絶対絶命?!恋のトライアングル(2)
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ジュエッタと二人で、ダルス王子のいる客室に行く。
ノックすると、バスローブ姿で現れた。
あら、食中毒のゲストを看病するのに、バスローブ姿ですか?
「何事だ」
「ダルス王子様。食中毒の原因と思われる「カボチャのポタージュ」を清掃していたところ、肝心のカボチャは手付かずでした。食べていないことがみえみえです。本当のことを教えてください」
私は、詰め寄った。
「知らん。何の事を言っているのか私には皆目 見当もつかん」
「なぜ、こんなにひどいことを。もしかしたら料理長は今回の事で解任になってしまうかも知れないんですよ」
「そうか。それは悪いことをしたな」
「どういう意味です?」
「お前が首になれば良かったのに、よ」
「ひどい。私、王妃様に抗議します」
「勝手にしろ。cookごときの話を、母上が取り合うとでも思うのか。ま、証拠でもあれば別だがな」
クッ。その通りだった。言い返す言葉もない。
「残念だったな。いつもお前の事を助けてくれる「白馬の王子」様はここにはいない。今、この国の全権を握っているのはこの俺。わかるかっ!支配者なんだよ」
「・・・・・・」
「わかったら、早く立ち去れ。今、俺様は、見ての通り、・・・フッ。「お取り込み中」なんだよ」
「・・・はい」
「それとな。夕食の配膳は清掃し終わった俺の部屋に持って来い。プローリアお前一人で来るんだ。いいな?」
「そんな。ダルス王子様、あんまりです」
「黙ってろ、ジュエッタ。お前まで俺に逆らうのか」
「いえ。めっそうもございません」
「それにな、この女はわかってるはずだ。どうすれば、料理長が解任せずに済むのか。その方法をなっ」
「はい。かしこまりましてございます」
高笑いしながら、扉を閉められた。
悔しくて私は、大粒の涙を、ポトリポトリと流していた。
(続く)
今回の話は、全7話です。
続く