第12話『東雲に叫ぶ』
writer:シュレディンガーの猫刄
「いやはや、やりすぎてしまったかな?」
「えぇ、やりすぎ……派手なのは嫌いだわ」
「そんなこと言わないでくれよ〜笑
ね、またご飯おごるからさ~^^*」
「ゴハン……(..'﹃'..)」
「そそ!だからまた"腕"頼むよー^^*」
「そうね……私イタ飯が食べたいわ」
「痛飯!?」
「イ タ 飯」
「うぃ」
「それにしても雲午…あなたは自分で腕くらい付けられるようにはならないのかしら?」
「いやいやいやいや!普通はできないからね!?
キミだからできるんだからね?」
「あら、そうだったわ
一般庶民には神の言葉を糸にモノを産むことはできないのよね」
「………自慢かい?」
「冗談よ、冗談
そんなことも理解できないのね
やっぱり一般庶民は可哀想ね」
「むぅ……それより早く頼むよ?ボクの腕」
ボクはいつにも増して上機嫌な……否、彼女とはそこそこ交流があるだけで、とても親しいわけではないし、もっと彼女の内面は喜劇的衝動心子なのかもしれない。
まぁ、そんな彼女に腕の取り付けを頼んでいた。
しかし、彼女からソレを受け取ることは無かった。
なぜならそれは………いや、たかが"一般庶民"のボクにアレをなんと表現すれば良いのか…全く見当も付かなかった。
もし、無理矢理にでも一言例えるのならば…それはもう、"神域"であった。
と言うしかないだろう。
俺は徐庶の瞳に潜む熱い熱い想いを感じ取り、それを信じて先に駆けた!
その先に待つ"彼女"を求めて!
先の戦いで受けた傷がズキズキと痛み始め、気付けば体力ももうなく、地面を手も使って掻いて!蹴って!
体を前へ前へと押し込むようにして進むしか方法がなかった。
そんな無理な体勢のせいか、そこに居た彼女が彼女であることに気付くのに少し時間がかかってしまった。
私はまだ眠い目を擦りながらお師匠様の言うことに従い、とぼとぼ着替えを始めるのだった。
なぜこんな夜中…というか朝になる直前?に起こされたのかわからなかったが、お師匠様の言うことに今まで間違いなどなかったし黙って従うことにしているのだった。
……まぁ、いつもの時間もかなり早い時間に起こされているのであまり変わった気はしなかったがそれでも体は眠気を感じているようで、しきりにあくびが出てしまった。
今日はどうやら早くから出かけるらしい。
私は部屋に掛けてある洋服-特にお気に入りなのが白生地とそれに映えるサスペンダーで吊り上げるスカートだった-を取り、寝巻きを脱ぎ始める。
もう13になったので、さすがにサスペンダーは子供っぽいかと思ったりもしたが、私はあのキュッとした感じが好きだったのだった。
そんな事を思いながら楽しいお散歩を想像していると、襖を開けてお師匠が入ってくる!
「……ぇ!?
お師匠!?覗きですか!?覗きですか!?!?」
急いで半脱ぎになっていた寝巻きを着直す私を見てお師匠────卑弥呼様は、漆黒の長髪を揺らしながら、その手に抱えていたモノを私に差し出す。
これは……巫女服!?
「お師匠!!着替えの覗きどころではなく!こんな時間に!コスプレですか!?」
「……はぁ、貴方はこれのために居るのだし、修行してきたのでしょう?」
「冗談、冗談ですって……!!」
「ちなみに言っておくけれど、私はあなたのようなロリィには興味無いわよ」
「ガーーン!!ロリィ!?私ロリィですか!?!?」
「えぇ、貴方はロリィね、間違いなく」
「ちょっとは成長したとおもうんだけどなぁ……」
「いえ、ロリィね、どこも変わらないわ」
「( ´・ω・`)」
まぁ……たしかに……お師匠様と較べたら…
胸とか身長とか胸とか大人の雰囲気とか胸とか落ち着きとか胸が足りてないような気も……しなくもなくもなくもないけれど………!!
というか……私と5歳も変わらないくらいの人にロリィとか言われたくないんですけど…………!!
「ぇっと……お師匠様?」
「何かしら?」
「…………襦袢ってどうやって着るんでしたっけ?」
「まだそんな事も覚えてないの?」
「……毎日毎日神社でも無いのにミコミコしてるお師匠様とは違って、私は平然な女の子ですからね!!!!」
「平然………ね?」
「……胸を見ながら言わないでください(-_-)」
「まぁ、所詮は小学生ねε-(´-`*)」
「中等部ですよ中等部!
もう13歳!!」
「どれだけつま先立ちをしても貴方はロリィなのよ、諦めなさい
今度から詰め物もする事ね」
「くそっくそっ……!!
…………じゃなくて!!!!
襦袢をですね……」
「…着せて欲しいのかしら?
ドキドキイベント??」
「むがーーー!!!!」
俺はかつての生で受けた屈辱を忘れたりなどはしない!
曹操孟徳!!必ずその首を取る!!
俺は機を狙い、闇に溶けるのだった。
しかしもう日が闇を照らし始めているこの事象が、全てに決着が付けられようとしていると暗示しているのだと感じ、ゾワゾワと心の底で何かが蠢くのを全身で悟った。
俺もいよいよ動く時が来たか!!
数千という兵の声が俺の肩に降り注いでいるような気がした。
私が彼女に戯れ言を紡いでいると、突如としてその気配は背筋をかけ登った!
それは誰もが普段感じ、普通でありすぎた為に意識して認知することを忘れたれた気配……それが、私の背後に現れたのだった……日の出と共に!!
私は咄嗟に振り返る!!
見上げる丘の上に輝く陽光…そこに2つの影が捉えられる!
「太陽の巫女……!!!!」
私の知り得る限り、おそらく間違いないだろう……。
邪馬台国女王卑弥呼!そしてその後継者壱与!
背筋を冷えた汗がなぞった。
彼女の事を認識した瞬間全身に脱力感が押し寄せてきたが、それらを全て弾き飛ばして俺はすかさず彼女のを名前を叫ぶ!!
「──────雲長!!!!」




