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栄光と滅亡のアトランティス -The truth of Atlantis-  作者: 陽向瑠璃
第二章 法話と政治と戦
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第25話 作戦会議

 その夜、作戦会議が行われた。

 私の配下は飛行船に戻り、食事と休息をとっていた。

 私は5人の各隊長を連れ、作戦会議に参加している。


「本日は、敵を200人ほど倒すことができた。片手武器の200人中、50人をほうむることができた。しかし我が軍も初めての実戦経験者も多いため、150名が亡くなり、250人が重症を負っている。現在、救護班が手当しているが追いついていない」

 とファーレンが発表した。


 続いてクルツが報告する。

「よって、巨人はまだ300人。うち半分は片手武器装備だ。こちらは支援部隊は被害皆無。姫様の支援部隊の除くと我が支援部隊100人と900人の攻撃部隊となっている。正直、互角だ」


 ファーレンから更に、

「巨人たちは海岸線まで引いたが舟では撤退していない。つまり、また攻撃してくるということになる」

 と全員を見て話す。


 そして続けて、

「被害が甚大だ。敵の片手武器持ち150体。これが厄介だ。姫様の支援部隊75人に我が支援部隊100人。正直維持したいが攻撃部隊が3:1のままだ。キツイか我が支援部隊を50人にし、50人は攻撃部隊にシフトする」


「両手武器の残り150人のうち100人は、私たち駐屯部隊が相手をする。あとは攻撃部隊200人で4:1で戦って欲しい。残り450人で片手武器持ちを攻撃、3:1と当初は厳しいが、支援部隊50に姫様の支援部隊75人がいる。何とか倒せなくてもいいから持ちこたえて欲しい。持久戦だ。両手武器を優先的にしできるだけ早く決着をつけ、片手武器持ちへの攻撃にシフト。そうすれば勝てる!」

と作戦を伝えた。


「異論のある者は、意見して欲しい。兵も疲れている。明日は今日のように戦えないだろう。体が重い中で戦闘を強いられる。しかし巨人とて同じ、これだけの人数で攻めてきたのだ、新兵も混じっていた」

 と各隊長に目を配る。


 すると首都からの支援部隊長の1人が手を挙げてた。

 ファーレンが、

「遠慮なく意見をしてくれていい」

 と言うと、

「私はワッツも申します。恐れながら男性支援兵をすべて攻撃部隊に回した方が良いのではないかと思います」

 と意見を述べた。


 ファーレンは、

「私もそれは考えた。本来なら片手1人に1人の支援兵が欲しいくらいなのだ。光銃は撃てば良いというものではなく、相手が攻撃しようとしたとき顔面にあたるから効果を発揮するのだ。だから連発よりタイミングと正確性が重要視される。苦肉の策として男性支援兵を腕の良い50人に絞って、50人であるが攻撃部隊に回した。そうでないと3:1の体制が取れない。実戦経験が不足している兵では3:1でもキツイ。それは承知している。だから敢えて両手武器の奴らを早めに殲滅する作戦を採用した」

 と答えた。


 ワッツが、

「は! そういうことであれば納得いたしました。要は両手武器を殲滅する間は持ちこたえることを重視して戦えば良いのですな」

 と確認すると、


「そういうことだ」

 クルツが返事をした。


「他に意見がある者はいないか?」

 とファーレンが確認するが、手を挙げる者はいなかった。


「それでは、皆も疲れ切っていると思うので解散しよう。明日も9時に配置について欲しい。よろしく頼む」

 と解散を宣言した。


「ちょっと待ってください」

 と私が解散を中止させる。


「姫様、如何しましたか?」

 クルツが問うてきた。


「いえ、作戦についてではありません。明日、巨人が攻めてくる時間を飛行船にいるときにアモン兄さまにお聞きしてきましたのでお伝えしたかったのです」


「おぉ! それはありがたいです。是非、お教えください」

 ファーレンが食いついてきた。


「敵も思いの外、疲れているようで意外にも13時ごろ、つまり昼食を済ませてから仕掛けてくるそうです。それに朝からアトランティス軍を戦場に待機させ続け精神的疲労も狙ってのこととアモン兄さまが教えてくださいました」

 と伝えた。


「そうですか! それでは我が軍も今夜はゆっくり休息をとり明日11時より昼食をとり、12:30に配備につきましょう。では改めて解散」

 と各自が散っていった。


 私たちも飛行船に戻った。

 もう1機にも通信を繋げ、作戦の報告をした。

「みんな疲れたよね。嫌な光景で精神的にダメージを負っていると思うの。でも、踏ん張りところよ。アモン兄さまから”明日決着がついて勝てる”とお聞きしているわ」

 と言うと、歓喜の声が上がった。


「だけど忠告もあったわ。明日は砦上への投石攻撃を仕掛けてくるそうよ。だからみんな隊長の指示をしっかり聞いて逃げてね。みんなで無事に首都に帰りましょうね! それではあとは自由時間ね。早く寝るのよ」

 と言葉を終えた。


 武器の整備は、作戦会議中にするように伝えておいたので終わっていたからだ。

 各隊長にだけ通信を繋ぎ、

「ごめんなさいね。疲れているのに作戦会議に参加させて‥‥。申し訳ないけど武器の確認・調整、バッテリーパックの配布だけしてから寝て頂戴。明日の夜にはお風呂に入りましょうね!」

 と伝えた。


『さて私も武器の点検をしてから寝るとしましょう』

 とさっさと済ませ、各隊長が就寝したことを確認し眠りについた。



 時間を少し戻し海岸線の巨人族はというと、


「チキショー! 片手武器部隊を200人も用意したのに痛み分けか‥‥初戦で快勝しさっさと撤退に持ち込んだが結果、痛み分けとは情けない」


「いや、それでも片手武器部隊の被害は50人だ。大丈夫だ」


「しかし、あの砦の上からの攻撃が鬱陶うっとうしいな。嫌なタイミングに顔面に打ち込んできやがる。あれを何とかしないとな」


「見ていたが全員、女だ。ここは海岸線だ。今夜の内に岩を集めて、明日それで攻撃してやろう」


「おお! それは名案だ。早速、実行しよう」


「ふふふ。女ども、岩で殺してやるぞ。殺せなくても恐怖を植え付け逃げてしまえば良いのだ」

 とアモン兄さまに先読みされているとも知らず、明日の勝利を確信していた。

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