第42話 作戦会議
「んじゃあ、次は具体的にどうやって神官を倒すか考えっか。」
ヤナキの言葉にタカヤは頷く。
「そうだね。………まず、『贄の儀式』の時に神官を狙うのは辞めたほうがいいだろうね。」
「あぁ。コユキも失敗したしな。」
そうして2人は着物姿の少女を思い浮かべる。彼女は『贄の儀式』の時に神官へ刃を向け、反抗をした。しかし、周囲の島民に抑えられて失敗に終わってしまったのだ。故に儀式の瞬間はタイミングとしてよろしくない。
「やるなら昼間になるか。」
「だね。」
「早ぇほうが良いだろうし、明日にでも行くか。」
腕を組んでそんなことを言うヤナキへタカヤは驚く。
「あ、明日!?」
「おぅ。あんな儀式なんざ一日も長引かせたくねぇよ。」
「……………それもそっか。じゃあ、明日の昼、お社に忍び込んで神官を止めに行こう。」
「あぁ。」
作戦がまとまった所で緊張状態にあった張り詰めた空気が緩む。取り敢えず明日の作戦が成功するのを祈るだけだ。
ホッとしたせいか、タカヤは空腹を感じる。どうやらヤナキも同様らしく、何かを探してボケっトを弄る。食べ物でも見つけた彼は握りこぶしを取り出し見せつけてきた。
「食うか?」
「えっと…飴?」
「おう。」
「ありがとう。」
礼をして手のひらの飴を受け取る。やけに子ども向けのそれは口の中に入れた途端、甘ったるさを醸し出す。余程甘いものが好きでなければ好んで食べる味ではないだろう。だが、タカヤは嫌いじゃなかった。
「お前、もっと太ったほうがいいぞ。ちゃんと食ってんのか?」
「………おじさんみたいなこと言うね。ヤナキくん。」
「おじさんか…。最近抜け毛も多いしあながち間違いじゃねぇかもな。」
「そうだったんだ…。」
冗談で言った言葉が思わぬ形で肯定される。つい目線がヤナキの頭に向く。見たところ、彼が言うほど髪の毛が薄いようには思えないが。
「いっそのこと坊主にでもしちまうかな。そうすりゃシャンプーいらずだしな。よし!タカヤ!バリカン貸してくれ!」
「え!?今ここで剃るの!?早くないかな!?」
「?なんでも早ぇ方がいいだろ?」
「か、髪型はもう少し悩んでもいいと思うよ…!」
必死の抑止が講じて、ヤナキは考え直すようにパイプ椅子へ座り直した。タカヤは安堵する。それにしても、彼は何故こうも変に思い切りが良いのだろう。甘ったるい飴玉を口内で転がしてふと思うのだった。




