元凶、来訪
俺は涅槃。訳あって、とうの2番目の子供になった悪魔だ。
今日は、この様になった経緯を話そうと思う。まあ頼まれたから仕方なく、だけどな。
俺も話すの手間なんだ、興味があんなら真面目に聞いてろよ。
あれは今から15年以上前の事。
俺はいつもの様に仕事をサボって天界にある家で寛いでた。
どうして悪魔が天界に居るのかって?前は天使だったんだよ、俺。
ちゃんとこれから話すからそう急かすな。
突然、誰かに俺の家のドアを叩かれたんだ。
(また仕事しろって催促しに来やがったのか…)
俺が気怠げにドアを開けると、そこには見知らぬ神が立ってた。
(は?神がどうして俺の家に?)
正直かなり驚いたが、何とか表情には出さずに済んだよ。
「あのー、神様が俺に何の用ですか?」
「説明は後でしてやろう。黙って2番隊本部に来るのじゃ」
(2番隊…?余計にわかんねーな…)
天使はある程度まで成長したら試験を受け、3つの部隊に分けられる。
武器の扱いに長けているなら1番隊、魔法の適性が高ければ2番隊といった具合にな。
俺はというと、その両方に適さなかった奴等の寄せ集め、3番隊に配属された。
自分の上司以外の神と関わる機会は滅多にねーから、余計に意味が解んなかったわ。
「わかりました、直ぐに準備するんでちょっと待っててください」
俺は何故呼び出されたのか考えながら、外着に着替え、神に連れられて久々に外に出た。
振れる話題もねーし、なかなか気まずい空気だったよ。
(この神、歩くのはえーな…)
妙に速い神に疑問を感じながら歩いてると、2番隊本部が見えてきた。
「あーと…そろそろ何故お呼びになったのかお聞きしても…?」
もう限界だった俺は、中に入って直ぐに神に聞いてみた。
「まったく。自分がやっておいて、何も見当が付かぬのか?」
(まじで知らねーよ…)
暫く外に出てなかったし、急に呼び出されて知ってる事なんてあるかって話だわ。
「まあよい。最近話題になっておることがあるのじゃ。何でも、神に許可も取らずに、地上に降りた者が居るらしくてのう」
「はあ…」
「更に、人間共に嘘を吹き込み、混乱させたのじゃとか」
「それは大変ですね…」
「その犯人がお主じゃと聞いておる」
「…はい?」
俺は一瞬何を言われたのか理解出来なかった。
「そこでじゃ。直ぐに罪を認めるのなら、罰を軽くしてやろうと思うてのう」
どうやら俺は冤罪を掛けられた様だった。