ハッピーバースデー
みなさん聞いてください。
ここだけのお話ですよ。
な、なんと今日は私の誕生日なんです。
きゃーっ!!
言っちゃった。
昨日は厨房のスタッフから手厚いもてなしを受けました。
「花束」に「髪飾り」に、特製バースデーケーキ。私がイチゴ好きなのを知ってか、「野いちご」のショートケーキ。
「どう?美味しそうでしょう。私がわざわざアンタのために、森に行って摘んできたのよ。もうっ大変だったんだから」
そう言うこの生意気そうな女の子は、「ジュエッタ」。私の同期で良き遊び仲間だ。
「ありがとう。ジュエッタ」
そう私が言うと、ジュエッタは鼻の下をこすって、「テヘヘ」と照れ笑いをした。
そして今日。
私は、今、城下町の中央公園の噴水広場前にいる。
えっ?
なぜかって?
ウフフ。私ね。手紙をもらったんです。
しかも匿名で。
そこにはこう書いてありました。
「明日は貴女の誕生日だと聞いて是非お祝いがしたくこの手紙を書きました。
迷惑でなければ、中央公園の噴水広場前で12時に」
・・・ですって。
ウフフ。わたくし、こんな風に手紙をもらったことなんてないものですからうれしくって。
「プローリア」
「はい、なんですの」
後ろから声をかけられて私は勢いよく振り向いた。
「・・・」
「え?!」
「え?(相手)」
「え!!」
「ええーー」
「ええーー!!」
そこにはリオン王子が立っていた。しかもおめかししてイケメンさが、さらに際立ったイケメンさで。
「お、王子様。どうしてここへ」
「君が今日 誕生日だと聞いていてもたってもいられなくなってね。良かったらお祝いさせてくれないかな」
「・・・・・・」
あまりの事に開いた口が塞がらない。パクパク。
「迷惑だったかな?」
「いえ。迷惑なんかじゃないです、決して」
「そう。なら良かった」
クぁーう。
こんな事になるなら、もうちょっと私、ましな格好してくるんだった。
王子と比べると、なんとも私、みすぼらしい。
「あの~、お気持ちは大変うれしいのでありますが、その、なんといいますか、私、このようなご格好ですし・・・」
私は、テンパって、敬語とタメ語が入り交じったなんとも、ブ格好な言葉づかいになる。
「なんだ。そんなことか。気にするな」
と、言われて手を引っ張られて、グイグイと、私を先導する。
「あ、あのちょっと、どこへ?」
「いいから、黙ってついてくるのだ」
そこには青春の甘酸っぱい匂いがした。
私と、「リオン」王子様は今、ブティックショップにいる。
「これはこれは「リオン王子」様。毎度ごひいきにさせていただいております」
「苦しゅうない。おもてを挙げよ、「サイコック」」
リオン様が、懐から白い布袋を出した。ズッシリとしている。
多分 金貨がたくさん入っているのだろう。
さすが、金持ちっ。頭が高い、控えろーっ!
「この者にドレスを仕立ててやってほしい。わかっているな。一張羅で頼むぞ」
「はい。心得ましてございます」
王子様は、サイコックに、袋から取り出した金貨を何枚か渡した。
サイコックが手を、「パンパン」と、叩くと、奥から貴婦人が二人出てきて、私を奥の間へと誘導する。
私は、メジャーを持った女性たちに体の隅々まで測られた。
何だか人形のように扱われて私は何だかしかめっ面。
たくさんの布をあてがわれて、
ミシンの音がして・・・。
その間、見たことのないお菓子と飲んだことのない飲み物で私は幸せを噛みしめ。
「これとこれ。なんという食べ物と飲み物 何ですか?」
「「マカロン」と「ダージリンティー」ですわ」
貴婦人たちに諭される。
しばらくして。
「さあ、出来上がりましたわ」
更衣室のカーテンを、「シャー」と、勢いよく開けられ、私はリオン王子の前にその姿を顕わにした。
「おやおや、これはまた」
サイコックがうなる。
「・・・・・・」
王子は何も言わない。
黙っているリオン王子を見ていたら不安になって、口から、ぽろっと出た。
「私 きれい?」
「ああとても。この上なく格別に」
リオン王子が私に近づいてきた。
私は、ドキリと、する。
距離が近い。
なに、何なの?!
ドキドキ
言いたいことがあるならハッキリと言ってよ、もうっ。
目と目が合った。
見つめ合う。
ドキドキが高鳴る。
「ハッピーバースデー ディア プローリア」
えっ。え、えっつ!
「・・・どうもありがとう・・・ございます」
その言葉を聞いて、私のほっぺたが真っ赤になったことはいうまでもない。




