの部屋で縮こまっているザブダクルとダグラナタンは、振り向いた碧鳳凰がマディアだとは気付いていなかった。


 ま、いっか♪


小さく肩を竦めて前を向く。

今は神眼でドラグーナを追っている。

ドラグーナだけで鳳凰の里に行き、里長と長老とに試合を申し込んで審判をすると言うと、公平な第三者として鶴の里から連れて来るようにと言われてしまったところだった。


公平と言うのなら鳥でない獣神にすべきだとか、獣神王様に失礼だとかで騒めく。

しかしドラグーナは想定内だったのか、里長の息子と一緒に鶴の里に行き、事情は説明したが選ぶのは里長の息子に任せた。


【不正を働いたならば即座に向かう】

朱雀が『不安がるな』とマディアの肩をポン。


【はい♪ ありがとうございます朱雀様。

 父様でしたら考えての事だと思います♪】

しっかり見ていようと視線を上げた。







彩桜はマディアの家でのお菓子作りを毎日しようと考えています。

忙しい日は分身すればいいくらいに軽く、オニキスとも一緒に行こうと。

『お話、後ね』は、その時にという意味です。



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