プロローグ
writer:シュレディンガーの猫刄
私立叶慧学園 生徒会室
「ッ……!ククククククックッケケケケケッケケケケ」
窓を打ち付ける雨音に混じり、その、失意からの狂気に取り憑かれた笑いは部屋中に響いていた。
部屋に居るのはこの学園を仕切る生徒会13名であった。
その内の1人──学園の支配者"生徒会長"はこの嵐に落ちた一筋の雷光と共に全てを察したのだった。
現生徒会長は冷静に物事を判断することで名声を得ていたが、今、全てが狂いだした彼女には全てが無意味に見えて仕方がなかった。
やがて笑いを止めた彼女は、残る12名の生徒会員に‐その白い長髪を翻しながら‐一人一人顔を睨み、やがて口を開いた。
「フッ……ククッ
十常侍ィィィィィィ!!私を殺すか!殺すのか?!
……いや、私自ら死へ向かうと言うのかぁぁぁぁぁぁああああァァァァァァ!?!?!?」
もはや絶叫にも似たソレは、2度目の雷光と共にその手に剣を握り、3度目の雷光と共に自ら首を切り落としたのだった………。
彼女の死は次の日には全生徒の耳に及んだ。
最期に遺した一文と共に……。
『我は霊帝……!!我が死を切っ掛けにやがて全ての魂が目覚めるであろう……!!!
さぁ、狂え狂え狂え!!
己の欲望に従い……他者を喰い潰せ!潰せ!つぶせ!ツブせ!ツブセ!ツブセ!ツブセ!ツブセ!ツブセ!ツブセ!ツブセッッッ!!!!』
程なくして新たな生徒会長-少帝と名乗った-が決まり、他生徒会員-十常侍と名乗った-の傀儡となり、生徒達の自由を縛り付け税を取るようになった。
そして、まるでそれを分かっていたかのように──否、霊帝の狂文を聞いた時にもう察していたのだろう……。
かつての三国時代の英雄の名を名乗る生徒達が徒党を組み、生徒会に反旗を翻し始めた……!!
その目的は……自由……平和……正義…………否!それら全てを手にすることができる"生徒会長の座"ただ1つである!!
今、遥かな時を超えて三國志の英雄達が現代に甦る……!!
学園を舞台に生徒達に眠っていた魂は、かつての無念を背負い火花を散らして燃え上がる……!!
さぁ、運命を引きちぎれ!!