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スマホさんマジ有能

あの女神!許すまじ!

さっきと打って変わって、周りは木ばっかり。どうやら森の中にいるようだ。いきなり召喚させるかね⁉︎ リブラウスって名前とRPGみたいな世界って事しか聞いてないわっ! スマホがあればなんとかなるって言ってたけど……

そういえば服装が変わってる。ブーツに皮の胸当て、一応剣も腰にさげている。なんか冒険者って感じだな。これが一般的なのか?

一先ずスマホの電源を入れる事にした。中に入っているアプリは[バンク][ボックス][自己設定]だった。えー。なんか3つしかないし、使えそうなやつなさそうなんだが……


「どないせいっちゅうの」


と、ため息混じりに呟いた。


〈よろしければご説明しましょうか?〉


独り言に答えるように突然スマホから女性の綺麗な声が聞こえた。


「ふぁ⁉︎ スマホが返事した⁉︎ 」


〈私の機能の1つです。意識疎通が可能です。〉


まじでか……最先端なスマホになっちゃってるよ。


「えっと……じゃあまず君の機能を大まかでいいから教えてくれるかな? 」


〈かしこまりました。まず私はマスター以外には使用不可です。マスター以外が使うにはマスターの許可が必要になります。〉


あーメティルアがそんな様な事言ってたな。セキュリティーは完璧とかなんとか。


〈また内臓メモリ、バッテリーともに無限になっているので幾らでも使用できます〉


まじかよ! 理想のスマホじゃね⁉︎ 女子高生とか泣いて喜びそうだが⁉︎


〈本体はメティルア様が独自に造られた金属でできており、この世界のどんな物質よりも硬く、破壊不可能と思われます。〉


え、つまり唯一この世に存在する金属ってこと? どんだけハイスペックにしてくれたの⁉︎ ありがとうございます!


〈アプリは今あるもの以外も作成可能です。しかし、1つのアプリ作成につき500 APアプリポイントを支払っていただく必要がございます。〉


つまりAPってのはお金代わりみたいなもんか……


「APはどうやって稼ぐの? 」


〈基本は魔物を倒すと取得できます。またレベルが上がる度500AP取得できます。〉


なるほど。それならまぁなんとかなるかな?まぁ、魔物ってのがどんなのかによるが……


〈機能の大まかな説明は以上です。最後にメティルア様からメッセージを再生します。

『やほー! いきなりこんな事になってごめんね? まぁ、スマホがあれば何とかなる様にめちゃくちゃハイスペックにしたから! あと、この世界の事とか私の知識をスマホちゃんに全部入力しといたからわからない事はやかわ聞けば答えてくれるわ! 私はこれから色々と忙しくなるけど余裕が出来たらスマホちゃんにメッセージ送るからよろしく! じゃあがんばってねぇ! 』

以上です。〉


スマホに丸投げ感がすごいな⁉︎ 最後まで女神っぽさがなかったんだが⁉︎ ……まぁ、何とかするしかないか。


「そういえば、君の名前何ていうの?メティルアはスマホちゃんて呼んでたけど」


〈私には名前はございません。〉


「そうなんだ。じゃぁ俺がつけてあげよう! うーん……女の子っぽいし、フィニはどう? 無限インフィニティからとったんだけど」


我ながら安直な名前な気もする。


「⁉︎ ……畏まりました。フィニで私の名前を固定します。私はこれからフィニとなりました。これからよろしくお願いします。マスター。」


なんか少しだけ喜んでる様に聞こえたな。気に入ってくれたならよかった。


「こちらこそよろしく。フィニ。」


スマホに名前つけるとか元の世界じゃ痛い奴かもだが、こっちでは今唯一の大事な仲間だ。さて、次はアプリの確認だな。まずは[バンク]をタップした。『所持金はゼロです』とメッセージが表示されている。


〈[バンク]は所持金管理アプリです。所持金を任意で出し入れできます。リブラウスの通貨は上から白金貨、金貨、銀貨、銅貨、の4種になります。銅貨と銀貨は100枚で上の通貨1枚分、金貨は1000枚で白金貨1枚分になります。〉


おー! 今はゼロだけどお金入れられるのはいいな。硬貨制みたいだから量があると重いしな。

次は[ボックス]をタップする。すると【収納アイテム一覧】と書かれた表が出てきた。唯一記載されているのが『1000APカード』だ。


〈[ボックス]は収納アプリになります。[バンク]の通貨同様、持ち物を任意で出し入れできます。収納量は無限ですが、生物は基本収納不可です。また収納したものは状態を維持されるので食べ物でも腐敗したりしません〉


RPG定番のアイテムボックスか! 収納量無限とかすごいな! とりあえず唯一記載されている『1000APカード』をタップするとカードがスマホから出てきた。


「フィニ。これなに? 」


〈『1000APカード』はメティルア様がマスターの所持していた1000円札の代わりにボックスに入れておいたものです。私にかざすと1000APを取得できます。〉


うぉー! ありがたい! 向こうの金なんか使い道なかったもんな!メティルアに感謝しながら早速かざすとカードが光って消えた。


〈1000AP取得しました。[自己設定]から確認できます。〉


そう言われて、最後のアプリである[自己設定]をタップする。するとAPの項目が追加されたステータスと共に俺らしきデフォルメされたキャラが表示されている。


〈[自己設定]は[ボックス]と連動しているので装備を一瞬で変更できます。更にステータス値を好きに割振れます。APはこちらでしか確認できませんのでご注意ください。〉


「ん? ステータス値を割振れるってどういう事? 」


〈例えば防御力を5ポイント下げたら他の数値に5ポイント分を好きに割振れます。元に戻す事も可能です。〉


「え⁉︎ それかなり凄くない⁉︎ 好きなようにいつでもカスタムできるってことじゃん! 」


〈シークレット機能もあるので実際のステータスを見られないようにしたり、偽のステータスを作成し、表示したりできます。〉


やべー。アプリが有能すぎる……てか、フィニが有能なのか? 使えなそうとか思ってごめんなさい。


〈1000APで新しいアプリを2つ作成可能ですが、いかがいたしますか?〉


「せっかくだし作りたいな。どうやって作るの? 」


〈マスターが必要と思うモノを言って頂ければそれに可能な限りお応えし、アプリを作成しダウンロードします。また、マスターがよろしければ私の方から提案もさせて頂きます。〉


フィニさんマジ有能すぎる……うーん。今必要なアプリかぁ……あ、一先ず地図は必要かも!今森の真っ只中だし、どっちいったらいいか分からないからなぁ。


「この世界の地図のアプリつくれるかな?」


〈畏まりました。では作成いたします。……作成完了いたしました。ご確認お願いします。〉


早っ!一瞬だったじゃん! と、とりあえず確認だ。すると人型の目印みたいな物が真ん中にある緑の画面になった。


〈今中央に表示されているのがマスターの現在地になります。今の画面ですと半径約100mの範囲です。縮小拡大も可能で、この世界のあらゆる場所が表示、検索が可能です。〉


元の世界の地図アプリみたいなもんか。地図アプリって初めての場所だとめっちゃ使えるよね。


〈あと500AP残ってますが、いかがいたしますか?〉


「うーん。一先ずはいいかな。必要な時にお願いするよ。」


焦ることはないと思う。調子に乗って作るより必要な時に必要なアプリを作るのが一番だ。


〈畏まりました。〉


「とりあえず近くの町とか村行きたいな。地図に案内表示だせる? 」


「可能です。只今表示します。」


画面を確認すると、矢印が表示され目的地まで500mとなっていた。


〈一番近いのはアルテの町になります。治安も悪くなく、駆け出しの冒険者が多くいることから通称『始まりの街』といわれています。〉


「お!いいね!メティルアも考えて召喚してくれたのかな?じゃあ、向かいますか!」


〈はい。マスター。〉


こうして俺とスマホのフィニの異世界生活はスタートしたのだった。






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