1-4 インストール
「よぉし着いたぞ〜。っても一瞬だけどな」
あたりに広がる見たことのない風景、感じたことの無い空気感。一瞬にしてどこかに移動したことは疑いようが無い。そして見慣れない光る球体が目の前に浮かんでいる。
「ここは?」
「ここは都市カナリヤにある公園だよ。カナリヤへの転移先の候補の中で1番無難だったんでな。着いてすぐだが早速世界の仕組みを取得してもらうぞ」
そう言うと目の前に浮かんでいる光球を指差す。
「これをさわると取得にあたってのチュートリアルが開始されるんだ。最初はシステムからの説明があって、最後にチューターを選んで追加でサポートを受けられるようになってるはずだ。チューターはチューター登録してる実在の人物だから女の子選んだ方がいいぞ?w」
「」
「それじゃ俺はそこのベンチで待ってるからチャッチャと終わらせてこい。」
矢継ぎ早に捲し立てられるとディムおじはベンチに座って自分の端末を操作し出した。このまま絶句してても仕方ないし、えっ〜と、光球にさわるとチュートリアルが開始されるんだっけか。
意を決して光球に近づき両手で掴んだ瞬間止まった世界で自分の感覚だけ動いているような中で自分の意識の中に入り込んでくる何かを感じていた。
《神端末バージョン2611.13、コレヨリ精神インストールヲ開始シマス。了承スルカ意識内デ応答ネガイマス。ナオインストールヲシナカッタ場合今後2度ト取得スルコトハ出来マセン》
(了承します)
ってか精神インストールとか怖すぎだろ!!!!
《神端末プログラムインストールヲ開始シマス。進行度………………、2%………………………3%………………》
《インストール完了マデノアイダニ基本操作方法ノ説明ヲオコナイマス…………》
《…………………、……………………………………………………》
《…………以上デ基本操作ノ説明ヲ完了シマス。現在進行度37%。何カ質問ハアリマスカ?》
まだまだかかりそうなので俺は気になることを質問することにした。
(最初に気になってたんだけど、今この瞬間って時間停止してない?)
《ホトンド止マッテイルヨウナ状態デス。コノ状態デ1年ト現実ノ時間1秒ガ等価トナッテオリマス》
(やばいね…)
《インストールニカカル時間ニハ個人差ガアリマスノデ、コノヨウナ処置トナッテオリマス》
(さっき説明にあったけどこの端末でゲームをすることを通じてあらゆることが可能ってのは?)
《コノ端末デゲームヲプレイシテGPヲ貯メルコトニヨッテ様々ナボーナスヲ取得スル事ガ可能デス。私ハソノ辺ノ説明ヲ行ウ権利ガアリマセン。追加ノ説明ガ必要ナ場合ハコノ後チューターヲ選択シテクダサイ》
(GP?ってのをを貯めればいいのか。これ以上はなんで説明できないの?)
《50万年前ニ開示不可能ナ内容マデ話シテシマッタコトガアリマシテ。ソノ時ニ管理神ニ機能ヲ制限スルアップデートヲサレマシタ。ソノタイミングデチューター機能ガ追加さサレマシタ》
((えっ………、こいつポンコツなのか………。てか50万年前て))
《GPニツイテハチューターノ管轄トナッテオリマス。他ニ何カアリマスカ?》
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《現在進行度100%、インストールヲ完了シマシタ。》
(やっとか〜)
《オツカレサマデシタ。最後ニチューター機能ヲ選択シテ追加ノ説明ヲ受ケルコトガデキマス。選択ハ任意デスガ受ケルコトヲ推奨シテオリマス。ドウナサイマスカ?》
(勿論受けます!)
《デハチューターノリストヲ表示シマス。チューターハ自己推薦デナレルモデスノデ候補トナル人ハ数エキレナイ程存在シマス。ソート機能ヲ駆使シテ自分ニアッタ人物ヲ絞リコミマショウ》
これがディムおじが言ってた奴かと意識内に表示されるチューターのリストを見て思う。(さっきは絶句したが女の子は大好きなので、主にゲームの女の子しか知らないがこの機会を逃す気は無いアルトであった)
名前の隣に付いてる☆が多く付いてるほど評判がいいのだろうか?
そんなことを思いながら女の子・20歳以下などと意識するだけで瞬間的にソートされてリストが一瞬で更新される。マジ半端ないな神端末
ソートを熟練者やランカーなどでも試してみたが、むさいオッサン相手に講義されたくもないし、自分で開拓していくのを楽しみにしていたアルトはソートを戻したのだった
美少女や女の子だけではリストが膨大なので、都市のカナリヤをソートに追加してみるとリストの候補が1つに絞られた。名前はマリベルで17歳、☆の評価は最大の5がついているので悪くはないだろう。
アルトははやる気持ちをおさえてマリベルをチューターとして選ぶと心に決めたのだった。