夜会2
更新遅くなってすみません…
m(。≧ _ ≦。)mス、スイマセーン
いつもの場所。
壁の花になるため、壁際に二人で足早に行くと既に先客がいた。壁際に佇んでいる二つの人影はクリスティナとノエルが近づくとすぐに気づき、ティナ達の方へ視線を向ける。
「まぁ!ティナ様にノエル様!御機嫌よう、お二人にお会いできて嬉しいですわ。」
満面の笑みで話しかけてきた少女はジュリア・クロフォード・ブランデル。ブランデル伯爵家の一人娘で、くりりとした大きな翡翠色の瞳が特徴的な可愛らしい少女で緩くカールしたストロベリーブロンドの髪を綺麗に結い上げている。
「本当に。四人揃うのは久しぶりね。」
淡く控えめに微笑む彼女はミラ・ブロード・カールソン。透き通るような琥珀色の瞳にアッシュブロンドの真っ直ぐな髪をハーフアップにしている。
「そうね。最近はティナの夜会の出席率がかなり低かったもの。ようやく四人で話せて私嬉しいわ。」
ノエルが嬉しそうな笑顔を向ける。
ティナは心の中で夜会に全然出席しなかったことを謝りつつ、さっきまで気になっていた事を三人に向けて声を潜めて聞く。
「ねぇ、みんな。今日は何故こんなに人が多いのかしら。いくら王宮での夜会とはいえ、普段こんなに大勢の人が集まったかしら…?」
ティナが聞くと三人は呆れたような視線をティナに向け、大きなため息をついた。
「何言ってるのティナ。今日は王太子殿下の妃候補を選ぶための夜会だから多くの貴族がこぞって娘を見初めて貰うために張り切ってるんじゃない。王国の貴族令嬢は余程の事が無い限り全員参加なんじゃないかしら。」
しれっと言ったノエルにティナは驚愕の声を上げる。
「えっ!そうなの!?」
「そうよ。…というか、この事は参加者全員が知っていることだと思うのだけど。……ティナ、知らなかったの?」
ノエルの言葉にティナは頷き返す。
「知らない、わ」
(…と言うか、教えて貰えなかった、と言うのが正しいわ。これは絶対お兄様の仕業ね。)
ティナの兄であるルイスはティナを大切に大切にしている。実の親よりも過保護なのではと思うほど、ティナに関しては心配性である。
(…それに………。)
「多分、お父様やお兄様は妃候補選びだと私が知ったら絶対行かないって言い出すと分かってたんでしょうね…。知ってたら絶対行かないし、どんな手を使ってでも欠席するわ。」
「ふふっ、相変わらずね。」
(両親や兄が私に知らせなかったという事は、このままいつも通りに壁の花になって談笑していても良いということ。なら、遠慮なく四人で久しぶりのお話を楽しむとしましょう。)
ティナは考えるのをやめ、なかなか直接話を出来ていなかった四人と話を楽しむことに専念した。
*
四人で談笑していると、ジュリアがホールの中央に視線を向け、興奮気味に頬を紅潮させながら言う。
「ティナ、ほらあそこ!アルフォンソ殿下よ!」
視線をジュリアの言う場所に移す。
ティナは王太子に興味はない。むしろあまり会ったり話したりしたくないと考えているくらいだ。それには沢山の理由が有るが、一番の理由は家柄である。前世のティナは家柄の良い男性と婚約し、辛い経験をした。ましてや王族で、次期国王であるアルフォンソ殿下など、問題外である。
「…そうね。」
短く受け答える。
「ティナは本当に王太子殿下に興味がないのね。他のご令嬢方は殿下に夢中よ。」
「興味ないわ。殿方なんて」
実際、殿下の周りには多くの令嬢達が群がっている。殿下のキラキラと輝くシャンデリアの光をそのまま映したような光沢のある金髪や深い海の色を思わせる神秘的な澄んだ碧い瞳。顔のパーツを理想の場所に置いてある清潭な顔立ち。
その存在全てが他を圧倒し、引きつける。魅力的な顔立ちを持つ殿下は当然の如くご令嬢方の恰好の獲物だ。
ティナは顔が整った人も苦手であった。
前世の婚約者はかなり顔立ちの良い人で、王太子殿下の整った顔立ちを見ると記憶がフラッシュバックしそうになるからである。
とにかくアルフォンソ殿下はティナの苦い記憶を思い出す引き金になりかねない。
ティナとしては関わりなど、持ちたくない人物一位だ。
遠目で様子を伺っていると、
ーー目が、合った。
ありがとうございました♪
いつもの場所→壁際のことです♪(๑•̀ㅁ•́ฅ✧
壁の花メンバーがティナのFriendsです。