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あらすじ(ナツと運命の魔法使い)
運命を支配できるとしたら、人はどうするだろう? すべての失敗を、すべての後悔を、なくすことができるだろうか。もしかしたら、それも可能だったのかもしれない。かつてあった、完全世界でなら――
久良野奈津は、小学六年生の少年である。飾りけのない黒縁の眼鏡をかけて、平均より少し高めの背丈をしている。飄々としているわりには、その向こうにある瞳は複雑な色あいで世界を映していた。
彼は夏休みになったある時、一人の少女と出会う。透村穹と名乗るその少女に、彼はある予言を手渡され、どういうわけか行動をともにすることに。時を同じくして、少女を追う二人の男が姿を現す。さらに、魔法委員会から調査にやってきた魔法使いまで関わってきて……
奇妙な運命に操られた五人の魔法使いたちによって、二人はある場所まで導かれることになる。誰かが振った、サイコロにでも従うように。
(08/9/12~08/11/8)