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1-3

男が目を覚ましたのは小さなアパートの一室だった。

部屋には物が散乱しているが、自身の着衣が洗濯された清潔なものに

替えられている事に気付いた。

しばらくしてから、不良風の少年が入って来て、「なぜ俺がこんな事を」と

悪態をつきながらも彼に食事の手配をしてくれた。

「そうだ、あんた名前は?」

質問に対して男は自分の名前を答えた。

取り立てて特徴のない平凡な名前だ。

その後も二三やり取りを続ける中、マリと杏奈はやって来た。

「お、少しは顔色良くなったんじゃない? ねぇ杏奈」

問い掛けに杏奈は憮然とした表情をしたままで彼に問いかけた。

「あんた、行く所あんの?」

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