夜会3
ーーー目が、合った。
殿下の振り向きざまに。深く碧い、一瞬にして吸い込まれそうな魅力を放つ殿下の瞳はティナをひきつけて離さない。
一体どれほどの間視線を絡ませていただろう。
そう思う前に隣から聞き覚えのある声によってティナはようやく我に返った。
「……ぃな!、、…ティナ!!」
(!!)
「もう、どうしたの。大丈夫?」
親友のノエルの声によってやっと今の状況を理解したティナは、一拍遅れて何とか頷き返す。
「あっ!ご、ごめんなさい…大丈夫よ、大丈夫」
ティナは内心焦りながらもなんとか平静を装った。いつもなら自然と浮かぶ笑顔も今は若干引きつっている。そして、いまとり乱した間に素早く頭を切り替えた
「何でもないわ。少し、殿下を見ていただけよ。」
だが、ティナが思っているよりもティナ自身の動揺が大きかったのか、よく考えもせず受け答えてしまった。
「…!ティナ、やっぱり興味あるのね。」
「全然興味ないとか言っておいて、ずっとアルフォンソ殿下の方を向いているのだもの。」
「…熱い視線、向けてた。」
ノエル、ジュリア、ミラによって次々と語られる事実にティナの頭の中は大混乱である。一体どのくらいの間殿下を見ていたのか、何故視線を向けてしまったのか、いろいろな疑問が脳裏に渦巻く。
「そっっ、そっ…そんなこと、ありえないわ!!」
意図せず大きな声が口からこぼれる。
自らの発した声の大きさに驚き、雪のように白く潤いのあるティナの顔が羞恥で紅く染まっていく。
普段ではありえないほど狼狽えるティナの様子は周りの人々に影響を与えた。
ある者は嫉妬、ある者は驚愕、そしてある者は恍惚とした表情でティナを見つめる人まで、、、
そんな視線に耐え切れなくなったティナは早々に会場を後にした。
ありがとうございました(´∇`)




