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紳士の条件  作者: 織風 羊
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第三章 2  同窓会の夜

よろしくお願いします。



 夜の繁華街は、忘年会、新年会、を越えていつもと変わらない街に戻っている。とある居酒屋の一室では、三人の紳士もどき達が座っている。宝石屋の社長丸山武、耳鼻科医の梅本一義、フリーターの市木清田。三人はもう一人のメンバー町工場の副工場長近藤勇二を待っている。

「なぁ、じーっと待ってるのも何んやさかい、ビールでも飲みながら待てへん?」

と丸山が言うと

「んー、そうだなぁ。それがいいかもしれないね」

と梅本が答えた。

「市木はどうする?」

「皆んなに従う」

「ほな、ビールで乾杯、お先にやらしてもらおうや」

などと喋っているところへ近藤がやって来た。

「ごめんやでー、皆んな。今日はご招待いただきまして、ありがとうございます」

「馬鹿野郎」と心の中で梅宮が呟く。

「ご招待って何んなんだ?」

と市木が不審に思い、声を出す。

「何言うてんねんな、全員がお客さんやないか」

丸山の後について梅本も言う。

「そうだねぇ、ここに呼ばれたと言う意味では私も招待客になるな」

「そうやんか、近藤!ややこしい挨拶するな」

「あ、たけやん!ごめんやでぇ」

などと今宵も街の片隅で酔っ払い達の会話が始まりだす。

丸山武が市木を見て言う、

「お前、その腕時計オシャンティやな、何処で拾てん?」

市木が答えて言う、

「アホか、誰が拾うか!それに其のオシャンってなんだ?時計メーカーの名前か?」

「ちゃうわ、オシャレやな、いう意味や」

「なるほど、今時の言い回しか」

「そやで、ほんならキモい、ってどういう意味か知ってるか?」

「それくらいは知っている」

「自分の事やもんな」

「うるさい!」

うっ、急に何か嫌な思い出が蘇ってきたぞ、あれだ! あの時だ! 梅本の結婚式の2次会だ。そうだ、こいつが要らぬ事を口走ったが為に私の品位が下がる事になってしまったのだ。

何を言われたのかは思い出せない。何で私の品位が辱められたのかも解らない。然しはっきりと思い出せる事が一つだけある。それは此の会話だ。あの時と同じだ。今宵も危うく此奴のペースに乗ってしまうところであった。などと過去を思い出す市木であった。

 などと酔っ払い達の愚にもつかない会話は終わらない。


ありがとうございました。

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