王子が周りの目があるときは冷たいのに、二人だけの時はやさしい(4)
読んでいただきありがとうございます。
「王子様は外出しております」
「あの、どちらへ」
「そのような事、お前ごときcookに伝える義務はござらんっ!」
一蹴された。
リオン王子・・・いったいいずこへ。
私は、あてもなく中庭に出た。人影がある。
あっ!リオン王子様だ。
私は、緊張して側に近付いた。
「リオン王子様」
「おっ、プローリアではないか。今日は休みか」
「いえ。料理長に言って午後からにしてもらいました」
「そうか。それでどうしたのだ。このようなところに突然」
なぜかやさしい。いつもの素っ気ない態度とは大違い。
何なの、この人。
それで私の中の心に、「小さな勇気」が芽生えた。
「料理長から聞きました。私の事、口添えしてくれたって」
「ああ。その事か」
「あの、その、本当にありがとうございました」
「よい、よい」
「でも、どうして?」
ここで終わってもいいのに私は、「勇気の力」を借りた。
「・・・助けてあげたくて。お前の事 見てると、どうしても助けてあげたくなって・・・」
「そんなこと・・・」
「守ってあげたくなるんだ」
クぁーう。
城内では、私に対して素っ気ないくせに。
「す、す・・・」
「な、何ですか。王子」
「す、す・・・」
リオン王子。・・・その、言葉を聞いたら私、もう戻れない。
(続く)
今回の話は、全5話です。
続く