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王子が周りの目があるときは冷たいのに、二人だけの時はやさしい(5)
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「す、す・・・」
「リオン王子さまーっつーー!!」
執事の「クロロ」だ。
「このようなところでいったい何を」
「何もしとらん。cookのつまらんたわ言に耳を貸していただけだ」
えっ。たわ言って?!
「して、たわ言とは?」
「この者が、話を聞いてくれと言うので、耳を貸せば、何のことはない。金品の無心であったわ」
そ、そんなこと。
「何とも無礼なcook。しかるべき罪に問わねば」
「もうよい。余もよき気休めになったわ。おとがめなしでよろしい」
「ハハー。・・・感謝せいよ、娘。王子の寛大な お計らいに」
「はい」
私は、とりあえず返事だけはした。
そして王子と執事の去り行く背中を、呆然と眺める。
それにしても、・・・
王子が周りの目があるときは冷たいのに、二人だけの時はやさしい
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