王子が周りの目があるときは冷たいのに、二人だけの時はやさしい(1)
読んでいただきありがとうございます。
みなさん聞いてください。
な、なんと明日、昇給試験があるんです。
私は、この日のために一生懸命仕事で学んできたことを復習しました。
調理場補助と配膳の、イロハを。
明日に備えて今日は、ゆっくり眠ります。
「みなさん。お休みなさい」
そして迎えた今日。
友達「ジュエッタ」が、出勤してこないので、心配になった私は、ジュエッタの部屋へ。
ジュエッタが倒れていた。
「ちょっとジュエッタ」
今、ジュエッタはベッドに横になっている。額に濡れタオルを当ててある。
汗もかいていたので、着替えさせた。
きっと日頃の疲労とプレッシャーで、押し潰されてしまったのだろう。
「・・・プローリア」
「気付いた?ジュエッタ」
「私、どうして?」
「もう大丈夫。きっと疲れがたまっていたのよ。もう大丈夫だから」
「ありがとう。世話かけっぱなしだね、私」
「いいのよ、そんなこと」
額のタオルを変えようとしたら、
「あっ、昇給試験」
「あっ」
ジュエッタに言われて、私は、あわてふためくも時すでに遅し。
時計を見れば、すでに開始時間をゆうに2時間過ぎている。
「あちゃー、私ってばドジ」
そんな私をジュエッタは心配そうに見つめる。
(続く)
今回の話は、全5話です。
続く