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その5 憂鬱

カミールお兄様へ会いに行くことはお兄様の母親であるクリスティー叔母様からも「是非おいで」と言われたのでお父様もすんなり許してくれた

私のお母様の妹がカミールお兄様の母にあたるクリスティー叔母様、つまりはカミールと私は従兄妹なのだが私は伯爵令嬢で彼は公爵家の跡取りという身分の差があるのだ。


伯爵令嬢だったクリスティー叔母様に公爵様が一目惚れして婚姻を申し込み結婚した正にシンデレラストーリー!年頃の令嬢たちはみんなそんな結婚がしたいと夢を見るのだ。

カミールお兄様は頭も良いし何より攻略対象キャラなだけあって美しい「のに」婚約者がいないから令嬢達がほっておかない。


「お嬢様、どうかなされましたか?」


メルの急な問いかけに思わず固まってしまう。

馬車での長旅はあまり得意ではないし考え事をしていないと退屈で仕方がないのだが移り行く景色を楽しみたい気持ちもありただぼぅっと外を眺めているだけに見えたのだろう


「いいえ、なんでもありませんわ。少し考え事をしていましたの」


こんなに憂鬱になりながらお兄様の屋敷へ行くのは初めてでどうしたらいいかわからない。なにより大好きなゲームキャラを目の前にして落ち着いていられるだろうか?メルを直視するのだって緊張してしまうのに。


「…お嬢様、ご覧ください。お嬢様のお好きな景色ですよ」


メルに言われて改めて外を見ると綺麗な海が見えた。

そうだ、カミールお兄様のお屋敷は海の近くで私はいつもこの景色を見るのを楽しみにしていたんだ。

うん、とっても綺麗で心が落ち着くようだわ!自然とワクワクしてきて口角も上がってしまう。


「ありがとうメル、気を使ってくださったのですね」


「いいえ、お元気になられたようで何よりです。もう着きますね」


あぁ、いよいよカミールお兄様と対面するんだわ。どうしよういきなり嫌われてたら、ううん寧ろ嫌われている可能性の方が高いんだ私は悪役令嬢なのだから

ヒロインと出会う前からユーフィリアを良く思っていなかったカミール、敵になろうというなら全力で恋愛を応援し続けるしかない。


せめて悪役令嬢らしく堂々としていよう。今はもう私がユーフィリア・アティベルトなのだから


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