クリスティナとは (sideルイス)
僕はルイス。
ルイス・リーフェル・ウィンザー。
ウィンザー公爵家の継嗣である。
ウィンザー公爵家はこのウィラント王国の中でも有数の歴史ある名家だ。国王陛下からの信頼も厚い。
さて、今日は夜会の日である。
僕が夜会と聞いて思いつくことはただ一つ、妹クリスティナのことである。
僕は妹を大切にしている。というより、家族、それも父上が妹を溺愛しているのだ。普段は何にでも厳しい父上はクリスティナには態度を軟化させるのだ。そして母上も同様に妹に叱っているところを見た事がないくらい、優しい。
クリスティナは、とても可愛い。
贔屓目なしでも自信を持っていえる。
美しさと高貴さを兼ね備えている。けれども、使用人にも分け隔てなく接し、我儘を全くと言っていいほど言わない。いつでも謙虚で、控えめで、クリスティナの微笑みは屋敷中を和ませる。
妹は理想の妹なのだ。
僕は今でもそう思っている。
馬車での移動中、ティナが壁際にいると話しかけられない、といい、安心した顔を僕に見せた。
いや、だからそれはティナの美しさに見惚れて、話しかけられないんだって。
なんでわかんないかなぁ…。
妹の美しさは群を抜いてる。見惚れて話しかけることすらできない者達は少なくない。
一応、ティナに見惚れて話しかけられなくなってるって言ったけど、頭の中が今夜の夜会を乗りきることでいっぱいのティナは多分聞こえてないな。
…仕方ない。
ティナは夜会が嫌いだ。
アレがあるから。
そう、妹クリスティナは男が苦手、もとい嫌いなのだ。
ティナは人見知りでは無い。同性の友人達とは良好な関係を築いているし、夜会などの社交の場でもそつなく会話をこなしている。
明確な理由は聞いたことがないが必要以上に男に近づいたり、会話したりしていると、気分が悪くなるのだ。いつも最終的には蒼白な顔をして屋敷へと戻ることが多い。
妹のそんな事情もあって、クリスティナがピンチになったらいつでも助けられるよう、今日も妹の様子を視界の端で窺う。
もちろん、妹に変な虫がつかないかも気をつけながら。
*
きらびやかなドレスやシャンデリアの光に照らされて輝く宝石。
そのどれもが我が妹、クリスティナを引き立てている。周りの令嬢や花々が霞む程の存在感を放つ妹は迷うことなく壁際へ進もうとした。
(…またか、)
思わずこぼれそうになった言葉をなんとか呑み込み、再び妹を観察することにした。
相変わらずのティナに呆れを通り越す。
ティナはどうやら友人のノエル嬢と壁際を目指すようだ。僕はそれをただ呆然と見続けた。
区切り悪くてすみませんm(_ _)m
今日中に更新したかったのですが時間が無く…




