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母のてがかり

 男から授かった笛を吹いたら、白い馬が走ってきた。

「おーよしよし。お前が友だち」

 きっとよく主人に飼いならされたのだろう。人懐こい。馬の背に手紙がつけてある。取って読む。



「プローリア様へ。

 私はさるお方に頼まれて、あなたをお守りするように頼まれていました。このような形でお会いすることを、とても心苦しく思います。私はさるお方に大変お世話になりました。その恩返しをもっと別の形で、と常々思っておりましたが願い叶わず、めんぼく次第もございません。どうか貴女様が、これからも美しく邁進なさいますことを心の底よりお祈り申し上げております。

 馬は、白凰はくおうといいます。仲良くしてあげてください。

イザイラ」



 さるお方とは、……もしかして?!私はもときた道を戻ろうとした。(?!)手を掴まれた。

「待ちなさい」

「離してください。私、確認したいことがあるんです。あの人に私のおかあさんのことを!」

「バチンっ!」……叩かれた。その場所を押さえ、キリッと睨み付ける。

「馬鹿者が。ここでお前が戻ったら、何のために『イザイラ』は命を賭けて我らを助けたのだ。その行為を無にするつもりか」

「わかっています。でも母の手がかりなんです。私のたった一人の母の……」

「生きていれば必ずチャンスはある。今は生き延びることだけ考えなさい。それはそなたの母もイザイラも望んでいることなのだぞ」

「……はい。よくわかりました」

「よし。行くぞ」

 私は王とともに夜明けの草原を走り出した。私は思う。白凰の背中は、あたたかい。

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