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繋いで支える



〈ねぇねぇドラグーナ様ぁ、帰りもホントは すっごい地震だったんでしょ?

 また世界中だったんでしょ?

 だから休まないとなの分かってるけどぉ、俺達、動きたいの~。

 ドラグーナ様、俺達ナカで休めない?〉


《何をするつもりなのかな?》

弱っているのは明らかな声だ。


〈復旧作業とか~、炊き出しとか~、音楽するとか~〉


《確かに彩桜達なら それが出来るし、俺が眠っていても己の神力で動けるよね。

 うん。中で休ませてもらうよ》


〈ん♪ それじゃ、兄貴達も♪ せ~のっ!〉


ドラグーナが横たわっていた場所に輝竜兄弟。


〈よーし! 世界中を駆け巡るぞ!〉

〈手分けするべきだ。マーズとして動こう〉


〈〈〈〈〈はい!〉〉〉〉〉


〈オレも入れてくれ♪〉

飛んで来たオニキスが龍から(リーロン)に。


〈モチロンだ♪

 そんじゃオレはリーロンと炊き出し班な♪〉

〈保存食の配布は神マーズがやってくれてるからな♪〉


〈〈〈〈〈〈〈神マーズ?〉〉〉〉〉〉〉


〈手が空いてる神が皆、マーズしてるんだよ♪〉


〈神様達、忙しいんだよね?

 オニキス師匠(リーロン)もだけどヒマなの?〉


〈皆、忙しい中でやってるんだよ!

 オレは炊き出ししてたんだけどな、人が交替で やり始めたんだよ。

 だから他の場所にな♪〉


〈そっか~♪ 姉ちゃん達ダメだよね?〉


〈そうだね。瑠璃も、他の奥さん達も出掛けるなんて無理だと思うよ〉


〈ん。俺、青生兄がいい~♪

 連動するからダメ?〉


〈連動するからこそいいんじゃないかな?

 共倒れなんてさせないからね〉


〈俺もさせにゃ~い♪ でも藤慈兄、いい?〉


〈私は紅火兄様と行きます。

 道具と薬を組み合わせたいのです♪〉

〈ふむ。俺も試したい〉


〈では白久、行こう〉〈おうよ兄貴♪〉



―・―*―・―



「マディア……都では話しておったではないか」


ザブダクルは伏せて動かなくなってしまったマディアを撫でていた。


「マディア、せめて目を開けてはくれぬか?」


マディアの頬に額を押し当てて泣いていると、ズズッと前のめりになった。


「マディア?」動いたのか?


顔を上げると、見るからに幼い青くて丸い瞳が不思議そうに見詰めていた。


〈だぁれ? とーさま、どこ? ここ、どこ?

 もしかしてボク、つかまっちゃった?

 ボク……たべても おいしくありません!〉

大きな瞳が怯え、大粒の涙がポロポロと落ちた。


「食べるなんぞと……」


〈ひとかみさまでしょ?

 ひとかみさま、ケモノつかまえて、たべちゃうんでしょ?

 タシナミで、たべる、するんでしょ?〉


「儂は食べたりなんぞせぬ」


〈とーさま、どこ? ここ、どこ?

 ボクどーして、うごけないの?

 ボクまっくろ……やいたの?

 やっぱり たべるの?〉


ザブダクルが食べる気は無いと答えようとしたその時、マディアが瞬きをした。

開いた瞳はその一瞬で赤黒く変わっていて、感情が全く読み取れなくなっていた。


「マディア?」


『行けばいいんだろ』とでも言っているかのように目を細めてザブダクルを見据え、『乗れ』と乱暴気味に伏せた。


「何処に行こうと言うのだ?」尋ねつつ乗る。


スッと浮き上がって瞬移した先は副都だった。




「マ――」急降下!!



 残っていた副都の半分を三度に分けて破壊し尽くして岩壁の上に戻った。



―◦―



〈どーして? ボク……こわしちゃった……〉


魂の中に淡く見える小さな小さなマディアは、足を前に投げ出してペタンと座り、短い尾で床になっている魂の外殻をペタパタと叩いていた。


〈でも……ボク、ここ? ちゃんと、ここ。

 からだ……アレなぁに?〉


うるうるで呟きながらペタパタペタ――。


ずっと身体から伝わる光景を見ていたが、不意に内に向いたらしく右手を見た。


〈て? あ♪ あかちゃん♪〉


右手はティングレイスと繋いでいた。


〈おきて~♪ あそぼ~♪〉


繋いでいる手を振って起こそうとしつつ、ティングレイスに合わせて人姿になった。


〈あそぼ~♪〉ゆさゆさゆさ♪


〈ん~~~〉


〈おねむ?〉


ティングレイスの目が開いてマディアを捉えた。


〈あ~♪〉

嬉しそうにマディアを引き寄せて抱きついた。

〈おともだち、み~つけた♪〉


 マディアは生まれて半年も経っていない大きさで、ティングレイスは1年半から2年といった大きさだった。


 多くの者達が維持しよう、支えようと、術や命の欠片を与え続けているにも拘わらず、マディアもティングレイスも幼くなり続けている。

元々の年齢は650歳程ティングレイスの方が上なのだが、ザブダクルに術を多く重ねられた為に退行は速かった。



 神は人世生物とは成長速度が違う。

人神と獣神も違う。

身体の大きさ、見た目の成長は似たり寄ったりだが、動作やら魂の成長は全く違っている。


生まれた瞬間から話せるし飛べるし、術も覚えられる獣神に比べ、人神は数年間も全く動けない。

現状の劣化した人神が親であれば20年近くも言葉すらも不十分な状態が続く。


しかしティングレイスの親は劣化していないので、マディアとお喋りを楽しみ始めた。



―・―*―・―



 青マーズと桜マーズは治癒や浄化を当てたり、それら神力を込めた馬ぬいを配ったりしていた。


 補充しようと作業部屋に戻った彩桜は、ふと、動きを止めた。

【ドラグーナ様にゃ~にしてるのぉ?

 寝てないとダメでしょ?】


【そうなんだけどね。

 無理をしてでもマディアを助けたいんだ。

 イーリスタ様から方法が伝わったから試すけど、彩桜は気にせずに動いてね】


【うん……俺もマディア様 助けたい。

 でもぉ、あんまり無理しちゃダメだよ?】


【うん。ありがとう彩桜】



―・―*―・―



 事情を知らなければ幼い子神達が仲良く楽しんでいるのは、ほのぼのとした可愛らしい光景なのだが、妻達は泣きながら詠唱し、命の欠片を込め続けていた。


《やっと繋がった~♪ 大成功~♪》


〈〈え……?〉〉


《エーデちゃん♪》〈あっ、はい!〉

《おっ久~♪》〈イーリスタ様!?〉


《当ったり~♪ シッカリ繋いだからねっ♪

 僕が支えるから泣かないでねっ♪》


〈ありがとうございます!〉


《もひとり、マディアとくっついてるのってマディアのお友達のティングレイス王だよねっ♪

 ん~~~とぉ、身体はマヌルの里なんだ~♪

 マヌルヌヌ様どアップでビックリ~♪

 だったら大丈夫だねっ♪

 僕も支えるからユーチャリス王妃ちゃんも泣いちゃダメだよ~ん♪》


〈イーリスタ様、マディアからもグレイからも見えているのですか?

 月からですよね?

 それにどうして知って……?〉


《エーデちゃんが封じられちゃって、ちょっと後からずっとマディアと話してたからだよ~ん♪

 僕もマディアの父だからね~♪》


〈えっ……?〉


《あとね、月と神世を繋ぐ道は滅されちゃったけど~、人世に繋いだんだ~♪

 だからいろいろ知ってるよ~ん♪

 ドラグーナにも命の欠片の繋ぎ方、ちゃ~んと教えてるからね~♪

 回復したら繋いで支えてくれるよ~ん♪》


〈父様……復活したのですか!?〉

〈あのっ、回復とは?〉


《完全復活~♪

 で、ソッコー大地震パワー吸収しちゃって~、消化するのに寝てるんだ~♪

 と~っても元気だから心配しないでねっ♪》


〈〈はい♪〉〉


《うんうん♪ ちょっと元気になったね~♪

 それじゃ次の作戦――》《イーリスタ様?》

《あ♪ ドラグーナだ~♪》〈〈父様!?〉〉


《繋がったとたんイーリスタ様の声が聞こえて、誰に繋がったんだろうと思いましたよ》


《あはっ♪ 早かったね~♪》


《マディアとグレイを早く支えたくて。

 エーデリリィ、ユーチャリス。

 もう泣かなくていいからね》


〈〈はい、父様♪〉〉

《うんうん♪ でも無理禁だよ~》


《解っていますよ♪》


《解ってても無茶するのがドラグーナだもんね~♪

 ね、シアンスタ達、人世から神世に行かせられる?

 マヌルの里に応援部隊♪》


《そうですね。

 ウンディが張り切っていますから送り込めそうです。

 月も大変でしょうけどお願いします》


《禍は狐達だけでジュ~ブン♪

 すぐに行かせるからヨロシクねっ♪

 ん? テトラクスだけ先に行ったの?

 だって~♪》


《そうですか♪》



―・―*―・―



【彩桜? 何かあった?】


【コッチも手抜きナシするけどドラグーナ様も後押ししたいの】


【ドラグーナ様の魂核は彩桜の中だけど兄弟皆で後押ししているからね。

 ひとりで背負わないでね】

他の兄達からも励ましが伝わる。


【ありがと兄貴達♪】


兄達からの返事を貰って明るさを取り戻した彩桜だった。



―・―*―・―



〈イーリスタ様?〉


《ん? エーデちゃん何かあった?》


〈いえ……静かになったので……〉


《ちゃ~んと支えてるよ♪》


〈ありがとうございます。

 あの……マディアとグレイを食べているのは術なのですか? 呪なのですか?〉


《ちょうど朱雀様に見て頂いてたんだ♪

 古の人神の術。とっくの昔に禁忌になって廃れてる術なんだって。

 老化し易い人神にとっては、ちょっと若返っちゃお~って軽く使ってた術。

 なんだけどね、獣神には禍よりも厄介でジワジワと魂を食べ尽くしちゃうんだ。

 ザブダクルは人神ばかりの中で育った王子様だから知らなかったんだろ~ね。

 若返る時に気絶くらいに深く眠っちゃうから、反抗して暴れると、眠らせたくて使ったんじゃないかと思うんだよね~。

 マディアもグレイくんも強いからフツーの術じゃ眠らないだろ~からね~》


〈打ち消せないのですか?〉


《アミュラ様ならば……って朱雀様は仰ってたよ。

 だから止める方法はあるんだよ。

 希望、持ち続けてね。


 今ね、神世に人世からユーレイ探偵団が行ってるんだって♪

 きっとアミュラ様 見つけ出してくれるよ♪

 だから頑張ろ~ねっ♪》


〈〈はい!〉〉







イーリスタ様とドラグーナ様が支えるようになったのでエーデリリィとユーチャリスには修行する時間もできました。

ほんの少しですけどね。それでも封珠から出なければ術を打ち消すのも反撃するのもできませんので気力復活です。


転んでもただでは起きない――ブッ飛ばされてもただでは戻りません。

異界で貰ったヒントから好転させました。

四獣神様ってやっぱり超神(ちょうじん)様なんですよね。



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