絶対絶命?!恋のトライアングル(1)
読んでいただきありがとうございます
「はー」
みなさんお久しぶりです。実は、今日は私、ちょっとナイーブなんです。
と、いうのも、第1王子 リオン王子様が、国王様と隣国への視察。
税金徴収率が毎年90%以上。その内政のやり方を勉強しに行くんですって。次期 国王として期待されている証拠です。
そのあいだ国のことを任されているのが、第2王子「ダルス」様。
ダルス様といえば、女ぐせの悪さで有名なお方。
私も危うく貞操の危機を、リオン王子様に守っていただいたんでしたっけ。
あの日の事 思い出すだけで、ぞっと、しますわ。(お触書3 参照)
はー。あのダルス様が国を任されるだなんて。
はっきり言って、何か事件が起きそうな予感がします。
あー、早く帰ってきて。国王様。リオン様!
そうして仕事中の事です。
調理場の休憩室では、ダルス王子の事でひときわ話題が持ち上がっています。
cookが、配膳に行くと毎日、違う女性が部屋にいるらしいんです。
まったくお盛んな事。
そして、事件は起こったのです。
この日、私たちcookは、朝食の配膳を終えて、昼食の下ごしらえをしておりました。
すると、王妃様から、召集命令がかかったのです。
全ての調理場の人間は、何事かと、王の間に集まりました。
「よく聞け、お前たち」
私たちはひざまづく。
「こたび、ダルス王子がお迎えしておるゲストが朝食のスープを食べ、食中毒を起こした」
「?!」
一同がやがや。
料理長が口を開く。
「まってください。私どもの調理場に限って、そのような・・・」
「だまらっしゃい」
王妃の罵声が、部屋中にとどろいた。
「現にゲストの女性は、安静状態だ。「スープ担当」よ。これへ」
私は、王妃様の前へ行く。
「お前、名は?」
「プローリアです」
「その方、自分がいかに重大な過ちをしたか、わかっておろうな?」
「ま、まってください」
「何じゃ、料理長」
「その娘はまだ入ったばかりの新人なのです。責任は全ての責任を統べるこの私目にあります」
「第2王子のゲスト様ともなれば、万が一の場合、そなたいったいどう責任をとるつもりじゃ。すみませんでした、等という謝罪だけではすまされんぞ」
「・・・わかっております」
「どうわかっておるのじゃ?」
「この首 差し出す所存です」
「そんな、料理長ー!」
私は、声をあらげた。
「ウム。よいじゃろう。副料理長「ザバン」よ」
「はい」
「これより全指揮権をそなたに任命する」
「ハハー。ありがたき幸せ」
そして私たちはその場を退出する。
なっとくのいかない私は、ジュエッタとダルス王子の部屋へ。
床に転がった朝食をかたす。
「スープを飲んでいる最中に、食中毒を起こして、ひっくり返したのね」
ジュエッタの言葉を聞きながら、今日の献立だった「カボチャのポタージュ」をかたす。
「ありえないわ。私たちの衛生管理は完璧だった」
「そうね。でも人間だもの。何か細かな落ち度があったのよ」
転がったカボチャをつかみながら、異変に気付く。
「あれ?」
「どうしたの?プローリア」
「見て、ジュエッタ。このカボチャ、かじったあとなんてないじゃない」
「あ、ホントだ。でも、どういうこと?」
「簡単なこと。食べてもないのにひっくり返したのよ」
「どうしてそんなこと」
あのペテン師王子め!
私は、腸煮え繰り返る。
(続く)
今回の話は、全7話です。
続く