表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

88/102

お兄さんは、名前を「マイロ」と名乗った。読み書きができない私に、親身になって読み書きと計算を教えてくれた。

「トール。君に夢はあるかい?」

「夢」

「そうさ。生きていく上でとても大事なことなんだよ」

「そうなの。あたいは飢えなければ。食べていけさえすればそれでいい」

「トール。僕たちは人間だよ。ただご飯を食べて排泄するだけだったら、それは理性のない本能のままに生きる動物と一緒じゃないか。君には理性はないのかい。将来こうなりたいっていう夢はないのかい?」

「あたいには……ない」

「焦ることはないんだよ。それに今までそんなことを考えられないくらい大変な思いをしてきたのだから」

「うん……」

 そう頷いてはみたものの、トールには夢がなんなのか、いまいちよくわからない。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ