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栄光と滅亡のアトランティス -The truth of Atlantis-  作者: 陽向瑠璃
第二章 法話と政治と戦
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第26話 戦闘再開!

 翌日の13時ごろ、巨人たちは驚いていた。

 昼間まで攻めずアトランティス兵を精神的に疲れさせ昼食を、という頃合いに攻めるという作戦が何故だか失敗しているようだったからだ。


「何故だ? 奴らの偵察があるにせよ。臨戦態勢を整え士気も高いようだ。まるで俺たちの攻撃時間を知っているようではないか!」


「昨日は、朝であったため違和感はなかったが、どうも我らが撤退した後からゆっくりと休息をとっていたとか思えん!!」


「そうだ、あの時間なら昨日中に再攻撃の可能性だって充分考えられた。なのに何故、あの小人どもはそれを見抜いていたのか?」


 巨人たちに動揺が起こった。


 指令らしき巨人が、

「し‥‥信じられんが、どうも知っていたとしか思えん体勢で我らを待っていたようだ。このまま国には帰れん。昨日の時点では互角の勝負。奴らの苦手な片手武器部隊が150人も残っている。充分勝てる戦だ。野郎ども! 行くぞ!!」

 の号令と共に怒涛の攻撃が開始された。



「やつら珍しく足が止まっていたぞ。俺たちの配置などを見て驚いたのだろう。これはいけるぞ! アトランティス兵よ。我らは国を守る大切な役割を担っているのだ。勝つぞ!」

 とファーレンが号令をかけ、アトランティス兵も攻めに入る。


『作戦通りならば、きっと勝てる』

 そう思っていた。


「みんな! 勝利の女神に、今日の勝利を捧げるぞ!」

 と付け加える。


「おぉぉ!」

 と皆が答える。士気は高い。

 疲労は残っているが、それでも昨日の戦いから今日の昼前まで休息をとることができた。

 これ以上の贅沢は言っていられない。



「ラム様のことですよね? 勝利の女神って」

 とユリスが茶化してきた。


「さぁ? そんなことより今日は投石に注意よ みんな頑張りましょう!!」

 と誤魔化して、皆に声を掛けた。


「はい。女神様」

 と返事が返ってきた。


「まったく、もう‥‥」

 流石に赤面してしまった。



 先行して突入してきた片手武器部隊が、砦まで近くまで迫ってきた。

 攻撃部隊が作戦通りに迎え撃つ。


 しかし、片手武器部隊の一部が武器を腰に掛けると持ってきた袋から岩を取り出してきた。


『やっぱり、そうきたわね。早々に私たち邪魔者を退けさせようって作戦でしょうけど、そうわいかないわ』


「みんなー。岩で攻撃してくるわよ。射撃は一旦中止していいから、怪我をしないように散って」

 と命令する。


 ドォォォーーーーン!!


 と砦の壁に岩が当たる音がする。

 巨人が投げるのは石とはいえない岩レベルの大きさだった。

 一部が砦の上にいる私たちのところにも当たっていた。

 城壁が砕け散る。


『なんて力なの? でも岩だって、そんなに多く持てないでしょ』

 とは思うが、なかなかどうしていっぱい持ち込んでいようだ。


 所々で岩の破片や城壁の破片が飛んでくる。

 軽装備の私たちでは、当たれば大けがに繋がる。

 緊張の時間が続く、皆を見ていると各隊長が上手に回避方向を伝え攻撃の直撃は避けていた。

 しかし、散った破片での怪我人は出ている。

「キャーーー」

「痛い! 血が出てる~」

 悲鳴があがる。


 地上の兵たちも岩を投げている巨人をターゲットにしてはくれているが、岩を至近距離で投げられ吹っ飛んでいる兵もいて近づけないようだ。

 盾で受けてはいるが、威力が違うのだ。


「なんて馬鹿力なの!?」

 思わず口にでる。


 今は援護どころではないが、片手武器部隊もその分手薄にはなっており時間稼ぎは出来ている。

 その間に、ファーレンたちの主力が両手武器部隊を殲滅させてくれればこの戦は勝ちだ。


「みんなぁー。無理に攻撃しなくていいから、今は攻撃を避けることに専念して! それでも時間稼ぎにはなるわ」

 と声を掛ける。


 負傷者は、砦の中へ収容し応急処置をほどこす。

 幸い軽症者のみで重傷者はでていない。


 30分もすると、流石に岩が少なくなってきたようで私たちへの攻撃が手薄になってきた。


「みんな! 石ころもなくなってきたようだわ。反撃よ! 配置に着き直して!!」

 と指示をする。


『これなら、きっと勝てる!』

 そう思えた。

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