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「見てください。試作品第1号です」
そう言って出された料理は、「スープカレー」。中国料理では到底 考えれないものであった。
「なんじゃ。これは?!」
「『スープカレー』でございます」
「なに?!スープカレーとな」
「はい。中国薬膳料理によく使われる『スープ』と西洋料理『カレーライス』を融合させました。スープには椎茸・大根・ほうれん草・かぼちゃ・なす・れんこん・ピーマン・パプリカ・ブロッコリーが入っております。これは到底カレーライスには考えられない材料です」
「うむ。それで?」
「一方、カレーには、生姜・にんにく・鶏肉・人参・たまねぎ・じゃが芋が入っています。この二つをそれぞれ作り混ぜ合わせ、スープ料理とすることで、到底カレーライスとしては成立しない材料を食していただけることに成功しました」
「なるほどのう」
「ちなみに、生薬には、棗・クコの実・松の実・八角・蓮の実・桂皮が入っております。師匠の教えに則って。これらは食材の効能を引き立てております」
「食べてよいのか」
「はい。どうぞ召し上がれ」
決してただ単に料理に漢方薬を入れただけでない、見事な味がそこにはあった。
「うまい。見事じゃ」
「ありがとうございます。トワカ師匠」
トワカは感服した。
「西洋料理と薬膳料理の融合です。これぞ私の目指す新境地『和洋折衷薬膳』です」
そういって満面の笑顔を見せるエメラルダを見て、トワカは思う。「世代交代」……新しい時代の幕開けだ、と。




