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紳士の条件  作者: 織風 羊
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第三章 1 同窓会  紳士達の同窓会

よろしくお願いします。



 二人の似非紳士が居酒屋の隅で何やら相談している。

「でな、近藤のやつ、まだ関西に居てんねん」

「そうかー、確か、近藤の親父さんは自営業だったよな」

と、先程まで手術室で耳の穴を手術していた男が答える。

「ちゃうちゃう、あいつの親父さんはちっちゃい町工場の工場長や」

と、関西訛りのきつい上等なスーツに身を包んだ紳士もどきが言う。

「そーかー、零細企業で大変なんじゃないか?」

と無責任に耳鼻科医が言う。

「せやねん、それでな、相談があってな、お前を呼んだんや」

何処かズッコケタ感じを身なりで隠しきれない男が言う。

「あーそー、で、相談て?」

関西風イントネーションを含んだ標準語で医者が聞く。

「結局な、同窓会言うても四人しか集まらへんみたいな感じになってきてん。それでな、近藤だけ関西やん。せやしな、ワシ等二人で近藤を招待したろかなって思てんねん。ほら、市木も天涯孤独人や言うてるけど、結局の所、定職についてない単なる風来坊やん。それやったら、ワシ等二人で交通費と宿泊費を払ろたって、招待したろかいなって思うねんけど、どう?」

「うーん、それは良い考えだと思うけど。会費はどうするんだい」

「それは、全員で割り勘の会費制や」

「なるほどー、市木も近藤も会費だけは同額に払ってもらうって事だね」

「せやねん、で、近藤のことは市木には秘密にしといてな。あいつにバレたら、私も近藤の旅費と宿泊費を払うぞ、とか言うてややこしそうやん」

「だなー、確かにそういうところあるよなぁ。でもバレたら、あいつ怒るぞ」

「だからや、近藤にも宴会の場では、この事はすっかり忘れて、茶を濁すようなことは言うなや、って念押ししとこ思うねん」

「そーねー、分かった、賛成だ」

「よっしゃ!決まりやな。ほなら、その段取りで進めていくわ」

「うん、そーだね、よろしく頼むよ」

「任しとき! ワシを誰や思うてんねん」

「宝石屋さんの丸山社長だろ?」

「誰が仕事の話ししてんねん」

「あー、違うかったんだ」

と耳鼻科医の梅本が答えた。


ありがとうございました。

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