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掌編小説集8 (351話~400話)

逃走

作者: 蹴沢缶九郎

「この人痴漢です!!」


朝の通勤ラッシュで人がごった返す駅に、女性の声が響いた。人々は足を止め、何事かと声のした方を見る。二十代そこそこであろう女性が、一人の中年男性の腕を掴み、周りに訴えていた。


「この人、痴漢しました!! 私のお尻をずっと触っていました!!」


「ふ、ふざけるな!! 何を言っているんだ!! 誤解だ!!」


しかし、男は痴漢を行っていた。


「一緒に駅長室に来てください」


女性の毅然とした態度。騒ぎを聞き付け、やってきた駅員。家族もあり、会社ではそれなりの地位に就いていた男は、捕まる事を怖れ、我を失い逃げ場を求めた結果、駅のホームから飛び降りた。


間際、男は誰かが「あぶない!!」と叫んでいる声を聞いたが、最早時は遅く、上空五百メートルに存在するスカイステーションから飛び降りた男の身体は、そのまま重力に逆らう事なく、遥か下の地面に向かい落下していった。

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