〜十一日目〜
writer:みそラーメン
「転校生を紹介します、入ってください」
ざわざわと教室中がざわめき立つ。なんてったって今日は転校生が来るのだ。今日という繰り返しの中に、退屈な日常の中に…それでも確かに何かが変わったのだ。
そう、この子の登場によって…。
「藍音です、宜しくお願いします」
それが転校生の名前だった。
彼女は静かに一礼すると先生に呼ばれた席へと歩いてゆく。窓からの残光が彼女の青い髪の毛に反射して可憐に見える、しかしその割には幼さは感じられず、まさに麗人と呼ぶにふさわしい容姿であった。
「それじゃあ藍音さん、徐庶さんの隣の席に座って下さい」
「はい」
わ、わたしの隣ぃ!?でも確か隣の席は曹操ちゃんだったはず…ってあれ?曹操ちゃんは…?
「では委員長、号令」
先生が委員長と呼ぶとそれに反応して夏侯惇さんが席を立つ、そして号令をかけた。
「きりーつ、れい、きょーつけ!」
副委員長の間違いでは?と不思議に思ったがその後に先生が放った呼び方も委員長であった。そんなわたしの様子を見てか藍音という転校生はわたしの隣でしずかにほくそ笑んでいた。
「藍音…さん?」
「よろしく、徐庶ちゃん。また会えたね」
「えっ…?」
「今日の放課後、例の場所で君を待つ」
彼女がそう言うと同時に授業の始まりを告げる鐘の音が鳴った。わたしは彼女の真意を問いただそうと試みたが今日の授業には雑談などする余裕は無く、思い出した頃にはもう彼女の姿は見られなくなっていた。
休み時間が終わると彼女は戻ってくる。昼休みに彼女が何をしているのかはわたしは知らない。おおかた転校生だからと皆から質問攻めにあっているのだろうがわたしには関係の無いことだ。それにしても「例の場所」とは何処のことだろうか。「藍音」と名乗る彼女の姿は今日初めて見たが、わたしはかつて出逢っているのだろうか?
しかし、不思議な少女だ。
この雰囲気、まるで作りもののようだ。無理して自らの人格を想像し装っているような、とにかくそんな不可思議な様子。
(授業をサボっているわけでもない…さっきの体育の様子だって至って普通だったし、まあ20mシャトルランを121回走ったことには驚かされたけど。って、あれ女子の身体能力じゃないでしょ!まるで周倉先輩みたいな速さだったし)
そうこう考えている内にホームルームは終わってしまった。わたしは彼女に言われたことを思い出し、後を追った。
しかし、彼女が屋上への階段を登る様子を見たのを最後に姿は消えてしまった。
結局、今日の放課後には彼女に会えぬまま帰路へと着いてしまったのだ。頭の中でもやもやが尽きぬまま、ベッドの上に横になり眠りに付こうとする。その時ふと声が聴こえてきたのだ。
『ほら?また逢えたよ』
と。
最近シン・エヴァンゲリオンを見ました。ファンなので面白かったと思えました。




