その4 ヒロイン
ヒロイン【ノエル・オリヴィエ】
女神の加護を一身に受ける少女で庶民だっだが男爵家の令嬢だと判明し学院に入学してくる。
性格は優しく見た目もそれはそれは可愛らしい女の子で亜麻色の髪が特徴的だ
最終的には最愛の相手と結ばれて幸せに暮らす、というハッピーエンドを迎える
乙女ゲームによくある普通に見えるけどめちゃくちゃすごい能力を持っているというタイプで性格は天然、他者からの愛情にとても疎いがそんなとこすら愛されるのがヒロインだ。
彼女に関しては入学直前になってその事がわかるからまだ情報を手に入れることは出来なかったが他のキャラ達は実在するらしく既にノアとカミールは1年先に学院に入学しているという。
原作のゲームではカミールは従姉妹であるユーフィリアを我儘娘と嫌っていたが私とカミールは別段仲が悪くはない。勉強を教わったりとむしろ仲が良いくらいだが仕方なしに付き合ってくれている可能性も捨てきれはしないから注意はしておこう。
「カミールお兄様は春休みを利用して家に戻っていらっしゃるわよね?」
「ええ、カミール様はお屋敷に戻られております」
「なら行きますわよメル」
「……どこにでしょうか?」
「カミールお兄様に会いに行くに決まっていますわ!」
直接会って話をして我儘娘ではないと思われればいい!そう考えた結果会いに行くに辿り着いたのだ。
適当に学院の事が聞きたくて〜と理由づけしてお父様達にお願いすればいい
「しかしお嬢様とカミール様は大変仲がよろしいのに嫌ったりするとは思えませんが…」
「いいえ、ゲーム通りに進むように軌道修正が入るかもしれませんもの」
「なるほど、では旦那様にお嬢様がカミール様に会いたがっていると伝えておきます」
「ありがとうメル!それからもう一つお願いがありますの!」
メルに頼んだもう一つのお願いそれはこのゲームに出てくるお菓子を買いに街へ連れ出してもらう事だった
主人公が食べている焼菓子なのだが庶民向けのもので令嬢として育ってきたので未だ食べた事がなかったのだ
どうせ学院に入ってしまったら買い食いなんて出来ないもの今しかない!と屋敷を出てきた
「みてくださいませ!アレゲームで見ましたわ!」
「お嬢様、お静かに。旦那様達に内緒で出てきたのですから」
「ご、ごめんなさい。あまりに楽しくて…」
記憶が戻る前は普通の令嬢として勝手に屋敷から出て街へ出かけるなんて事はしなかった
基本的には友人も貴族だし街ではなく一緒にお茶会とか刺繍だのをしていたのだ
街に出かけてくるのは初めてでアレコレ見ようとついウロウロしてしまいメルに迷惑をかけてしまう
「なら、私なんかが恐れ多いですが御手を」
メルがこちらに手を差し出してきたので少し躊躇ったがメルだしなと手を握り返した
メルのお陰で食べたかったお菓子も買え無事に屋敷へ戻るとメイド長が仁王立ちしておりメルと二人、少し怒られた