65/102
7
「トール。足の具合はどう?」
ソシアがトールに話しかけている。相変わらずトールの態度はそっけないけれど。
「プローリア。これからどうするの?」
ジェシカだった。珍しく不安そうな顔でプローリアを見る。それはそうだ。彼女だって女の子なのだ。こんな山奥で先行き不安だろう。風呂に入りたいだろうし、おいしいものだって食べたいだろう。でも、
「うん。もう少し粘ってみようと思う」
「そうか。じゃあ、今日はここに泊まりだな」
ジェシカが渋々といった感じで言った。
(ごめんね。ジェシカ。私、もう後には引けないの)




