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第五話 シンデレラ、魔眼を手に入れる

「『魔力と禁忌』?なんだこれ」

叔父さまの部屋で見つけた、いかにも怪しそうな本。

「魔力について知りたいけどさ、こんな怪しげな本なんて・・・開くはずが・・・ない・・・訳あるか!!」

こんな怪しげなもの、私の好奇心が沸きまくるわ!

『好奇心小僧』の名前はだてじゃないっ!!


「さっそく開いて・・・って、開かないじゃ無い」

本は固く閉じられていて、3歳児の力じゃびくともしない。

しょうがない、諦めるか・・・と思った瞬間、目に突き刺さるような痛みがおそってきた。


「ぐっ・・・。なにこれ」

幸い、痛みはすぐにひいたものの、目には違和感があった。

「鏡、鏡はどこ・・・?」

とにかく、今の自分の目をみようと鏡を探していると、散乱した本の中に手鏡を見つけた。

「あった・・・。って、なにこれ」


私の両目は紫色から、赤色に変色していたのだ。

「うわ、何これ」

鏡をじっと見つめていると、スウッと赤みがひいて、いつもの紫色に戻っていた。

あっけに取られていると、叔父さまが「エラ?どこだい?」と呼んでいる声が聞こえた。

「はーい」

取りあえず、叔父さまの所に行かなければ、と私は立ち上がった。


   ♢♢♢


あの後、叔父さまからは最初の目的であった、『私をおとなしくさせて、お母さまについて納得させる』を達成すべく懇切丁寧に、魔術とこの世界の治癒方法について教えてくれた。

そこで、わかったことがある。


そう、この世界には抗生物質や普通の飲み薬、外科施術がない。

あったとしても、使い物にならない程度の小規模なものであるということを・・・。


しかし、私はそんなことよりも、衝撃的なことに直面していた。

「公式では、エラに魔眼があったよね・・・」

説明しよう。前回、私はエラの魔力属性がわからないと言っていたが、よくよく考えてみると、エラに魔力は無いのだ。


正しく言うと、エラには魔法が使えない。

その変わりとしてなのか、エラは『魔眼持ち』であったのだ。

『魔眼』とは、魔力が押し固まり、その力が目に集まってしまう、いわば病名のようなものなのだが、だいたいの人は魔眼病にかかると死んでしまう、もしくは一生目が見えなくなる、ということになる。


私の場合、前世の記憶を思い出した時にかかっていたらしい。しかし奇跡的に生き残り、失明もすることが無かったのだが・・・。どうやら、力を目が吸収してしまったらしい。

その場合の事例は無かったのだが、今の私は異常なエネルギーのすべてが目に集まっている状態らしい。

説明を聞いていて思ったのだが、これ、結構やばい状態じゃね?と・・・


「お、叔父さま?私、これからどうなるのでしょうか」

しどろもどろになりつつも、言うことができたが、叔父さまは腕を組み、

「うーん。それが僕にもわからないんだな」


あっ、いざとなれば目をくりぬくっていうこともありだよ!!と言ってくださったが、冗談抜きでやめてほしい。こっちは深刻な状態なんだ。

「目が赤いまんま、ということは・・・」

「あり得るかもね!!」


うそおおお!!!本気で笑えねえよ!おい、神様!!どうにかしてえ!!!!


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