絶対絶命?!恋のトライアングル(7)
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「パシュ、スルルル」
私のブラの接合部の紐が切れた。ブラが垂れ下がったけど、かろうじて、胸部は見えない。
でもあと多分10秒で外れる。
それでも私は、微動だにしない。
「何故、そこまでする?」
「大切な人だから」
8秒
「あの料理長がか?」
「そう。私の命を救ってくれた大切な恩人だから」
6、5秒。
「そうか」
「守りたいの。今度は私が守りたいの」
4、3秒
あと3秒でブラがずり落ちる。
私の大事なところが、この男の前で露になる。
あれ、何だろう?
足が濡れて、自分が涙を流しているんだとわかった。
2秒
1秒。
あ、取れる。
「もうよい。わかった。俺の負けだ」
王子がタオルケットを私に投げた。
「すまなかった。この通りだ。許してほしい」
「なんで?」
「俺と兄さんは、異父兄妹なんだ。だから実はそんなに仲は良くない」
「そうだったの」
「お前と兄さんが。そして今、お前と料理長との固い絆が心底羨ましい」
「そんなこと」
「いや・・・正直憧れる」
「ありがとう」
「いや、礼を言わなきゃいけないのは俺の方さ。気付かせてくれた。何が大切なのかということを。ありがとう。それに・・・」
「何?」
「早く服を着てほしい。さすがの俺もこのままだとヤバい!」
・・・えっ、
・・・・あ、
っやだっっ、
もうっっ!!
私は、急いで服を着てその場から立ち去ったことはいうまでもない。
(おわり)
続く




