元気系少女から逃げたい!
バーーーン!!
「ヤッホーーー!
ヒーくーん!!
どっかに行こう!!!」
そう言って扉を勝手に開け放してくるのは
元気系少女である
「・・・・どっかってなんだよ」
「どこかはどこかだよ!
遊びに行こう!」
「嫌だ 俺もう布団の中から出ないから」
「え〜 どうして〜?
せっかくの休みなのに〜」
「せっかくの休み?
いや 休みだからこそ
こうやって体を休めることが大事なんだ
そもそもだな
休みの定義っていうのは
遊びに行く日って意味じゃないんだ
休養の日って意味だ
丸山真男さんが描いた『である』ことと『する』ことっていう本中にもだな
『する』価値と『である』価値とのとうさっ」
「・・・・私難しいことワカンなーーーーい!!」
あ〜〜〜〜〜〜〜〜〜れ〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「ハァーーー
ひどい目にあった・・・・」
「でも楽しかったでしょ〜?」
そういう元気系少女は
得意な顔をして満面の笑みである
ーーーーーまぁまぁ
そういた瞬間に笑みはさらに深くなって
口角が空にまで登ってしまっている
それが元気系少女である
「おいおい
口角下げとけよ・・・
飛行機に当たったらどうすんだ・・・」
「あ ごめんごめん!
つい!
じゃあね〜!!」
ハァーーーー
ため息しか出ない
また逃げれなかった・・・
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
バーーーーン
「みんなーー!おはようーーー!!」
バカでかい声で教室に入ってくるのは
元気系少女である
彼女がそういうとクラスのほとんどが
返事を返し周りに集まっていく
彼女はクラスの人気者である
「あ!ちょっとごめんねー!
みんなーちょっと道開けてー!!」
そう言った元気系少女はこちらの席に近づいてくる
「ねぇねぇ!今日なんの日かわかる?」
「・・・あ?わからん
なんの日だ?」
ーーー嘘だ 逃げたい
「むーー
今年は覚えててくれると思ったのにーーー
はい!これ あげる!」
そう言う元気系少女の掌の上には
ピンクのリボンで包まれた茶色の箱
が置いてある
「あ あぁ・・・
なんだこれ?」
「もーー 本当に忘れてるの?
今日はバレンタインでしょ!」
「あ?じゃあ これは」
「そう!チョコレート!
毎年あげてるでしょ!」
「いや 今年は受け取らんぞ
バレンタインはな
チョコレート会社が売上を上げるために
作り出した悪習で・・・」
今年こそは
と、口から高速詠唱を唱えながら
彼女の顔を見ると
目に汗を出していた
これには参った
そっと彼女の掌からモノを受け取る
すると 瞬時に彼女の表情が変わり
口角が教室の天井近くまで登って行く
「ありがとう!」
「いやいや・・・
おいおい 危ないぞ口角!
下げろ下げろ」
「あ ごめんごめん」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
バーーーン
「トリックオアトリート!!」
そう言いながら魔女の格好で
部屋に押し入ってくるのは元気系少女である
「あ?なんだ?」
「お菓子をくれなきゃイタズラしちゃうぞ☆?」
「は?」
「もーー
お菓子くれないのー?」
「なんの真似してんだ?」
ーーー逃げるぞ
「何ってハロウィーンに決まってるジャーン!!
ほら!外行くよ!!」
「ファっ ry)」
「何言ってるのーー!
行くよーーー!!」
無理やり白い布を被せられたのならば
行くしかない
「ちょ!手引っぱんなって!!」
無理やりである
誰がなんと言おうと無理やりらしい
「人混み怖い人混み怖い・・・」
「もーーーまだ言ってるのーー?
楽しかったでしょー?」
「・・・・まぁまぁ」
口角 ry)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「ねぇ〜私たち結婚したほうがいいでしょー?
結婚しよう!?
よしそうしよう!
ここに婚姻書があります!
はいどうぞ!後は印鑑だけ!」
「いや 結婚は」
ーーー逃げたい 逃げたい?
ーーーー本当に?逃げるの?
自然と体が動く
片膝をついて
思い切って
「天美さん!俺と!結婚してください!!」
ふふっ
笑う声が聞こえる
口角はあまり上がっていない
気に入らなかったみたいだ・・・
「よろこんで!!」
ーーえ
声が自然と出る
もう一度彼女の顔をよく見て見ると
口角は天元突破して見えなくなってしまっている
ハロウィーーーン!!
クソガァ!!
コロナでよかったよかった!
あんななんでもない日に外に出る必要ないって!
みんな外にでないほうがいいよ!
人混みとか怖いし・・・ね?