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神王殿で後始末



 カーリザウラの前に現れたオーロザウラは強気に嘲笑を浮かべているが、その魂片は半分以下になっていて、更に崩れ消えつつあった。


《お前の負けだカーリ……儂は負けぬ!》急襲!


カーリザウラは魂核の外へと飛んだ。


《逃げるか! 儂が引導を渡してやる!》



―・―*―・―



 アミュラは救世主達とドラグーナ達を連れて月から神王殿へと大術移した。


【アミュラ様! マディア様と王様が!】

【間に合わせておくれよ、今チェリー】

【俺、頑張る! カーリも頑張ってるから!】

【カーリが? そうかい、そうだったのかい】



―・―*―・―



 カーリザウラはザブダクルの魂核から出た。


《逃げるのみか。儂の勝ち――!?!》


追って出たオーロザウラの魂片は強烈な浄化光に包まれた。


絶叫を響かせてオーロザウラの魂片は消滅した。


《今度こそだよね。隠れたんじゃなく……》

気配を探る範囲を拡げていく。



もう残っていないと確信して真核へと向かった。



―◦―



 ザブダクルがハッと意識を取り戻した。

「マディア? 何処に居るのだ?」

一歩 踏み出したところで、轟き渡っている音が龍の咆哮だと気付いた。

何かを破壊している音も混ざっている。

「マディア……」

何も見えないがマディアが壊しているのは確かだった。


更に進もうとしたが阻まれた。

「結界か。ん? ……ルサンティーナ!?」

気を感じた方角を向く。確信する。

「マディア! 此方に!」


破壊音が止まり、結界から出た黒い塊が着地した。

かろうじて龍だと分かる長い塊は不穏禍の瘴気を立ち昇らせ、崩れかけてボロボロになっていて粘液状の呪禍を滴らせていた。


気にしていないのか見えていないのか、ザブダクルは構わずに乗った。

「神王殿に瞬移せよ!!」


低く唸った禍龍は瞬移した。



―◦―



 カーリザウラは真核に達した。

《これを解かないと暴走は止められない?》


カーリザウラの魂片はオーロザウラのものよりも遥かに小さかったが、神力を使い果たして消滅しても構わないと、真核を包もうと浄破邪を拡げていった。


〈カーリ、手伝うからね。無理しないで〉


《誰?》


〈俺、今チェリー♪ カーリの友達♪

 浄破邪は得意だから任せてね♪〉


《友達……うん! 僕の子を助けて!》


〈うんうん♪

 目の前に来てくれたから呪縛を解くよ♪

 他のカーリが待ってるから消えないでね♪〉


《他の、僕?》


〈オーロが持ってたの。粉々なってたのぉ。

 でも集めたの♪ 後で会わせるからね♪〉


《ありがとう!♪》



―◦―



 ザブダクルが現れてルサンティーナと話し始めて以降、ドラグーナと輝竜兄弟、オフォクスとラピスリとイーリスタはマディアの身体に浄化や治癒を当てていた。

ザブダクルが降りて以降は、もう構う必要は無くなったと浄化活動を本格的に行った。

もちろんルサンティーナの為に輝きが届かないように防護結界を成して。


彩桜はザブダクルの魂内にカーリザウラが居る筈だと信じて、同時進行で極細の掌握を入れて進め、見付けたので魂内を浄破邪で満たし始めた。


【彩桜、どう?】青生は龍体への浄治癒全開中。


【真核、やっぱりカーリ♪

 でも、と~っても()っちゃ欠片なの。

 オーロがガッチリ握ってて、呪鎖ギチギチで、()っき真核なってるの。

 解呪したらザブさん気絶しちゃうかも~】


【そう。

 ドラグーナ様、俺達なら人神魂ですから足してもいいですよね?】


【うん。そうしてもらえるかな?】


【【【【はい!】】】】【【おう!】】【うん!♪】

兄弟合わせた命の欠片をソッコー成して放つ!

その間に彩桜は詠唱も始めていた。


〈カーリ♪ 補填もするから心配しないでね♪

 昇華光明煌輝、魂縛呪鎖に総解還!〉



―◦―



 ザブダクルの真核を包囲していた呪鎖が弾け散って消え、オーロザウラの怨念塊も何やら叫びつつ消えた。


即座に、命の欠片の輝きが真核を包む。


と同時に、少し下方から浄化光が迸った。

彩桜の解呪は封珠にも亀裂を生じさせており、エーデリリィとユーチャリスの浄化神力が封珠を割ったのだった。



―◦―



 反撃しようと夫の魂をダグラナタンに託したエーデリリィとユーチャリスが飛び、

「やっと出られたわ!

 ザブダクル! 覚悟なさい!!」

「マディアとグレイにした仕打ち!

 許しません!!」

浄化炎を立ち昇らせてザブダクルと対峙した。


ルサンティーナがザブダクルを庇う。

「許されるものとは思っておりません。

 ですが――」

伏して誠意を示した。

「――愚かな夫がしてしまった罪、私も共に償わせてください」


「あら……」「まぁ……」拍子抜け。



 ザブダクルは浄化結界に閉じ込められた。

アミュラは月に残していた者達も連れて来ており、説明したり指示をしたりと忙しいので、マディアとティングレイスの方はドラグーナとオフォクスに任せた。


【アミュラ様~♪】パタパタパタ~♪

大騒ぎな龍の輪から飛んで来た。


【おやおやドラグーナは?】


【俺だけ出してもらった~♪】スイッと着地♪

浄化結界の中に入ると、背を丸めて泣いているザブダクルに後ろから寄った。

魂護闇(たまごあん)吸着♪】〈カーリお疲れ~♪〉


やっとアミュラの前へ。

【あのね、ぜ~んぶオーロだったの。

 闇禍も呼んでたの。

 ザブさんの中、呪鎖だらけだったのぉ】


【そうだったのかい……】


【ザブさん、乗り越えられなかった。

 修行しなかった怠け者オーロより、ザブさんのが強い言ったのに……】


【それも呪なら仕方のない事さね】


【それでもマディア様よりオーロ信じたの、俺、許せない。

 負の感情だって解ってるけど……無理。

 だからシッカリ反省させてね?

 地星、元通りさせてね?】


【解ったよ。

 暫くはザブ自身がやらかしたとしておくよ。

 種明かしは後だ。

 アタシも怒りが収まらないからねぇ】


【ありがとアミュラ様♪

 ん? 王様の方、止まってる?】


【龍っ子に比べたら共鳴が弱いからねぇ】


【前王様は? 兄貴なんでしょ?

 俺、助け行く!】


【救世主達を動かすよ。

 真上に連れてってやんな】【うん♪】

「救世主達、チョイと頼みがあるんだよ。

 まだ派遣された目的を全て果たせてないんだろ?

 その続きを兼ねて副都とやらに行ってもらえないかねぇ?」


「あっ、はい! 副都の貴神殿ですよね!

 前王様と側近さんと王子様達を助け出します!」


「たぶん厄介な状態だろうけど、ユーレイなら助け出せる筈だよ。

 出せたら此処に連れて来てもらえるかい?

 術にも必要なんだけど、この大変な時に王が不在だからねぇ」

【今チェリーには頼みたい事があるんだよ。

 案内したら犬達を連れて戻ってくれるかい?】


【何したらいいの? 3000王子様席?】


【おやおや、お見通しかい。

 床に座ったら入りきらないからねぇ】


【まっかせて~♪】クルッ♪

「連れてってあげる~♪」尻尾フリフリ~♪

向くと、龍達の輪は王を囲んでいた。

兄達が笑顔で向かって来ていた。


 ドラグーナ様、俺ナカ戻って寝てる~♪




 彩桜が副都から戻ると、兄達は既に足場客席――と言うよりは足場そのものを組み始めていた。

堅固一発でもいいのだが、長丁場を想定して神力は温存しておくべきだと考えたのだった。


【力丸とショウも、モグも一緒に組も~ねっ♪】



 王子達用の席が完成するとドラグーナが目覚め、輝竜兄弟から出て集結して瞬移した。


戻った時には神力十分だと鱗が煌めいている7龍神を連れていた。

その7龍神が王を囲む中に入ると

【俺の最初の子供達。エーデリリィの同代だよ。

 休んでいたら呼ばれてしまってね】

苦笑して分裂、兄弟の中に戻った。


【俺達ナカの小っちゃ欠片が呼んだ?】


【そうなんだよ。

 封珠から出してもらえたばかりだったし、王都を嫌っているから迎えに行かないと来てくれなかったんだよ】

そう苦笑して眠りに戻った。



 それからは疲れきっているドラグーナを起こさないように、囲みの外側に兄弟並んで静かに浄治癒を維持していた。

【あれれ? マディア様コッチ来る?】


【そうだね。エーデリリィ様が困っているね】


【ドラグーナ様また起きちゃうねぇ。

 あ♪ 青生兄が偽装したらいい~♪】


【え? でも仕方ない、かな?】う~ん。


【ドラグーナ様の気、前面にして~♪

 治癒してる色まんまで~偽装♪ でっきた~♪】


【え? あ……青いドラグーナ様ね……】

諦めて そのまま待っていると赤ちゃんマディアを抱いた困り顔のエーデリリィが来た。

「父様。マディアがどうしても、って……」

「グレイさ~ん♪ あっそぼ~♪」

「眠ったと思ったら起きて騒いで……あっ」

マディアはエーデリリィの手から抜けて、小さいからこそ隙間から入って行った。


「ほら、エーデもマディアと一緒に」

どうにか それだけを言った青生に

「そうね。姉様も一緒にグレイを目覚めさせましょう」

ラベンベールが助け船を出した。



 その後は王子達が囲み、ダグラナタンとザブダクルが放り込まれて、ティングレイスに掛けていた人神にしか見えない呪やら支配やら縛りやらを解いて、ようやく赤ちゃんティングレイスが元気な泣き声を上げた。


集まっている皆の記憶と幻尾に入っていたティングレイスの記憶の断片から構築した『記憶』をユーチャリスとエーデリリィに渡したルサンティーナが離れた。


ユーチャリスの後ろで支配や闇の残滓を消しつつルサンティーナを支えていたモグが追った。

〈待って~。

 表層に浮いてるのだけでも消すから~。

 上の部屋『開かずの間』だから行こ~〉

にっこり。先導して行った。



 ドラグーナ偽装の青生はドラグーナの子供達に囲まれていた。

【瑠璃、ドラグーナ様の計画通りに動きたいんだけど、助けてよ】


【計画通りに、か。そうしよう。

 先に偽装し直しだな】鱗を黄金に。

離れて笑っていたが、皆を連れて術移した。



――禍の滝。

【偽装し直し、ありがとう】

【狐は偽装が得意だからな。

 父が遣りたい事も、話したい事も知っているのだろう?】

【うん、一応ね】

【暫く父の代理を頼む】

【いいけど……彩桜も手伝ってね】【うん♪】


【じゃあ月で待ってるからねっ♪】

ラピスリに くっついて来ていたイーリスタは神王殿に戻った。


こうして青生が光明を、彩桜が闇障を使ってドラグーナの代わりに滝と森に絡まっていた凶悪呪を全て消したのだった。


【術の女神様達ホントすっごいねぇ】

【そうだね。そもそも人神のみの術から生じた呪だけど、それにしても凄いよね】


魔女大器からブルーの保護大器に移してもらって以降、この滝と森を調べ尽くしていたシャナカリュー達が中心となって組み上げてくれた術を使ったのだった。







本編の隙間隙間、輝竜兄弟を中心とした動きを外伝2では追います。


全力でマディアとグレイを支え続けたドラグーナ様は眠ってしまいました。

頑張れ青生♪ ですね。



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